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苛立ってしまう気持ちを、マイルドに表現するのは難しい

「それってそんなに重要ですか?」

家の近所の成城石井でお会計をしていると、私より10歳くらい年上そうな女性が、レジの女性に対して文句を言っている。どうやら、レジに並ぶ場所が違ったようで、「こちら(正しい場所)にお並びいただけますか?」と指摘されたことに苛立ったみたいだ。

私は、その女性のアグレッシブさに少しびっくりしてしまって、その人の方を不意に振り返ってしまった。案の定、少し睨まれてしまう。怒っているようではないのだが、不満げな表情で、やや冷徹な目をレジの店員さんに向けている。

その人がどうしてそんな文句を言うほどに、店員さんに苛立ってしまったのだろう。店員さんはとてもマイルドな言い方で、そのお客さんにお願いをしていたし、感情的に伝えてもいなかったように思う(もちろん忙しそうではあったが)

最近、似たようなことを私も経験した。あるコワーキングスペースで仕事をしている時のこと。ウェブの会議があった私は、共有スペースでMTGを始める。ウェブでの会議はOKで、音量は配慮をもって、というタイプのスペースで、意外と多くの人が会議をしている空間である。

会議を始めてしばらく経ったころ、私に対して近くにいた女性がやや食い気味にこう伝える。

「ちょっと響いてうるさいんで、あっち(テレホンブース)いってもらえますか?」

揉めても仕方がないし、確かに私の声は通りがよく響かせてうるさかったかもしれないと思い、私は席を立つことにした。自分としては音量を気をつけて話していたつもりだったこともあり、もやもやする気持ちも正直あった。

相手に対してアグレッシブに発言してしまうことは私にもある。だから、店員さんに苛立った女性も、私に対して厳しい指摘をした女性も、別に悪いことをしているわけではないと思う。それくらい自分の中で許せないことがあったんだろうし、一定理に適っている部分もあると思う。

でも、もう少し表現の方法がマイルドだったり、他者を攻撃するものでなければ良いのになぁとも正直思えてしまう。誰しもあることだが、自分の言いたいことを言うことと、相手に配慮をすることは別問題であるし、波風を立てないで良いところで、アグレッシブになる必要はないのではないか?とも思える。

その日の気分や体調、その前後にあるイベントに応じて発言や気持ちが変わってしまうのはしょうがない。それを制御できない時もあるだろう。でも、その発言を受けた人も同じように苛立つ気分になるのだから、負の感情を連鎖させていることに、私はどうしてもモヤっとしてしまう。やりきれなさや、分かり合えなさ、他者のことはどうでも良いと考える割り切りが私の中ではまだまだできない。

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