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【定例会一般質問】警報発令時における学校対応について

令和5年6月7日に、船橋市議会「令和5年第2回定例会」で一般質問をさせていただきました警報発令時における学校対応について答弁をご紹介します。


今回の一般質問について

5月8日に船橋市で大雨警報が発令され、警報等発令時の学校対応表をもとに市内の小学校は臨時休業となりました。
この表の内容は、「午前7時の時点で船橋市に大雨・暴風・洪水警報等による警報が発令されていた場合に学校が臨時休業となる」というものです。なお、警報が出て臨時休業になった場合において、メール配信は無しとされています。
今回は、この表が出来てから初めての対応であり、検証を含めた課題が多く出てきたものと考えております。
私は2019年に発生した台風災害を受けて、風水害時における子どもたちの安全の観点、教職員を守る観点からマニュアル作成の必要性を一般質問にて訴えさせていただいており、本市においては令和2年にこの登校時の対応をまとめた表が策定されています。その経緯も踏まえて、今回の対応から見えてきた課題について質疑をいたしました。

船橋市議会 2023.6.7 林としのり一般質問
(本会議録画配信はこちら)
https://funabashi.gijiroku.com/g07_Video_View.asp?SrchID=7185

1.警報発令時の学校対応について現状と課題

昨今の日本のおかれている自然災害の規模を考えますと、台風だけではなく5月8日のような豪雨による警報等が発令される可能性は今後多発することが想定されます。台風であればある程度予測を立て事前に対応について確認を進めることも可能であると考えますが、今回のような休み明けの登校時で、且つ豪雨等による警報等の発令といった予測が難しい場面が今後無いとは言い切れません。
しっかりとシミュレーションを行い、対応について検討する必要があります。そこで、今回の対応を踏まえ、どのような検証を行い課題を見出したのか質問を行いました。

Q.5月8日の対応についての検証と課題について

〔答弁〕
学校教育部長:
『学校対応といたしまして、令和2年以降、毎年度はじめに各校長あてに保護者への周知に関する依頼文、警報等発令時の学校対応表、目的等を掲載した学校向けの説明資料及び保護者への周知文作成例を全校に周知するとともに、警報等発令時の対応について市のホームページに掲載することで、学校の共通理解や保護者への周知に努めてきたところです。
今回の大雨警報に伴う対応としましては、警報発令から休校判断までの時間が非常に短かったため、登校した学校があったり、休校とした学校に登校した児童がいたりするほか、休校していいのか戸惑う声が学校や保護者からございました。
教育委員会としましては、警報発令時の学校対応表に沿った対応をしていただくため、学校や保護者へのさらなる周知が必要であることを課題として認識しております。』

2.メール配信について

警報等発令時の学校対応表によれば、午前7時の時点で警報が発令していれば「休校」という判断になります。
今回は警報が出たのが午前6時を回った後からでした。
例えば台風が接近しており、対応について事前周知出来ていたならば、迷ったり混乱したりすることがなかったと考えますが、今回はそれが叶わず6時を回ってから周知するための対応を行う状況であったことを考えますと混乱を防ぎきることは難しく感じました。
実際に、保護者としても判断に迷った、または、実際に登校をしてしまった生徒がいたとも伺っております。
加えて、学校対応表を見ますと「臨時休業のメール配信は無し」との記載があります。
しかしながら、今回のケースでは個別に臨時休業の連絡が来た学校があったり、その時間もまちまちでした。
この点について、今後周知の方法としてメールでの対応が可能なのであれば、ルール変更があっても良いと感じます。

Q.学校から臨時休業のメール配信はできないのか?

〔答弁〕
学校教育部長:
『警報発令時の学校対応表につきましては、大規模災害など、学校から保護者に連絡が取れない場合があることを想定しております。児童・生徒及び教職員の安全を第一と考え、登校せずに済むよう、保護者に事前にお伝えし判断していただくこととしております。
今回の大雨警報においては、保護者へのメール配信を行った学校があったと聞いております。メール配信を行った学校と行わなかった学校でどの様な要望や課題があったのか、校長会を通じて学校現場の実態を把握しながら検討してまいります。』

Q.教育委員会として今後どのような取り組みを考えているのか?

保護者の立場からすれば、目で確認できるメール連絡が来ることは望ましいと考えますが、メールを配信するには学校の管理者が行う必要があります。この警報等発令時の学校対応表というのは、子ども達の命を守る観点と教職員の命を守る観点の両面から成り立つものです。警報等発令時の学校対応表に該当する事案の際、管理者が風水害の影響で対応できないことも想定されますので、義務付けのハードルが高いというのも理解はいたします。
しかしながら、保護者としては何かしらの対応や方策について発信が無ければ対応に困るわけで、今後に向けて取り組みが必要となってくる点であると考えます。
そうしたことを踏まえ、今回の事例を受け教育委員会としてはどのような取り組みを進めていく考えがあるのでしょうか。

〔答弁〕
学校教育部長:
『今回の事例を受け、災害対応に関する共通理解や周知が足りていなかったことを課題と把握しましたので、令和5年5月25日に学校から保護者への再周知を行っていただくように依頼をし、災害情報の取得方法に関する再周知も併せて行いました。また、今まで年一度であった周知のを学期の初めなど機会をとらえて、複数回周知に努めてまいります。さらに、警報等発令時の対応について市のホームページで掲載しているところですが、より分かりやすい周知に努める為、掲載内容の見直しを検討してまいります。』

Q船橋情報メールを活用して学校の臨時休業の案内はできないのか?

本市では、災害時における臨時休業の周知を図る方法のひとつとして、保護者に「船橋市情報メール」を登録してもらい、7時の段階で警報が出ている場合は保護者判断のもと休みを取ってもらう、という取り組みも行っていると話を伺っています。
この警報等発令時の学校対応の基準がしっかりと決められているのであれば、この船橋市情報メールを使って学校の臨時休業を周知する対応でも良いのではと考えます。
そこで船橋市情報メールを活用して警報等の配信をしている危機管理課を持つ市長公室に伺いますが、警報時における学校の臨時休業の案内をメール配信することは出来ないのでしょうか?

〔答弁〕
市長公室長:
『ふなばし情報メールのうち、ふなばし災害情報は、各種気象情報、土砂災害警戒情報、震度4以上の地震発生情報及び災害時の避難所開設情報など安全安心を確保するための即時性の行動が求められる内容を登録者に自動配信を行っております。
議員からご要望のあった、ふなばし情報メールで警報時において学校の臨時休業の案内ができないかということですが、災害メールは、災害が発生した時に、登録者に出来るだけ端的にかつ分かりやすく伝えることで緊急避難の行動をとるきっかけとなるよう、簡潔に分かるような内容で配信することとなっております。
また、広く市民の方を対象としていることから、学校の臨時休校の案内をはじめ、他のお知らせについて追加していく事は考えてはおりません。』

3.学校の臨時休業時の給食について

学校が臨時休業によることによる学校給食のあり方についてです。
学校が臨時休業となれば当初予定をしていた給食に関わる食材については、行き先がなくなってしまいます。そこで、現在の対応状況について質問を行いました。

Q.学校給食の食材についてどのように対応するのか

〔答弁〕
学校教育部長:
『警報発令時の学校対応につきましては、学校での取り扱いや注意事項を毎年、年度当初に学校へ通知しております。
その通知の中で、給食に関しては
● 臨時休業になった場合は、給食は中止となり、その際、保護者への給食費の返金はしないこと
● 食材については、原則学校へ納品してもらい、返品は行わないこと
● 納品された食材は各学校で廃棄し、納入業者に返品や廃棄依頼はしないこと。
● 納品された食材料は通常の食材料費と同様に支払うこと
などを指示しております。
なお、納品された食材料の中で、品質管理が難しいものについては、やむを得ず廃棄しなければならないこともございますが、乾物類や缶詰類など長期保存が出来るものは、納品後、食品保管庫で使用可能日まで保管するなどして、廃棄する食材が出ないように努めてまいります。』

Q.納入業者との事前協議などについて取り組むことにおける市の見解は?

長期の保存が可能なものなら廃棄が出ないように努めていることに関しては、必要な取り組みであると評価いたします。
また、品質管理が難しいものは廃棄もやむを得ないという点についても、衛生面を考えますとハードルが高いのも理解いたします。
しかしながら、例えば事前協議などによって取り決めを行い、仮に衛生面においても問題なく使える食材がほかに該当するものがあるようであれば、フードロスの観点からも適切に消費してもらえるように取り組む余地があるのではないでしょうか。
まずは納入業者を含めた話し合いの場を設けて意見を吸い上げ、何か対応が出来ないのか検討を進める必要があると考えますが本市の見解を伺います。

〔答弁〕
学校教育部長:
『災害等により急遽、臨時休業や学級閉鎖等で給食を中止することになった場合は、発注を停止するための時間的余裕がないこと、また、学校の食材料の発注が大量であること等から、キャンセルや変更が難しい状況にあります。また、牛乳業者、青果業者、精肉業者それぞれに条件が異なる食材料となっていることから、すべての納入業者にあてはまる対応は出来ないのが現状です。
学校給食で生じた未利用の食材料の活用については、今後起こりうる、災害等による不測の事態に備え、他市の取り組みや納入業者の意見を参考によりよい対応が図れるように検討してまいります。』

4.警報発令時の学校対応表策定における目的

今回学校が臨時休業したことについて、私も子を持つ一人の親として、できる限り多くの方から話を聞いてまいりました。
そうした中で、この「警報発令時の学校対応表」に関する取り組みをしっかりと知ってもらい理解してもらうことが必要だと改めて感じました。この対応表は、特段、議案化された事柄ではなく、本市独自に設けたものでもあります。
そこにはこれを策定するにあたり、本市教育委員会として想いがあると私は考えますし、それはしっかりと会議録に載せていく必要があると考えます。

Q.子ども達や教職員に対してどのような思いのもと策定したのか

本市教委が「警報等発令時の学校対応表」の策定にあたり、子どもたちや教職員に対してどの様な想いのもとこの対応表を考え策定したのでしょうか?
〔答弁〕
学校教育部長:
『この学校対応表につきましては、令和元年に千葉県に直撃した台風や大雨発令時の教訓を踏まえて策定されたものです。児童・生徒及び教職員の安全を確保するとともに、警報発令時の対応方法を明確化することで混乱を回避し保護者の安心を確保することを目的として策定しております。』


今回の臨時休業におけるメール配信をした学校、しなかった学校の要望や課題については、しっかりと検討していただくようお伝えしました。ふなばし情報メールの活用が難しいとの判断については、「迅速に分かりやすい内容で配信をしていきたい」という本市の考え方は理解をいたします。
この件については、改めて別の機会で質疑を行っていきたいと思います。

〔令和5年第2回定例会 一般質問(2023.6.7)〕

林 としのり
1. 警報発令時における学校対応について
2. ごみの収集について

⇒本会議録画配信はこちら
https://funabashi.gijiroku.com/g07_Video_View.asp?SrchID=7185

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