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最後の夏合宿①【不言実行】

この世界には2種類の人間しかいない。
有言実行型の人間と不言実行型の人間だ。

(オリラジあっちゃん風に書き始めてみました笑)

有言実行タイプの人はカッコいいなと思うが、私は後者の人間である。

今回から3回にわたって、2度目の夏合宿を振り返りながら書いていく。

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昨年同様、10校くらいの学校での合同合宿である。

初日のトレーニングを行う直前に、自分のチームが伝えられた。
昨年は、EかFだったので今年はもっと上位に割り当てられるだろうと思っていた。

チームが発表されて死ぬほど驚いた。
なんと、Aチームだった!!

俺がAチームに割り当てられたのは、もちろん理由があった。

この夏合宿と、総体の東北大会の日程が重なっていて、東北大会に出場していた2年生の数名は2日目からの参加となっていたのだ。

それもあって繰り上がったのだが、「まじかよ...」というのが本音だった。

だが、同じAチームに渉もいたので心強かった。

この日は、確か200m×5本を行ったのだが、気温も高く脱落者が続出した。
渉でさえも、途中で離脱してしまう程だった。

俺は全くいいタイムを出せなかったが、なんとかメニューを最後までこなした。

この日の夜、合宿参加者全員が一つの部屋に集められ、一日の振り返りと好タイム者の紹介が行われた。

なんと、この好タイム者の一人に俺が紹介され、全員の前で一言話すことになった。

渉の方がタイム良かったが、全メニューをこなした選手の中で好タイムだった人をチョイスしたとのことだった。

多くの偶然が重なりあの場で話すことになったのだが、俺にとっては願ったり叶ったりの展開だった。

どういうことかと言うと、1年越しの目標を達成できたのだ。

このちょうど1年前。
渉が好タイムを連発し、1年生ながら全員の前で話しているのを見て俺は思った。

「1年後、俺は渉のように好タイムを出し、全員の前で話す!」と。

俺はこの目標を誰にも話していなかったので、「有言実行」ならぬ「不言実行」であった。

昨年引退を発表した元サッカー日本代表の内田篤人選手の著書「僕は自分が見たことしか信じない」にこう記されていた。

目標は自分だけが知っていればいい。そこに向かって努力するのも自分だし、達成できなかったときに悔しい思いをするのも自分。だから目標を周りに知らせることはないでしょ、というのが僕の考え。

この言葉にめちゃくちゃ共感した。

この本が出版されたのは、俺が大学生のときだったが、頭の中に高校2年生の夏合宿のことが浮かんできた。

陸上部時代に、この「不言実行」によって達成できたことがもう一つある。これは引退したときにようやく叶ったものだった...

次回も引き続き、この合宿の続きを書きます。


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