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【創作BL】シスコン貴公子の真実の愛⑨

 華やかに着飾った人たちの群れの中、ルゥは息を殺していた。

 ダンスホールは豪奢に飾りつけがされているが、ローゼス家の品のいい調度品に長年慣れ親しんでいたため、ただ目がチカチカと痛いだけに思われた。

 サーヴェイ家の人々は満足げに絵画や彫刻、食器に至るまでを自慢して語っているが、招待客の一部は、離れたところでは彼らの振る舞いに眉根を寄せている。

 ひそひそと陰口を叩かないあたり、本物の上流階級の人々とは、やはり立派なものなのだと思う。

 レオンが招待されていた、アンナの誕生日パーティー。下働きの人数が足りず、募集をかけていたため、ルゥは簡単に潜入できた。

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万が一続きで中編サイズのものを書くことになったときには、500円に値上げします。(たぶんない)

子どもの頃に自分を助けてくれたレオンに忠誠を誓い、あれこれと世話を焼くルゥ。美形で賢い貴公子のレオンには、唯一の欠点があった。それは極度の…

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