【定例会一般質問】学校図書・読書について
令和4年9月9日に、船橋市議会「令和4年第3回定例会」で一般質問をさせていただきましたテーマのひとつである、本市の学校図書・読書に関する答弁をご紹介します。
今回の一般質問について
船橋市では、GIGAスクール構想のもと児童生徒に一人一台端末が配架され、令和4年6月より随時家庭にタブレット端末を持ち帰るようになっています。私の娘も自宅にタブレット端末を持ち帰り、夏休みでは一人で検温をして入力をするということを毎日行っておりました。
このように、小学生の頃からICTに触れる機会が多い昨今の教育現場においては「ICTが当たり前、活用するのが当たり前」の時代になってきていると実感されることと思います。さらに言えば、今後はその様な技術が活用された学校運営が少しずつ進んでいくものとも考えます。
今回は、そうした観点から学校図書・読書について質問をしてまいりました。
1.学校図書の古い書籍について
本市の学校現場では、新しい本から古い本まで数多く保有されています。
古い本の扱いについては、以下のとおり実施されています。
Q. 古い本の管理についてどの様になっているのか?
〔答弁〕
学校教育部長:
『学校図書館の古い本の扱いにつきましては、「学校図書館図書廃棄基準」に基づいて、廃棄、随時新しい図書を購入しております。なお、廃棄基準となる図書であっても、児童生徒の教養を育成する学校図書は学級文庫として活用し、児童生徒の読書環境が充実するように努めております。』
上述のとおり、本市では「学校図書館図書廃棄基準」に基づいて適正に管理されているとのことでしたが、古くなった本は次の一般基準として8つ掲げられた項目に該当する場合は廃棄更新の対象となってしまうことになります。
本というのは紙でできておりますので、劣化や破損がついて回ります。
とはいえ、ただ廃棄するというのは少し寂しい気もしますし、当時の歴史を残す意味でも何かしらの対応が出来ないものかと思います。たとえば昨今の教育現場におけるICTの活用を考えるならば、これを上手く生かすことはできないのかと考えます。
また、「学校図書館図書廃棄基準」に該当していても廃棄を対処としない図書も二つあります。
一つは郷土資料、そして二つ目は自校資料です。
これらをタブレット端末等を利用して電子化することが出来れば、劣化することなく恒久的に本を残せるのでないかと考えます。
そこで、次の提案をいたしました。
Q. 古い書籍は電子化出来ないのか、また、廃棄の対象とならない図書の電子化も併せて伺いたい。
〔答弁〕
学校教育部長:
『「学校図書館図書廃棄基準」には、図書の電子化に関する内容は示されていないことから、学校図書の古い書籍に関しては、現在、検討しておりません。なお、廃棄の対象としない郷土資料と自校の資料については、長期にわたって保存することを目的として、電子化が進められるかどうか、今後、研究してまいります。』
廃棄の対象とならない資料については、今後しっかりと検討していただき、可能であれば恒久的に次の世代へ残していくためにも、ひとつの選択肢として図書の電子化を考えていただきたいということを要望として伝えさせていただきました。
2.電子書籍の位置づけについて
昨今では、紙の本と同等に電子書籍を選択し購入されているケースも目立ってきており、実際に出版科学研究所の「日本の出版統計」を見てみますと、電子出版販売額が2014年から2021年にかけ年々増加していることが見て取れます。
小学生の頃からタブレット端末に触れることが当たり前となる世代の子どもたちにとって、電子書籍は今後、今以上にスタンダードになってくるのではと想定されます。そのような状況下において、学校における読書についても電子書籍の位置づけが変わってくるのではないでしょうか。
また、本市では船橋市電子図書館サービスを展開し、読書の選択肢を増やす活動がなされています。このサービスでは児童書や10代向けの書籍も閲覧することが可能です。
「第三次船橋市子供の読書活動推進計画」のもと読書の推進が図られており、現状の計画には電子書籍に関する記載はないものの、今後組み入れられる可能性もあるのではないかと考えられます。
そこで、次のような質問を通して今後について確認いたしました。
Q. 昨今の電子化の波により、電子書籍も読書の一つと捉えることもありうるのではと考えるが、今後どのように整理していくのかについて伺いたい。
〔答弁〕
学校教育部長:
『電子書籍を活用した読書も、大切な読書活動の一つであると考えております。しかし、学校図書館法では、学校図書館は図書や視聴覚教育の資料を収集し、整理し、保存する機能があることを示しており、児童生徒は、それらの図書や資料を選んで読書することが求められております。そのため、児童生徒の読書活動は、学校図書館の図書を活用していることもあることから、当面は紙書籍での読書活動を進めてまいりたいと考えております。』
Q. 第三次船橋市子供の読書活動推進計画の中に電子書籍も入ってくるのかについて、今後の展望について伺いたい。
〔答弁〕
生涯学習部長:
『「第三次船橋市子供の読書活動推進計画」では、電子書籍について記載はしておりませんが、本市図書館では令和3年1月に電子書籍サービスを導入し、その中には、児童書や10代向けの書籍も含まれております。
引き続き紙と電子、それぞれの利点を活かした貯蔵構成サービスに努めると共に、次の「第四次船橋市子供の読書活動推進計画」の策定時には、子どもの読書環境の変化をふまえ、電子書籍の更なる活用についても検討し、次期計画に反映してまいりたいと考えております。』
3.読書教育の大切さについて
本定例会では、学校の図書や読書に関する質問を通して、子ども達の読書環境について確認いたしました。
「読書」というものはとても大切な機会であり、どのような形であれ、字を読むことに触れてもらえればと願うばかりです。
本市の教育に長年携り、時代の変化が著しい社会において子ども達の健やかな成長を願って、教育行政のトップとして歩みを進めてこられた教育長が、この議会を最後に退任されることとなりました。
そこで、質問の最後に、読書教育の大切さについてのお考えを伺いましたので、貴重なお話を皆さまにも共有させていただきます。
教育長:
『「言葉の力を身につける方法は読書以外にない」「想像力は読書でしかつかない」と言いきる作家がいます。また「一冊のいい本との出会いは一人の素晴らしい人との出会いと同じである」、読書は心を豊かにしてくれることから「本は心の栄養分」とも言われます。
このようなことが言われるのは、読書は言葉を学び、完成を磨き、想像力を培い、論理的な思考を養い、表現力を高め、人として豊かに生きる力を身に着けていくうえで、計り知れない価値をもっているからだと考えます。このことから毎年4月の校長会議で読書活動の重要性を話し、各学校で読書教育の推進に努めていただくよう、お願いしています。
近年、子供たちを取り巻く情報環境が大きく変化をみせており、読書の在り方にも、大きな影響を与えていると言われておりますが、子供たちが、読書の楽しさに気づき、自ら読書を楽しむことができる環境づくりを進め、子供たちがたくさのいい本と出会い、思考力、表現力、想像力を高め、心の豊かな人になってくれることを願っております。』
この答弁を聞くときは、議員ではなく一生徒になった気分でお話を聞かせてもらいました。
教育長へ心より感謝を申し上げるとともに、私も一議会人として、同じ議場で働かせてもらったことに恥じぬよう、引き続き市民のために歩みを進めてまいります。
〔令和4年第3回定例会 一般質問(2022.9.9)〕
林 利憲
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2. 学校図書・読書について
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