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0キロカロリーの飲み物なんて

一体誰が飲むんだよ(笑)

と思っていた。スーパーに売っている極小サイズのビールもそうだ。確か、1缶250ml か 100ml あたりだったと思うが、その程度じゃ全く酔えないし、まして割高でさえあると思っていた。こんなの買うやつ正気の沙汰とは思えない、なんて烏滸がましいことさえも。

その気持ちは今も変わらないが、私も歳をとり年相応に健康に気を使ったり、カロリーを気にするようになったりすると見え方は変わる。どうしてもコーラが飲みたいと思っても、飲み物でカロリーを使いたくなくて飲まないことが増えてくる。次第にストレスになっていっていつか爆発してしまいそうになるくらいに。

0キロカロリーのコーラは全然美味しくない。間違いない。私はそこまで好き好んで飲んではいない。が、0キロカロリーなら飲める、という嬉しさを感じれるようにもなってきた。コーラ風(というか正真正銘コーラなのだが)な飲み物で、適度にコーラを飲んでいる気分を味わうことで、私の中にあるコーラ欲を鎮めることができる。

ずっと若い時、10代の頃はそんなこと考えずに、思うままにコーラを飲んでは友達とジャンクフードを食べに行って、へべれけによっては朝まで過ごした頃が懐かしい。人は失って初めてその存在の尊さに気づくというが、私はコーラにとてもその郷愁を感じている。

0キロカロリーのコーラしか飲めないわけじゃない。でも、選ぶなら0キロカロリーになってしまう。それはもう若くないことの表れでもあって、私が健全に歳を重ねたことの証明でもある。何もないゼロにも意外に意味はあったんだなと、今日も0キロカロリーコーラを飲みながらふと思うのであった。

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