見出し画像

【創作BL】シスコン貴公子の真実の愛⑧

「おかみさん。買い物行くけど、何かいる?」

 ルゥの言葉に、彼女は「そうねぇ」と、指折り注文をつけ始める。あまりにも数が多いので、ルゥは待って待って、と、紙片にメモを取った。

「それじゃあ、行ってきます」
「行ってらっしゃい」

 ただの挨拶だったが、突然の入居をこころよく受け入れてくれた長屋の大家は、笑顔を作り切れていない。快活な表情も商売道具のうちだというのに、手を振りながら、眉を下げている。

ここから先は

1,861字
万が一続きで中編サイズのものを書くことになったときには、500円に値上げします。(たぶんない)

子どもの頃に自分を助けてくれたレオンに忠誠を誓い、あれこれと世話を焼くルゥ。美形で賢い貴公子のレオンには、唯一の欠点があった。それは極度の…

いただいたサポートで自分の知識や感性を磨くべく、他の方のnoteを購入したり、本を読んだりいろんな体験をしたいです。食べ物には使わないことをここに宣言します。