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『経済人の終わり』から戦争を考える。その3 「ヨーロッパの古い伝統が革新されつつある」

戦争を見つめるため、しばらくP.F.ドラッカーの『経済人の終わり』を纏めてゆきます。

ファシズムは真実と哲学とを無視し、ただ力のみを求める。

これは勿論、過去の話ではない。

なぜ人は力のみを求めてしまうのか。ドラッカーは「ヨーロッパに流れる伝統にその理由がある」とする。

その伝統とは「孤独」である。

孤独について、ドラッカーは反社会的とも捉えられかねない衝撃的な発言をする。彼の思考の過程を詳しく見ていきたい。

「欧州で数100年続いてきた方法が通用しなくなった」
「欧州根本原理から深められるものが限界に達した」

こうした限界がファシズムの原因だと、ドラッカーは語る。

例えてみれば、後ろには洪水、前には絶壁が立ちはだかる。そんなとき人は魔法を求めてしまう。ファシズムとはそんな現実逃避だった。

魔法を求める絶望こそが、ファシズムを理解する鍵となる。 絶望は戦争とファシズムとを呼んでしまう。

ならば現代はどうだろうか。一瞬にしてコンセプトが陳腐化してしまう時代に、我らはどうすればよいか。力ばかりが求められ、争いが頻発する世界になることが目に見えている。

「次世代は信念によって形作られる社会である」

そうドラッカーは語る。ファシズムはそのまがいものに過ぎない。

欧州の古い体制は革新される。

古い体制とは「自由と平等」だと老賢者は語った。
自由と平等こそが我らを孤独に貶めたと。

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