漫才風「自己紹介、苦手あるある」

「どうもこんにちは」

「どうもこんにちは」

「・・・」

「・・・」

「初めまして」

「あ、初めまして」

「え、と、良い天気ですね」

「そうですね。夕方から雨なんで折り畳み傘持ってきました」

「そうなんですか！あらら」

「あ、貸しますよ？」

「え？良いんですか？」

「はい、３３本持ってるんで」

「３３本も？！」

「なので大丈夫ですよ」

「あ、ありがとうございます。３３本はすごいですね、重くないですか？」

「え？」

「え？え？」

「あ、３３本あるの家にですよ？３４人兄弟なので」

「あ！そうだったんですか！家にね！そしたら借りれないですって！」

「今ちょうど２本あるんで大丈夫ですよ」

「いやいやいや。怖いっす重いっす一本の重み。算数の文章題くらい意味わからない現象です」

「ごめんなさい、三刀流の人類最強剣士みたいになっちゃって」

「え？三刀流？！」

「ごめんなさい、傘刀流ですね」

「そっちのサンですか！ははは」

「ははは。じゃあそろそろ行きますか」

「え？どこに行くんですか？」

「え？人生一発逆転エスポワール号に乗船しに来たんですけど？カイジみたいに」

「え？私はフナムシ捕まえに来たその辺ぷらぷらしてるおじさんの人ですけど？」

「あ、なんかすいません、勘違いしてしまって」

「いえいえ、こちらこそ、名乗らずにすいません」

「なんか似たオーラ？みたいなの感じちゃってて」

「わかります。フナムシにしては逃げねえなってね？あははは」

「いやあ。はははあ。」

「自己紹介って大事ですね」

「そうですね〜」