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人生を変えるかもしれない本との出会い「感じるオープンダイアローグ」①

私が参加しているメンバーシップ「orangeitems membership」では、毎月テーマ決めて記事を書き合うことができます。(もちろん書かなくてもOK) (こちらの企画ですが、メンバーシップのプランからなくなりました)
今月はテーマに合う内容が思いつかないし、書けないかなと思っていました。

今週土曜日のこと、偶然まちなかの本屋さんで見つけた一冊が今の自分が求めているものであり、とても考えさせられるものでした。

これは今月のテーマ「あなたの人生を変えた本」に当てはまる、と思ったので思考の整理も兼ねて紹介しようと思います。

出会った本は、これ。

「感じるオープンダイアローグ」

著者の森川すいめいさんは、精神科医の方で、日本で一般的な精神科学に疑問をいだく中でオープンダイアローグに出会い、発祥の地であるフィンランドまでいき資格を取得された方です。
日頃の診療でもオープンダイアローグを用いられているようです。
驚くことにフィンランドでは、このオープンダイアローグによって、精神面に困難を抱えた方の8割が回復したという実績もあるようです。

それまで、オープンダイアローグなんて言葉を私は聴いたことがありませんでした。ただ、過去のnoteでも書いたように自分の思いを言語化すること、誰かに伝えることには非常に興味を持っていました。
なので、とりあえず読んでみるかと読み始めたのですが、これがピンポイントに自分の抱えている問題に合致していることがわかりその日のうちに読み切りました。

オープンダイアローグとは?

オープンダイアローグという言葉は、「開かれた対話」のことと、その対話を如何に作り出すかという工夫のことを指します。
「開かれた対話」とは、悩みや困難を抱えた人に対して対話が開かれていること。当事者を置いてきぼりにして話が進んでいくのではなく、当事者の意思、意見を重要視し話し合うこと。
診察が始まり、病名を診断し、すぐ精神薬を処方することを考えるのではなく、対話をする。医師と相談者だけで対話をするわけではありません。必要であれば、患者の家族や、同僚など相談者の悩みに関係する人との対話を開くようです。

ただし、開かれた対話は、簡単にできるものではありません。話し合いを持つことが困難な場合もあれば、うまく進行できない場合もあります。
そのような困難に対する工夫もすでにいくつも存在します。
例えば、オープンダイアローグは基本的には、3人以上で行われます。それは1対1で対話をすることが難しいためだそう。例えば、夫婦である問題について話し合っても、気づけば批判されているような感じがして、喧嘩に近い言い合いになってしまったりするからかもしれません。
他にも、リフレクティングという第三者が相談者の抱える悩み、問題について意見を話し、それを相談者が静かに受け止めて考えるというものがあります。自分の状況を客観的に、多角的に見直す機会になるようです。

私が感じたオープンダイアローグの可能性

私がこの本を読んで最も感じていることは、「これは病院とか精神疾患とか云々を抜きにして、もっと一般的になるべき」ということです。
みんな悩みを持っていて、それは基本的に人間関係にまつわるものだと思います。(アドラー心理学の「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」というのは有名ですよね。)

そうであるにも関わらず、多くの人はその対応方法を学べていないし、自然に獲得もできていないのではないでしょうか?
問題に直面する時、ストレス発散や、ぐちを聞いてもらうこと、別の趣味で安定を保つなどの対応でなんとかすることがよくあると思います。
それが良くないことだとは思いませんし、オープンダイアローグができれば、全てが万事うまくいくなんてことも思いませんが、悩みに立ち向かう1つの強力な手段にはなると感じた。

オープンダイアローグの欠点はなにか

オープンダイアローグは、当事者同士が対話を重ね、それぞれにとってよりよくなる方へ進む手段としてとても素晴らしいです。ただ一方で、実現するのに問題があるのも事実だと思います。

私が本書を読んでいて思った問題や障害は、

  • 当事者に解決意思が必要なこと

  • オープンダイアローグを円滑にすすめるための能力を持つ人がまだまだ少ないであろうこと

  • 必ずしも即効性があるわけではなく、継続性が必要なこともあること

とくに1つ目の「当事者に解決意思が必要なこと」は大きいでしょう。本書では、そういう解決意思を持たない当事者というのは、登場していません。なぜなら、著者の精神科に診察に来られる方は、みな「なんとかしたい」という思いを抱え、「自分に何ができるのか?」であったり、「どうすればみんなに迷惑をかけないで済むか?」と悩んでいる方たちだからだ。
そういう意思を持たない人が当事者の中にいる場合、そもそもそういった支援の場に来る意思が生じづらく、問題解決は非常に難しくなる。

あとがき

思ったより長くなってしまって、まだまだ書きたいことがあるので2つにわけることにした。

ちなみにこの本に出会えた本屋さんは、広島にある「READAN DEAT(リーダンディート)」というお店。
マンションの一室で、お店として利用できるようリフォームしているようなので、そこまで広くはないが、その中で趣味のいい本を紹介している。
紀伊国屋や大丸などの大型の書店にはよく行くが、なかなか出会ったことのない本が厳選されている印象を受けた。
お店の入っているマンションにも歴史があるようで、広島で戦後初のエレベーター搭載のマンションなのだとか。教えていただいてから、帰りにマンションを見てみるとなんだかモダンな雰囲気を感じた。非常によいところだった。

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