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FIREのための資産配分

具体的な資産運用のためには資産配分を決定して、ポートフォリオを構成する必要があります。では、どのように組み入れ資産と割合を決定すればよいのでしょうか?

最近はロボ・アドバイザーのようなポートフォリオ管理のツールが提供される場合が多いので、それを利用するのが簡単ですが、本当に自分の投資目的や投資観にあったものかどうかは自分で検討する必要があります。

例として、私自身の401Kの現在の保有商品の内訳と、ロボ・アドバイザーによる目標ポートフォリオの違いを検討してみます。

まず、現在の保有商品はリーマンショック後の投資環境と展望に基づいて構築したものをほぼ10年以上ほったらかしにしているので、本来の目標配分とは乖離しています。もともとは、債券50%, 海外株式30%, 不動産20%程度の配分だったと思います。

どういう理屈かといいますと、リスク加重平均を資産クラスに依存しないように一定にするという形にしています。なので、期待利回りの小さい(価値変動が小さい)資産は多く、期待利回りの大きい(価値変動が大きい)資産は少なく組み入れるという単純な方針に基づいています。

いわゆるCAPMが背景にありますが、細かい理屈はFIREには関係ないので、興味のあるかたは調べてみてください。

さて、この現在のポートフォリオに対して提示した目標ポートフォリオが次の円グラフです。

ロボ・アドバイザーによるポートフォリオの構成例

まず、株式54%, 債券26%, 不動産5%, その他15%という資産配分になっています。自分の投資観からすると株式が多すぎるのと、比率が10%未満の資産クラスは取引コストが増えるだけなので、他の資産クラスに集約すべきだという結論になります。

これはどういうことかというと、資産運用会社としては、運用指図による手数料を最大化したいので、このような配分を提示するようにロボ・アドバイザーを調整しているということだと思います。

また、サラリーマンがFIREを目指して、天引きで毎月NISAや401Kの資産配分を行うのであれば、なおさら手数料がかさむので、資産クラスの最小化と手数料の安い資産クラス(通常はインデックスのETF)にするのが最善だと思います。

現在の投資環境は、円安や戦争など、リーマンショック後とは様相が異なるので、不動産の代わりに金や暗号資産を検討するのは一考だと思いますが、FIREが目的であれば、通常は自分の平均余命をオープンエンドとする投資シナリオを設定するので、自分の投資観に基づいて選択すべきだと思います。

自分自身はAIを学生時代から30年ほど追求していて、金融関係のプロジェクトとしてバリュエーション、アルゴリズム・トレード、リスク管理などの領域の経験に基づいて、このような考えに至っています。

まとめとして、ローコストのインデックスETFを中心としたシンプルなポートフォリオを、ロボ・アドバイザーを参考に自分自身のFIREへ向けたシナリオに合わせて、構成するのが簡単だと思います。


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