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不協和音

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エンジニアとライターが始めた共同執筆プロジェクトです。エッセイを軸に、自分の感じたこと、考えたことを発信したり、同じテーマで互いに呼応したりする作品を作っています。
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2021年7月の記事一覧

猫を飼ってから、私の生活は変わった

エッセイを書くのはだいぶ久しぶりだ。こうやって note に向かって、何か文字を書いている瞬間を懐かしく感じる。あんなにたくさんエッセイを書いていたのは、もう半年以上も前のことかと振り返る。 私は今、猫と一緒に暮らしている。半年前の私が想像もしていなかった事態だ。名前は、『ベル』と名付けた。ラガマフィンという、ラグドールの親戚に当たる猫種のメス。今、だいたい3ヶ月くらいの子猫である。目が綺麗で、とても綺麗な顔立ちをしている子である。 動物を飼うのは初めてではない。実家には

そういえば開会式はちょっと見た(特に何も覚えてない)

スポーツには興味ないし愛国心もないので、オリンピックとは縁遠い。 やってることにも詳しくない。「え、テニスもオリンピック種目なんですか?」って言ったら、テニス好きの役員に「ナメてんの?」って言われた。たぶん、生まれて初めて言われた語彙。 配偶者はバスケに熱狂してるし、たぶん折々でオリンピックに関する情報に触れてはいるんだろうけど、興味がないから何も残らない。興味のないことには微塵も脳と五感が機能しないのだ。 極端な性格を今さら嘆きはしないけど、もうちょっと意識の配分をう

父の本棚

今、わたしには実家がふたつあって、どちらにも、意味不明な量の本がある。 夫の実家には、父の古い本が多い。小説、詩集、画集、美術展の図録、建築設計の書籍、デザイン本、どれも30年以上前のものだ。 日に焼けて紙が傷んでいて、タイトルも決して今様ではない。 でも、たとえば田中康夫、井上ひさし、五木寛之のハードカバーが帯付きで、新作として本棚に並んでいるのを見ると、そこには風化していない過去の時間が確かにあるのだった。 日の当たらない和室、畳の匂い、古い紙の匂い、必要とされていなく

真面目な奥さんの災難

おもむろに3歳児が「奥さんて、なーに?」と訊いてきた。 「誰かの嫁はんってことを示す別称やで」と答えると、彼女は何を思ったか「お仕事なの?」とさらに重ねてきた。 奥さんは…たぶん属性であって職種じゃない。ただの呼び方だ、と言い換えれば伝わるのだろうか。でも、配偶者という役を務めていること自体を仕事の一種とするなら、奥さんは仕事なのかもしれない。 3歳児はもちろん、母の逡巡になど興味は一切ない。素朴で難解な質問の答えを回収する気もなく、絵本を読み始めた。もやっとしたまま料理

フローリングに寝袋で寝るのはつらい

最近、寝袋を3つほど買い込んだ。ベッドの代替として、寝袋が使えないかな〜と思ったから。だって、ベットは場所を取るし、布団を洗うのはだるいから。 昨夜、寝袋をひろげてフローリングの床に寝てみた。こんな感じでフローリングに直接ね。 数分後。 やばい、寝れない。背中が痛いし、寝袋ちょっと暑い... 寝袋のチャックを少し開けて、涼しい空気を入れる でもやっぱり、背中痛い...寝れない... 時刻は、夜の2時。「20代半ばのいい大人が何をしてんだ...」と内心思いながら、次