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【創作BL】シスコン貴公子の真実の愛⑦ ※R18

「ルゥと一緒に飲もうと思って、買ってきたんだ」

 エリザベスに厄介なものを押しつけられた三日後、レオンは王都出張から帰ってきた。

 疲れている彼を気遣って、あれこれと世話を焼いたルゥは、夜になって彼が奥――すなわち、住み込みで働いている者たちの暮らす棟にやってきたことに、慌てふためいた。

「レオン様。わざわざこんな場所に……」

 寝る準備をすっかり整えていたルゥは、驚き立ち上がる。薄着でやってきた彼に、自分の着ていたカーディガンを脱いで手渡した。サイズは合わないが、風邪を引かれるよりはマシだ。

 レオンは笑って、「君が風邪を引くといけない」と、受け取らない。何度か押し問答を繰り返し、根負けするのはいつだって、ルゥの方だ。

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4,429字
万が一続きで中編サイズのものを書くことになったときには、500円に値上げします。(たぶんない)

子どもの頃に自分を助けてくれたレオンに忠誠を誓い、あれこれと世話を焼くルゥ。美形で賢い貴公子のレオンには、唯一の欠点があった。それは極度の…

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