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絶対に失いたくない人

先月、お笑いコンビの雨上がり決死隊の解散が発表された。

昔から「アメトーーク!」はよく見ていたし、その2人が解散してしまうのは少し悲しい気持ちになった。

見た人も多いと思うが、この2人の解散報告会は、笑いあり感動ありで、いろいろ考えさせられた。

家族以外で、自分にとって失いたくない人は誰だろうと考えてみた。


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昼休みに陸部男子の数人が俺の教室にやって来た。ほぼ全員だったかな?
俺は何事かと思い、話を聞いた。

聡汰がこう切り出した。

「久貝部活辞めたいんだって。」

久貝はうつむいていた。

俺はこれを聞いたとき、ものすごく責任を感じた。久貝を陸上部に連れ込んだのは俺だったからだ。入部当初の心配は杞憂に終わったが、ここに来て現実のものとなってしまった。

理由を聞くと、對馬が中長から短距離に移ろうとしていたことが大きく影響していたようだった。對馬はもともと短距離も速かったということもあり、このタイミングで短距離メンバーになることを決断したみたいだった。

このとき俺たちの学年の中長男子は、久貝、對馬、智也の3人。智也は無双状態で、久貝と對馬がその後を追いかけるといった様子だった。

一緒に頑張ってきた對馬がいなくなってしまうことがショックだったみたいだ。また、あの無敵の智也と2人だけになるのも心配だったようだ。

この日はただひたすら話を聞いただけで終わった。悲しいが、本人がどうしてもということであれば仕方ないことだとも思った。

だが結局、久貝は退部することなく俺たちと共に最後まで走り続けた。自分の中でどう踏ん切りをつけたのかは分からないが、残ってくれて本当に嬉しかった。

もしかしたらこのエピソードは、ほとんどの部員が忘れてしまっているのではないかなと思う。

実は、つい最近までこのときと似たような状況にあった。

久貝が俺たちの集まりになかなか顔を出さなくなっていたのだ。

コロナ感染が拡大してからも、俺たちはオンラインで時々集まったりもしていたが、久貝が参加することはなかった。

面と向かっては多分言えないので、ここに書き連ねるが、俺はこの人だけは絶対に失いたくないと思った。

久貝が戻ってきやすいようにするにはどうしたらいいかを考えた。

このnoteを始めたのはいろんな理由があるが、ひとつには久貝に戻ってきてほしいからという思いがあった。

先日、紘太くんの結婚をオンラインでお祝いしたが、なんとそこに久貝の姿があった。

とにかく嬉しかった。
久しぶりに会話もできて本当に楽しかった。

もしまた失いそうになっても、俺はまた懲りずにこの人を追いかけると思う。


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