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奇跡の大逆転(第二章)

三田学園の選手たちは芦屋学園を倒すために引退せずに選手権を戦った。

芦屋学園と三田学園には、選手とコーチしから知らないリーグ戦から続く因縁がありました。

第100回高校サッカー選手権県予選準々決勝

芦屋学園VS三田学園 (3-2ex 勝)

この試合を選手たちはどんな気持ちで戦っていたのか、実際にベンチに入って見た裏側を記事に書きたいと思います。

リーグ戦

三田学園との因縁が始まったのは4月に行われたリーグ戦からです。

県リーグの初戦の相手が三田学園Bでした。

リーグ戦前の僕たちは九州遠征に行き、Jのユースと試合をしたり全国に出ているよな強豪校と練習試合を重ねていました。

新人戦での負けから確実に成長したし、それを実感できる結果も出ていました。

4月から始まるリーグ戦も、絶対昇格を目標にして開幕しました。

初戦の三田学園B戦、前半3分と5分に得点。
いきなり2-0でリードするという展開になりました。誰もが勝ちを確信しました。

悪夢が始まるのはここからです。

僕たちのサッカーは縦に速く、前に前に行くというサッカーです。

早い時間で2-0になった安堵から、僕たちはできないことをしようとしてしまいました。

低いラインでパスを繋ぎ、上手いサッカーをしようとしてしまいました。

DFとGKのコミュニケーションミスから失点。一気に流れは三田学園に傾きました。というよりも、自分たちで落ちて行きました。

前半終了前に追加点を決められ、同点で折り返します。

気づけば2-0で余裕をこいていた状況から2-2の同点。予想外の展開に焦ってしまい、流れは最悪でした。

最悪の流れを断ち切ることができず、後半にも失点し3-2で三田学園Bに負けました。
こんなんで全国なんか行けるわけないとか、合宿での経験はなんだったんだとか、そんなことばかり考えていました。

しかし本当の悪夢はここから始まります。

次のリーグ戦の前に、濃厚接触者がででしまい試合は不戦敗。さらに1週間の部活禁止がいいわたされました。

なのでリーグ戦3試合目は、一度も練習できないまま迎えることになりました。結果は1-2で敗北。

リーグ昇格を目標に掲げて挑んだものの、蓋を開けてみればリーグ戦全敗。5月からはインターハイ予選が始まるというのに、チームの状況は最悪でした。

そして僕自身は、インターハイの2週間前に左手首を骨折してしまい、大会からは離脱。

チームのサポートに周り、できる限りのことをしました。

5月のインターハイまでに残るリーグ戦は1試合。相手は神戸広陵高校Bでした。

この試合で流れを変えない限り、インターハイでは絶対に勝ち上がれない。

そしてインターハイの組み合わせが発表されて、勝ち上がれば三田学園と当たる。

絶対にリベンジする!という気持ちがみんなから伝わってきました。練習の雰囲気が見てわかるぐらい良くなり、神戸広陵高校との試合を迎えました。

当日は僕は病院だったので試合は見ていませんが、先に1点取リードされましたが、みんなが走って闘って声を出して、終了前には同点ゴールを決めて試合を終えるなど、勝ちはしなかったものの、ものすごくいい試合をしたみたいでした。

そしてこの試合をきっかけに、右肩下がりだったチームの状況は一変し、一気に流れができました。

インターハイの1回戦は神戸第一高校。そこに6-1で勝利。

続く2回戦、3回戦も順調に勝ち進め、遂に4回戦で三田学園と当たることが決まりました。

4月に三田学園に敗れてから、リーグ戦は全敗し、目標を達成できず、チーム流れは最悪に。

僕たちは燃えていました。三田学園は絶対に倒す。

そして燃えている僕たちの心に、さらに油を注いでくれたのが試合前の監督の言葉でした。
試合前のミーティング、

俺らの目標はなんや。全国や。
芦屋学園が決勝に行った年、神戸広陵に負けた。そこからワシの中で神戸広陵を倒して全国に行くっていうのが一つドラマや。
ワシは三田にむかついとんねん。去年の選手権の決勝で、三田が広陵と試合しとんのが許されへんねん!
広陵と決勝で戦うのはワシらや!
三田は脇役や!ええか!三田は脇役や!
ワシらは脇役なんかに負けへんねん!
絶対勝ってこい!いくぞ!

これを聞いた瞬間、やる気はぶち上がりです。

びびるぐらい鳥肌が立って、試合前の緊張感や張り詰めた空気が一気に壊れました。

三田学園を倒す。全員がただそれだけのことに集中して試合に臨みました。

試合はやはり厳しい展開に成りつつも、誰一人諦めずに走り、闘い、そしてベンチからも全員が声を出し、途中交代の選手が結果を残して勝つことができました。

まさにチーム芦学の勝利でした。

リーグ戦での負けから、僕たちは本気で悩んで、このままじゃ絶対全国に行けないと思い、練習しました。

ほんとに練習がきつかったし、コーチからは言われたくないようなことをズケズケ言われるし、試合には勝てないし、コロナでサッカーできないし。

ほんとにしんどかった。リーグ戦での敗戦からインターハイでの奇跡の大逆転。

これが僕たちの涙の理由です。

そして三田学園との因縁はここでは終わりません。高校生にとって1番の大舞台であり、最後の大会。選手権大会でも、芦屋学園と三田学園は戦います。

今度は三田学園が、僕たちを倒そうと躍起になっています。

三田学園は毎年、インターハイが終わるとスタメンの3年生が何人か引退して大学受験に向けての勉強を始めるそうです。

ですが今年は3年生が誰1人引退することなく選手権まで残ったと聞きました。

負ける悔しさは僕たちが痛いほど知っているので、選手権で三田学園と当たれば絶対に面白い試合になるなと思っていました。

そして選手権の組み合わせが発表され、勝ち進めば準々決勝で三田学園と当たることがわかりました。

追う側から追われる側になりました。もちろん僕たちは燃えています。

芦屋学園VS三田学園 選手権編
まだまだドラマが続きます。
続きが気になる方はぜひ。

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有料記事には選手権のことやインターハイのこと、僕たちしか知らない、因縁の対決など、内側から芦屋学園のサッカー事情を書いていこうと思っています。
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