えんど・おぶ・ざ・わーるど 東京初期衝動

えんど・おぶ・ざ・わーるどを聴いて、口下手ながらに思ったことをひたすらに書き殴りました。100共感してもらえるとは思わないけど、少しでも自分の感じたことに確かになって思えてもらえることがあれば幸せです。大好きなバンドの大好きな音楽への愛情の押し付けです。


1.腐革命前夜
この曲が今の東京初期衝動が全て詰まったアルバムの1曲目に来た意味がどことなく聴いて分かった気がする。ドラムの刻まれたビートと共に心拍数が上がっていく感じ、「アイツらを黙らせろ」強くて芯のある歌詞、これが東京初期衝動なんだよ、ってこっちが胸を張りたくなるような安心感と攻めを感じた。少なからずこのタイトルからして、彼女らの抵抗だったり、負けてられない意地だったりも感じるが、それもこれも全部含めて、革命がこれから起こると確信した。彼女らは腐らせてみた、革命なんて起こせない、なんて言うんだろけど、少なからず僕の心は大きく揺れ動きました。

2.マァルイツキ
この曲をライブではじめて聴いたあの日から、サビのフレーズ「まぁるい月 まぁるい夜 あなたを信じてみよう」が耳から離れなくて離れなくて、離したくないのです。1曲目の腐革命前夜とは対極的な曲で、包み込むような優しい曲調や歌詞が心地よい。歌詞のひとつひとつにしーなちゃんがこう思ったのかなとか、こう思ってて欲しいなとか、そういう部分が沢山詰まってて、聴く度に聴こえ方が少し変わってくるような不思議な曲です。可愛い!を東京初期衝動の色に染めていく1曲。

3.不純喫茶にてまた会いましょう
アルバムリリースに先立って、先行配信されたこの曲。個人的にはなるが、思い入れが強くなってしまった曲なのです。先行配信された日、この曲の舞台中野の不純喫茶ドープに行った帰り道、この曲を作った人と巡り会う奇跡。この曲が巡り合わせてくれたのです。
ポップな曲調にもワクワクが止まらないが、何と言っても出だしの「青い空 流れるピンカートン」。洋楽だとWeezerなんてよく聴く自分の身からしたらこんな素敵なフレーズに胸を打たれない訳が無いのです。そしてCメロの転調に不意を突かれた人も沢山いるはず。ライブであれだけ堂々たる姿を見せてくれる東京初期衝動の繊細な部分を見た気がする。中野、高円寺に引っ越して良かったな、と思えることの大部分には、この曲のように東京初期衝動の原点みたいな場所や空気に身近に触れる事が出来るようになったことだなあと感じている。

4.トラブルメイカーガール
この曲の疾走感はvespaから来ているのかってくらいの勢いである。しーなちゃんのnoteにも書いてあったが、この曲のメロディーが小鳥からあさかちゃんが教わったものだとしたら本当に天才なのだとおもう。確かに男の自分からしたら、「産みたいくらいに愛してる!」という度合いはハッキリとは分からないけど、これがどのくらいの愛情なのかをこの曲を聴けば聴くほど少しずつ分かっていけるような気がしている。この曲の好きなフレーズは「君の健康恋愛不幸を私は願ってる」です。君のプラスな部分だけでなく、一緒に不幸を願ってしまうくらい愛していたんだなって思わせてくれる所が最高に東京初期衝動なのです。これが産みたいくらいに愛してる!ってことなのかな。

5.BAKAちんぽ
「うちのカレピに手を出すな!」の再録。コンプライアンスとかが日に日に厳しくなっていく世の中へのアンチテーゼを堂々と掲げていく東京初期衝動、大嫌いじゃない。去年のクリスマスイブのライブでこの曲をやってくれて、「大嫌い 大嫌い 大嫌い」って叫べた時、懐かしくて涙が出そうになった。この曲で歌ってることって、人間の真理だし、これこそが正義だなって思います。これは恋人に対してもだけど、好きなバンドだったり、ものだったりに対しても言えるなって思えるから、この曲が自分の厭み嫉み妬みとか一般的に見たらマイナスかもしれない感情を正当化してくれる。コンプラはガン無視で。


6.空気少女
東京初期衝動の中では異色な曲で、新しい1面を見れたという新鮮さがあった。空気少女という曲名通り、透き通った雰囲気を纏っていて、まれちゃんが作ったというイントロアウトロ、僕も聴き入ってしまって、気付けば気に入ってます。この曲を聴いてる時に寒い冬の夜に、白い息をハーって空に向かって吐いて顔を赤らめた女の子が頭の中に出てくるのです。そう、えんど・おぶ・ざ・わーるどのジャケットの辻藍瑠ちゃんみたいな。東京初期衝動はなんだか冬に強いバンドなんだなあ。勿論どの季節もなんだけど。

7.春
セカキルからの再録。ほんとにこの曲は大好きで、過去最長の期間、LINEミュージックに一生設定させてもらってます。イントロがほんとにほんとに良くて、まれちゃんにただただありがとうの気持ちでいっぱい。言葉の選び方とか、音のダイナミックさとか、メロディーラインとか、全てがカチッとハマってて、この曲に救われる日は多かったなと思う。何色でもないひとりぼっちの夜、僕はこの曲に抱きしめてもらった。これからも抱きしめ続けていくし、誰よりも大切にしていきたい。春になったら、きっともっとこの曲は沢山の人を勇気づけるのです。


8.クリスマス
去年のクリスマスにこの曲を聴けて、思わず聴き入ってしまっていた、僕も隣の人も、みんなみんな。普段あれだけ激しいドラムを叩いてるなおちゃんが作ったメロはしっとりと優しくて、2021年にあった事が全部走馬灯のように蘇ってきて、良かったことも悪かったことも全てをそっと仕舞っておいてくれるような曲だった。たしかに世間は優しくなかったし、けどそれが優しくないとすら思えないほどに当たり前になってしまってきたけど、この曲をまた来年のクリスマスに聴いた時、当たり前じゃない日々を思い出す気がします。上手く伝えられないけど、とにかく、優しくない世の中でも優しくしてくれたこの音楽を大切にしたいです。


9.山田!恐ろしい男
最高にロックな1曲が生まれてしまった。これを作ったのがあさかちゃんなのが、東京初期衝動にとっては必然だったのかもしれない。新メンバーとして加入して1年少々。新しい体制になって、新しい東京初期衝動になって、この色が出来上がって、勢いは以前にも増して良くなった。選ばれるべくして選ばれたのが、あさかちゃんなんだなって思ったし、いつしか東京初期衝動のベースは他に居ない絶対的な存在になっていた。ハードロックジジイではないけど、ロックバンド大好きなライブキッズならぬ、ライブヤングアダルトとして、この曲をライブで聴いたら唸ってしまうだろう。あと、しーなちゃんのnote、この曲の記事が凄く沁みた。とにかく、強くて強くて逞しい、極太な1曲。


10.下北沢性獣襲来
とうとう、あの曲のアンサーソングとも言うべき曲が出来てしまった。それを期待していた訳ではないが、どこかあの曲に対抗出来るくらいの爆弾が投下されてしまう日が来るかもなと思っていたら、とうとう投下されてしまったようだった。言いたいことは特にない、だって聴けば全て分かるから、この曲は。東京初期衝動はこうじゃなくっちゃね。


11.ボーイズ・デイ・ドリーム
下北沢性獣からのギャップが凄くて、真逆に位置するような音楽を並べてくる。さすがでしかない。動揺が隠せなかった。水の音、お風呂かな、も入っていて、この曲を聴いた時、女の子ってこうなんだよな、というイメージの中のThe女の子が浮かんできた。女の子だからとか、男の子だからとか、色々言うのは良くないかもしれないけど、この曲は普段はそんな姿を見せてくれないしーなちゃんの芯の部分にある女の子の部分が沢山見れて、歌詞とか込められた思いとかにうっとりとしてしまう。強い部分とこういうThe女の子の部分を持ち合わせてる彼女は魅力でしかないな、と改めて感じた。しーなちゃんのnoteにもあったが、これがライブでどう化けるのか、凄く凄く楽しみ。夢を叶える瞬間に立ち会って一緒に見届け聴き届けたい。


12.ベイビー・ドント・クライ
ベビドン再録して再び登場。かつてのまれちゃんのエピフォンはギブソンになり帰ってきた。まれちゃんの歌。このnoteでも何度も何度も書いてきたけど、まずは何より言葉選びが素敵で、出だしの部分はこれ以上に素敵な言葉見つからないなっていつも思う。あと夏のすき間の君の恋、もう適わないです。この曲を聴いて、その時の2人のエピソードとかを聞いて、ジュディマリも聴くようになったし、ラッキープールも大好きな曲になった。以前のベビドンよりギターの勢いも増してて、ベースもブイブイいわせてるし、ライブになったらなおちゃんのドラムも負けじと響いてて、イヤホンで聴いている時とライブの時と元々、全然違うように聴こえてた曲がアレンジ加えられて余計ギャップにやられてしまう気がならない。楽しみはまだまだ続く。


13.パンチザウルス
このアルバムのどの曲も全然違う曲調だったりメロディだったりなのに、どの曲もうわ!東京初期衝動はこれだよこれこれ!ってなってしまう。もちろん、このパンチザウルスも。なんだろう、イマドキじゃない感じなのに、すごくキャッチーで胸が弾むような気持ちになってて、この曲は女の子に向けて作られたのかもしれないけど、女の子だけじゃなくてもっと色んな人の気持ちをふわっと軽くしてくれるような素敵な曲だった。そして東京初期衝動の魔法はCメロに込められがちだということをこの曲で確信に変えました。何より音が心地よい!この曲の中で晴れた空が出てくるが、晴れるのはこっちの心もだったなあって感じた。


14.銀河
曽我部さんとの共作曲。この曲をはじめて聴いた時、溶けてしまいそうな気分だった。優しい温度感って音楽でも伝わるんだなあって思った。ゆったりとした曲調も相まって、尚更にそう感じた。曽我部さんの声としーなちゃんの声が重なった時に、なんて綺麗なんだろうって月並みの言葉かもしれないけど心からそう思った。何度聴いても溶けて無くなってしまいそうで、大切にそーっと聴かなきゃなって思える曲です。あと、音も泣く歩く夜って歌詞がグッっって来て、夢できみの寝息って歌詞でグッっっっっっって来ました。天才だと思いました。


15.世界の終わりと夜明け前
この曲はなんだか映画を見ているような曲だった。この曲に出てくる君と僕の存在が凄く等身大で、なんだか身近な感情を抱いた。この曲を聴いて、浅野いにおさんが気になった。好きなひとの好きな映画や音楽の世界に触れてみようと思えた。これが好きってことなんだなって思えた。きっと君とのラストシーンは世界の終わりだと思えるほど儚いものだったんだろうな。この曲が世界の終わり=夜明け前ってことなのかなとも思って、朝がやってくるから終わりなんかじゃないんだよって訴えにも聴こえて(これは勝手に自分が思ってるだけだけど)、夜明け前という時間が少し好きになりました。


16.東京
このアルバムの最後には、この曲を。この世の中には沢山の"東京"という歌がある。どの曲も好きな音楽。でも、この曲が一気に自分の中の東京を鷲掴みにして行った。千葉で生まれ育ち、大学で埼玉に住み、社会人になってほぼ埼玉の東京の外れに住み、去年やっと東京と胸を張って言える場所に引っ越してきた。職場が近いからという肩書きではあるが、どうせ住むなら大好きなバンドの街に住みたいなっていうエゴでもあった。でもその結果大好きなバンドはもっともっと大好きになったし、毎日がそのバンドの空気に触れているみたいで、日常が愛おしくなった。そのバンドが東京初期衝動。だから、大好きな東京初期衝動が歌う東京という歌が苦しいほどに効いた。痛いくらいに沁みた。だってこの曲に出てくる東京で僕は生きているんだもの。特別な音楽とは、これなんだなって思った。この街とこの音楽をずっと大切にしていこうと誓います。


とても長くなってしまいました。読みにくいだろうし、超個人的な意見とか感想の押し付けになってしまったと思うけど、このアルバムを通して聴いて分かったことは、僕が愛したバンドに間違いはないということです。このアルバムで僕の知ることの無かった感情を見つけ出してくれました。これまでも、これからも、ずっとずっとこの街でこの音楽とこのバンドと。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?