西洋美術雑感 26:カルロ・クリヴェッリ「受胎告知」
カルロ・クリヴェッリはルネサンス盛期の始まり、あるいはルネサンス初期の終わりに位置する画家で、この人の絵も独特である。その後のラファエロで完成するイタリアルネサンスへ通じていると言えないことは無いのだが、自分としては、そこからだいぶ外れているように感じられる。
本来なら、クリヴェッリの描く、非常に冷たく、気高い感じの独特な女性の顔が登場する数々の絵を出したいところだが、ここではこの絵を選んだ。
この絵を見ていちばん最初に感じるのが、この厳密に製図のように描かれた透視図