201214 ジョー・バイデン選挙人投票を受けての演説

こんばんは、アメリカ国民の皆さん。過去数週間にわたり、各州及びワシントンDCの担当者は、政党や政治に対する自らの主張に関わらず、選挙における勝者の確定に努めてきました。本日、確定した勝者に基づく選挙人団が合衆国次期大統領および副大統領の選出のため票を投じましたが、これは、我が国自体と同じだけ長い歴史を持つ行動です。そして、ここアメリカにおいて、再び、法の支配、憲法、そして国民の意思が勝利を収めたのです。我が国の民主主義は、圧力を受け、試練や脅威にさらされてきましたが、柔軟性があり、真実そのものであり、また強固なものであることが証明されたのです。本日行われた選挙人団投票は、我々が過去経験したことのないような公衆衛生上の危機下においても、国民が投票したという事実を確固たる事実として認めたのです。今回の投票数は記録的なものでした。アメリカ合衆国史上、最大の有権者がその票を投じました。1億5500万を超えるアメリカ国民が、自らの声を聞き届けてほしい、自らの声を考慮してほしいと決心したのです。このパンデミック、この危機の初期において、多くの人は、いったいどれだけのアメリカ人が実際に投票するのだろう、といぶかっていました。しかし、こうした危惧は現実のものとはなりませんでした。我々が目にしたのは、ほとんど誰もが予想しなかった、あるいはあり得るとも思わなかった、アメリカ合衆国史上最大の有権者が票を投じたという事実です。この数は非常に大きなものであり、今回の選挙はアメリカ国民の本当の意思を明白に示すと同時に国民の義務の実行という点において我が国史上最大のものとなったのです。

これは祝うべきことであり、攻撃すべきことではありません。8100万を超える票が、私とハリス次期副大統領に投じられました。これも記録的な数字です。アメリカ史上、最大の得票でした。対抗候補に投じられた票に対して700万票以上の差をつけるものでした。ハリス次期副大統領と私は、2人で306人の選挙人を獲得し、勝利に必要な270人を大きく超えるものとなりました。306人の選挙人というのはドナルド・トランプとペンス副大統領が2016年に勝利、失礼、勝利したときに獲得したのと同じ数です。当時トランプ大統領は、獲得選挙人数を、地滑り的勝利、と呼びました。彼がそう考えたのです。この数字は、当時明確な勝利を示しました。だから、私は、彼らが今回も同様にすべきと、敬意をもって勧めたいと思います。誰にも分からないことでしたが、今、はっきりとしたのです。アメリカ国民の心の奥底で脈打つものとはこのこと、すなわち民主主義、つまり、自らの声を聞き届かせる権利、投じた票を考慮される権利、この国の指導者を選択する権利、そして自ら統治する権利なのです。

アメリカでは、政治家が権力を持つのではありません。国民が権力を付託するのです。民主主義の火は、この国において遠い昔に灯されました。そして、今、パンデミックでも、権力の濫用でさえも、この火を消すことはできないことが分かりました。国民がこの火を守ったのと同様に、勇気ある州や地方の公務員や選挙関係者がこの火を守ったのです。アメリカの民主主義が機能するのは、地方レベルで機能するようにしているからです。今年我々が目にした中で特筆すべきことの1つは、ごく普通のアメリカ国民、友人であり、近所の人、ボランティアも多くいました。民主党員、共和党員、独立派、こうした普通の人々が究極の勇気を振り絞り、法に対する深遠かつゆるぎない信頼と関りを示したのです。そして、こうした人々は真実ではないと思うことに信用を与えることはできず、しようともしなかったのです。こうした人々は、今回の選挙は監督されている、彼らによって監督されている、と知っていました。この選挙は偽りのないものであり、自由なものであり、公正なものであったのです。

アメリカ国民は自らの目でそのことを確かめ、何か違うことを言うように強要されることもありませんでした。これは非常に素晴らしいことです。なぜなら、多くの国を愛するアメリカ人が、非常に強力な政治的圧力を受け、口さがない言葉を投げかけられ、時には身体的暴力を受けることもあった中でのことだからです。そのような立場におかれたアメリカ国民の皆さんが、それでも自由で公正な選挙に対する勇気と関りを示すことを望むものですが、今回の選挙で見られたような脅迫や罵倒による圧力を受ける人々を二度と見ることのないよう心から希望します。このようなことは法外なものというほかありません。各関係公務員には感謝し足りません。スポットライトを浴びることは望みませんでしたが、我が国の民主主義が持ちこたえたのは彼らのおかげです。このことは、再度申しあげますが、日常のアメリカには栄誉と独自の性格と高貴さが浸透しており、そのことこそが我が国の中心となるものなのです。

ご存じのとおり、今回の選挙では、国民の統合は、我が国の法的制度の強さ、独立性そして統一性と軌を一にするものでした。アメリカにおいては、いかなる選挙においても、その正当性に対して疑問が呈された際には、法的プロセスによって解決されます。そして、今まさにそのことが行われているのです。トランプ陣営は、選挙結果に対して、何十回も何十回も法的手続きを採ってきました。その訴えは、そのたびに取り上げられ検討されましたが、何回検討されても、利益がない、とされてきました。何度も何度も、トランプ大統領の弁護団は、州政府、州議会、州裁判所、連邦裁判所に訴えを提起し、合衆国最高裁判所に対しても2度にわたり提訴しています。そしてどの裁判においても、結果を覆し、あるいは疑問視し、あるいは問題があるとする理由や証拠は見つけられませんでした。

再集計を行った州もあります。しかし、全投票が確認されました。ジョージアでは、票が3度にわたり確認されました。しかし結果が変わることはありませんでした。ウィスコンシンでの再集計では、我々の票差が拡大するということにもなっています。ミシガンでの票差は、4年前にトランプ大統領が得た票差の14倍もあります。ペンシルバニアでの票差は、やはり4年前にトランプ大統領が得た票差のほぼ2倍です。しかし、投票結果の正当性に対する根拠のない訴えはそれでも止まっていないのです。

さらに驚くべきことに、17州の共和党の司法長官と126名の共和党連邦議員が、テキサス州によって起こされた裁判の訴状に、実際に、現実に署名しているのです。この裁判は、合衆国最高裁判所に対して、ジョージア、ミシガン、ペンシルバニア及びウィスコンシンでの確定選挙結果を拒否するよう求めるものです。この法的策動では、公選職にある者と一部の州が、最高裁が別の州の2000万以上のアメリカ国民の票を無効にするよう求めています。さらに、大統領職を、選挙人投票で敗れ、総得票数で敗れ、選挙結果を覆そうとしているどの州においても敗れた候補者に与えよと求めているのです。

あまりにも極端な立場ではありませんか。これまで見たこともありません。この立場は、国民の意思に対する敬意、法の支配に対する敬意、そして我が国の憲法の栄光を拒否するというものです。ありがたいことに、最高裁は全会一致で直ちにまた完璧に、この試みを拒否しました。最高裁はトランプ大統領に対して、明確な信号を送りました。すなわち、最高裁はこのような前例のない我が国の民主主義に対する攻撃には加わらない、と。トランプ大統領には、選挙結果に疑義を呈する様々な手法が保証されています。大統領は取りうるすべての手法を講じました。結果、トランプ大統領が望んだ道はすべて否定されたのです。次に大統領は、共和党の州知事や州務長官を批判するとともに、彼らや共和党多数の州議会、共和党が指名した判事などに訴えを持ち込み始めました。最高裁の最新の棄却決定の後訴えは退けられましたが、その際トランプ大統領が指名した最高裁判事はこう書いています。「本法廷は原告に対しその訴えを有効なものとするよう認めてきたが、原告の訴えには利益がない。」そう、利益がない、です。

トランプ大統領のサイバーセキュリティ責任者は、今回の選挙の監督をしていましたが、彼は、今回の選挙はアメリカ史上最も安全なものだった、と発言しています。その結果、彼は更迭されました。もう一度申しあげましょう。大統領のサイバーセキュリティ責任者は、今回の選挙はアメリカ史上最も安全なものだった、と発言しているのです。

ご存じのとおり、たとえその結果が受け入れがたいものであっても、国民の意思を尊重するということが我が国の民主主義の根幹をなすものです。そして、このことは合衆国憲法を支えると誓い職に就いた者の義務でもあるのです。4年前、私は現職の合衆国副大統領でした。選挙人投票の集計結果、すなわちドナルド・トランプが選出された、と両院総会に報告することは私の職責でした。今回、上院でともに働いた多くの共和党議員がこの選挙人投票結果をすでに受け入れていることに驚きはせず、喜んでいます。彼らには感謝しています。そして、この国が抱える様々な課題に対して、ともに働いていこうと気持ちを新たにしました。そのことが、国民、憲法そして我が国の歴史に対する責務だからです。

さて、アメリカの根源を求めるこの戦いの中で、民主主義が勝利を収めました。我々国民は投票し、我が国の統治機構に対する信頼は維持され、選挙制度の統一性は完全なままです。そして、今こそ、これまでずっとやってきたように、新たなページを開き、団結し、癒す時です。今回の選挙運動で申しあげてきたように、私は、すべてのアメリカ国民のための大統領になります。私に投票した人にもしなかった人にも、同様に懸命に努めます。眼前には急を要する課題が山積しています。このパンデミックを制御すること、国民にワクチン接種を行うこと、今日も傷ついている多くのアメリカ国民が必要とする緊急経済援助を提供すること、そして、我が国の経済をこれまで以上によりよいものに取り戻すことです。

その中で、我々はともに働き、落ち着いて互いにチャンスを与えねばなりません。そしてなにより、アメリカ国民として一致団結し、お互いの痛み、苦闘、希望、そして夢を見つめあわなければなりません。我々は偉大な国民です。よき人々です。違う場所で生まれ、違う信条を抱いているかもしれませんが、この国を愛する気持ち、そしてこの国が持つ限りない可能性を信じることは共通して持っているのです。我々、アメリカ合衆国は、世界に対して、平和的な権力の移行という例を示してきました。今回も同じことをしましょう。目前に控える仕事が簡単なものでないことは知っています。我々多くが感じている痛みによるものだからです。

本日、我が国は痛ましい通過点を過ぎました。新型コロナウィルスによる死者が30万を超えたのです。このパンデミックの暗い冬の中、私の心は皆さんすべてとともにあります。皆さんはホリデーシーズンや新年を心の中に暗い穴が開いたような気持ちを抱えて、迎えているでしょう。特に愛する人がすぐ傍にいなくなった人たちは。私の心は皆さんすべてとともにあります。何の過ちも犯していないのに、この厳しい時の影響を受け病の床につき、夜も眠れず、天井を見つめ、自分や大切な家族に明日には何が起きるのかと心悩ませている皆さんとともに。

しかし、歴史上、厳しい時代は過去にもありました。今回の危機も乗り越えられると確信しています。ただし、ともに、です。これまでも、ともに乗り越えてきたのです。大変な職務を遂行していく中で、我々の家を岩の上に再建し二度と流されてしまうことのないよう、この瞬間が我々に力を与えてくれるよう祈っています。聖フランシスコの祈りにあるように、不和のあるところに団結が、疑いのあるところに信念が、暗闇のあるところに光がありますように。これはまさに、我々がアメリカ国民たるゆえんです。我々が愛するアメリカそのもの、そして我々が目指すアメリカなのです。皆さんありがとう。神の恩寵が皆さんにありますように。神がわが軍を守り、我々の民主主義のために立ち上がるすべての人を守りますように。ありがとう。

お祝いありがとう。感謝します。

ありがとうございます。

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