油分がある粉体は麹に出来るか。

ちょっと頭の中がこんがらがってきたので情報まとめるためにも少しnoteに文字起こしをしよう。

こんな形で数ヶ月ぶりのnoteを書くことになるというのは、不思議なものだなぁとおもいつつ、

まぁ、肩肘張らずにお付き合い頂ければ。

とある縁で、油脂分を含んだ粉体を麹に出来ないか依頼を頂いた。
まだテストも何もしてないので仮説段階なのでとりあえず情報収集をしていた。

僕の一次イメージは「不可能じゃないけど難しそー(まあそれはそれでおもしろそー)」
だった。

理由は2つ、
「油脂分を結構含む(30%くらい?)」
という点と
「粉体である」
という点の2つ。

麹は基本的にはカビなので、油脂には阻害を受けやすい。
…と思う。

思うというのは、明確に阻害されると記述した論文が見当たらなかったのでここは感覚的な部分になってしまう…

が、いずれにしても油脂分が多ければ多いほど麹は生えにくいと思うので懸念要因だ。

次の粉体であるという点だ。
基本的に麹は粒状に生やしやすい性質をもつ。
散麹(バラコウジ)と呼ばれるのもそのあたりに理由がある。

粉体を麹にすると言えば、
中国の方の餅麹の方が彷彿とされる。

これは粉を練って固めて餅にして菌を生やす。

ただし、これはいわゆる麹菌(アスペルギルス)ではなく、クモノスカビ(リゾープス)
を生やすため少し性質として異なるものになる。

僕はリゾープスの性質はあまり知らないのでリゾープスを使うのは最後の手段にしたいなーと思う。

とはいえ、この2つの課題が解消されれば問題なく麹をつくることが可能になる、ということだ。

やってみなはれの精神でやってみるのも良いんだけど、時間は有限だ。

うそだ。なるべくとにかく面倒くさいことはしたくない。

と言うわけで、有り難く先人の叡智をお借りしたい。

まず、米ぬかで麹をつくる方法を発見した。

これは特許なので今回は利用できない…かと思いきや、特許要件は米ぬかなので、実は今回は利用可能である。まじかよ。

ただし、乳酸を用いるため酸味が出てしまう。

利用の可能性は後回しだが、作戦は1つ確保できた。

続いて発見したのはオカラ麹の作り方。

これは特許もなくてなかなか素晴らしい。内容も優れていて、まずはこの内容でのトライが有力だろうか。

オカラは油分も多い。高い場合は10%近くが油分だったりする。

そういった性質もあってから、オカラ麹は脂質分解酵素も少し多いらしい。

対象物によって性質を変える麹らしい反応だ。

期待が持ててきた。

きわめつけはコレだ。

もうどうかしてると思う(褒め言葉)

魚を麹にするとか僕でも思いつけません恐れ入りました…

実際には湿ミールと呼ばれるしっとりした粉体に加工したものを麹にする。

さて、ここでも面白い特性が紹介されていて、

イワシに含まれる油脂分はそれなりに多く、湿ミールも油脂が適度に含まれているけど、麹にする過程でそれらは分解されて減少していくらしい。

なるほど、面白い。

もしかしたら30%くらいの油脂分があっても分解していってくれるかもしれない。

粉体でも麹にすることは可能だと分かったし、油脂分も多少なりとも分解はしてくれる。

問題はこの油脂の濃さの中で出芽して菌糸を伸ばしてくれるかどうか、だろうか。

気になるのがこの点だ。

これでは油脂分ある胡麻油残差では麹に出来なかったらしい。

色々条件によって異なるかもしれないし、結局やってみないことにはわからない。

どれだけ調べても机上の空論だし、

最後はとにかくやってみるしかない。

まぁ、なんとなく見えたし頭でも整理できてきたので、後はやるだけだ。

うまく行かなければ、またそのときに考えればいいさ。

追記。

セルロースが多い個体を味噌みたいにしてもセルロースは分解されないから食感が悪くなりそう。
醤油か……

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