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不協和音

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エンジニアとライターが始めた共同執筆プロジェクトです。エッセイを軸に、自分の感じたこと、考えたことを発信したり、同じテーマで互いに呼応したりする作品を作っています。
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2021年5月の記事一覧

デザインはライターと言葉を喜ばせてくれる

先週やっていたのは、感性の表現力を問われるなかなかヘビーな仕事だった。 とりあえず3稿までOKが出て、わたしの手からは一旦離れた。 …で、今日「初稿のデザイン、でけたで」と、ディレクターから連絡が来た。 見た瞬間に、テンションが爆上がりした。 言葉に、色とかたちが与えられていた。 意味や情景に雰囲気を醸して、たちのぼってくるようだった。 わたしが紡ぐ言葉や文章は、意味や意図を持ってはいるものの、見た目の上では殺風景なドキュメントに過ぎない。 単なる横書きの黒い文字が、フ

閉じ込められることで、解放される

リラックスとかストレス発散、というものを必要としない。 疲れたら寝る、くらい。 唯一、忙しい時期が続くと、一段落ついた後に、長風呂をしたくなる。 2時間くらいお湯に浸かる。 読書することが多いが、一番好きなのは、真っ暗にして音楽を聴くこと。 ワイヤレスイヤホンってありがたーいと一番思うのがこの時。 窓のない浴室の構造上、照明を落とすと真っ暗になる。 目を開けていても閉じていても同じ、くらいの闇。空間も、そこにある物も、目の前に寄せた自分の指ですら見えない。 それがめちゃ

スタイリスト

この数年間、毎月会っている仲の良いスタイリスト、Kさんがいる。彼は、私より2, 3個くらい上の男性で、ぱっと見は今時のやんちゃそうな見た目で、よく笑う快活な人。でも、職人みたいに技術にすごいこだわりを持っている人で、かつその技術から作り出されるアウトプット(髪型)をしっかりと顧客に説明することを厭わない。 私は、「髪を切ってもらうなら、彼」と決めている。多少高かろうが、彼がお店を移ろうが、なかなか予約が取れなくなろうが、特に気にしない。彼の良さを語ればキリがないが、シンプル

とにかく陽気な感じのトランペット

どうも元気が出ないので、昼ごはんを外で摂ることにした。めずらしい。 ひとりで外で食事をするのに抵抗はないが、いつもめんどくささが勝ってしまう。 基本的に仕事中も移動中もずっと音楽を聴いていて、ひとりで食事をする時もその例外ではない。 でも、いつもの状態で元気が出ないんだからランチを食べに来たんだろうと思い、イヤホンをはずしてみた。 その店は地下にあり、薄暗くて、空のコーラボトルが何十本も並んでいたり、乾燥した玉ねぎが吊るされていたりする。 オレンジの照明で、壁はレンガ調で

包みたいだけ

残ったキャベツ、ネギを細かく切って、ひき肉と一緒にボウルに入れる。塩を軽く振って揉んでから、いくつか調味料を入れる。あとは、混ぜてこねて餡を作る。 ここまで整ったらあとは詰めていくだけ。黙々と皮に餡を詰めていく。水をつけて皮を閉じて、バットに置いていく。ただただ無心に。一袋くらい一回で消費する。30個くらい。 私は餃子を包むのが苦手。細かいことが苦手だからかもしれない。うまく包めないけど、うまく包もうとして試行錯誤してずっと無心に餃子を包む。誰かに振る舞うわけでもなく、た

初夏のサイダー、夜、お風呂

お風呂上がりは湯冷めするから外に出ちゃだめ そんな風に昔、母に言われた気がする。 でもさ、あったかくなった体で外に出ると冷たい風で体温が下がっていって気持ちよくない?特に夜の静かな時に、ヒューッと吹いた涼しい風に、体の体温がさらわれた時にはなんとも心地よいよね。 もう季節は初夏。すごく暮らしやすい今の時期はとても好き。あったかいお風呂に入る余裕もあるし、お風呂から出た後に涼しい風を浴びることもできる。その後に、冷たいサイダーなんて飲んだりしたら、もう言葉にならない。

残り物の朝ご飯

仕事の日だけ、朝早く起きれる。 早いと言っても、7時や8時。朝早く起きれる人たちからするとずっと遅い時間に目が覚めている。 朝ごはんは早く起きれた時だけ食べる。朝ごはんを食べたい!と強く思うことはさほどない。コンビニでも買えるし、食べなくてもいいし、でも食べると気分がいいし、みたいなそんな感じ。 朝ごはんを食べる時、前の日の夕飯を朝食として食べると満足感があっていい。物によっては、朝食に食べる?と思われるような物、例えば、揚げ物とかチーズたっぷりなものとか、もあるけど、