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電源の重量はパワーアンプの音質に寄与するのか?

いつも楽しく拝見している「あんぷ親父の制作記」なんですが、巨大なトロイダルトランスによる重量式パワーアンプのエピソードが始まりました。

機械的にはトロイダルコアの重量が大きくなれば、慣性モーメントが大きくなるので、振動の影響を受けにくくなります。

また、物性的には磁束飽和密度はコアの断面積と磁路長(トロイダル部の周長)に関連しているため、こちらの影響も受けにくくなります。

さらに、コイルの線材(銅)の重量も断面積(直流抵抗による熱損失)と表面積(表皮効果による損失)、機械的振動などの面で有利になります。

通常、リニア電源では、商用電源の正弦波(100-240V, 50/60Hz)を整流して直流に変換しますが、コンデンサインプットとチョークインプットでは、エネルギー変換(リップルを低減するための平滑処理)に利用している物性が大きく異なります。

コンデンサインプットでは、商用電源の力率は低くなり、コンデンサの充放電能力が電源性能を支配します。

チョークインプットでは、力率は改善しますが、磁気部品により電源の体積と重量が増加します。

磁気部品の大きさは電源の周波数が高くなれば小さくできるため、通常のスイッチング電源は100kHz程度で、スイッチングしています。

一方、商用電源は50/60Hzなので、リニア電源の降圧トランスはスイッチング電源用のチョークやトランスに比べて、非常に大きくなります。

というわけで、オーディオの世界にはいろいろな流儀があるので、考察の対象には事欠きません。


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