西洋美術雑感 24:ミケランジェロ「ピエタ」
バチカンのサン・ピエトロ寺院にあるミケランジェロの彫刻「ピエタ」である。これは恐らく西洋美術における彫刻の頂点として永遠に残る作品であろう。
これまで、自分は最盛期ルネサンスが苦手だとずっと言ってきたが、それは、その理知的で開放的、完全にコントロールされた表現の調和、したがって健康的で明るい、という性質が自分の好みに合わないからであった。試しにその反対の要素を並べてみると分かるかもしれない。感覚的で、時に内向的、なにかに異様に執着して誇張されたいびつな表現の不調和、したが