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【定例会一般質問】防災について

令和元年9月10日に、船橋市議会「令和元年第2回定例会」での一般質問を行いました。3項目にわたり質問したうちのひとつ、「防災」に関する答弁についてご紹介します。

今回の一般質問について

船橋市では、平成31年3月に「船橋市地震防災戦略」を策定しています。

その中で想定されている千葉県北西部直下地震(マグニチュード7.3)において、建物の全壊焼失が17,310棟、半壊が20,770棟、死傷者数の合計が5,210人の被害想定が出されており、当市では死者数及び直接経済被害額を今後10年間で半減していくことを目標としています。

政府の地震調査研究推進本部は、千葉県北西部を含む南関東でのマグニチュード7クラスの首都直下地震の発生確率を約70%と公表しており、その発生率の高さは、いつ災害が起きてもおかしくない状態です。

2019年9月1日に行われた「9都県市合同防災訓練」を私も見学しましたが、市や県だけでなく自衛隊や消防、警察、各種団体が参加し、実際の災害を想定しての非常に効力のある訓練であると感じました。

やはり部分的、単体での訓練ではなく、各団体が一同に会した訓練を行い検証していく事で多くの気付きがあったと思いますし、私も、見たり聞いたりするだけではなく、実際に訓練に参加してみることで防災に対しての理解が深まり、それが防災意識の向上につながると実感しました。

そこで今回は、船橋市の防災について、訓練に関する点を中心に確認してまいりました。

9都県市合同防災訓練の様子

1.防災意識の向上への取り組み

多様な防災対策の中でも、訓練を通して市民の方々が災害についての理解を深めていくことは、大変重要で効果があると考えています。
そこで、船橋市では現在どのような取り組みを行っているのかをまず質問させていただきました。

Q. 船橋市は市内の各小・中学校に対応できるように100セット以上ものHUGゲームを所有しているが、どのような活用をしているのか?

市長公室長:
市民の方や町会自治会の方々などに対する防災意識向上のための取り組みについて、今年度は高瀬町運動広場を中央会場として、九都県市合同防災訓練を実施した。
多くの市民の方や町会自治会、自主防災組織の方々が実動訓練を目の前で見ることや、実際に訓練へ参加したことにより、改めて災害についての理解を深めていただくことが出来たと考えている。

また、千葉県が新たに地震被害想定を見直したことや、大規模な地震や風水害に備え、ご自身の住んでいる地区の課題を知っていただくことが重要であることから、平成29年度から30年度にかけて防災アセスメント調査を行い、被害想定を示した地区別防災カルテを更新し、各地区で説明会を実施している。

さらに各地域においては、「自分たちのまちは自分たちで守る」という意識を持ち、災害時には活動の核となる自主防災組織を結成するために、地域防災リーダー養成講座を毎年開催するとともに、防災士資格取得及び災害救助ボランティア講座に係る費用の補助や、防災フェア、市民まつりやTOKYO-BAYららぽーとでの防災イベント、また年間を通して、町会・自治会などへ防災指導、防災講話や中学生に対する防災学習などを通して、防災意識の向上に努めている。

令和元年第2回定例会 一般質問/市長公室長 答弁

2.避難所運営ゲームの活用

本市が出した地震防災戦略では建物の全壊・半壊の合計が38,000棟以上という予測が出ている中で、避難所の環境やその運営については大変重要になってきます。

そこで、避難所運営を身近に考えることができ、疑似体験できるゲームとして、避難所運営ゲーム「HUGゲーム」というものがあります。
避難所運営を考える一つのアプローチとして静岡県が開発したこのゲームは、一定の条件を決めてカードを読み上げ、実際に避難してきた方を避難所のどこに配置するのかを考える内容です。

グループワークで進めるのですが、実際に私も3回ほど体験しまして、普段考えもしなかった事を考えさせられ、多くの気付きを得られた大変勉強になるゲームでした。

船橋市では、市内の各小・中学校でこのゲームを100セット以上所有しているので、こちらの活用について確認しました。

Q. 災害において市民の方の意識の向上が必要になると思われるが、現在船橋市ではどのような取り組みを行っているのか?

市長公室長:
避難所運営ゲーム(HUG)については、東日本大震災を受けて小中学校の耐震化工事が平成25年度から3年間行われた間、総合防災訓練の場所が制限されたことから室内で出来る避難所運営ゲームを取り入れ、市が大きな被災を受けた場合に市の力だけでは避難所を開設・運営することが難しいことから、地域の力、協力により避難所を運営できるよう避難所の運営を重視した訓練を行った。

また、自主防災組織などの依頼により、避難所の運営知識を学ぶために、避難所運営ゲームを取り入れて防災指導を実施した。地域の防災訓練や中学校の防災学習などで避難所運営ゲームを活用する場合は、貸出も行っている。

さらには、地域防災リーダー養成講座や、市の助成制度を使って資格を取得した防災士のスキルアップのための防災士等資格取得者フォローアップ研修会においても、プログラムの一つとして避難所運営ゲームを実施している。

令和元年第2回定例会 一般質問/市長公室長 答弁

3.防災意識の向上の向けたPR活動・アクション

災害が起きた時に、消防や警察、行政などに全てを任せるには限界があり、街に住む方々の力が不可欠になってきます。

救助や支援が来るまでは、地域の人が協力し合って乗り切って行かなくてはなりませんので、市としてもぜひどの年代でも参加でき、防災意識の向上につながるHUGゲームなどの推進に努めてもらいたいと考えます。

Q. 今後の防災意識の向上に向けて、どのようなPR活動・アクションを起こしていく予定があるのか?

市長公室長:
8月25日に、九都県市合同防災訓練の一環として、船橋中学校において町会・自治会の方々が総務班、情報班、施設管理班、食料・物資班、保健・衛生班、要配慮者班に分かれて、避難者の受付から居住区への誘導、支援物資の配給などの一連の避難所運営訓練を実施した。

町会・自治会ご自身の避難所運営の手引きとなるよう、この訓練内容を収録したDVDを作成し、活用して参りたいお考えている。

また、防災フェア、防災指導など、あらゆる機会を捉えて、防災意識の向上に努めていく。

令和元年第2回定例会 一般質問/市長公室長 答弁

Q. 来年度以降、町会単位で通常毎年行っている単独訓練に加えて、避難所運営ゲームなどの出前講座を積極的に推奨してみてはどうか?

市長公室長:
避難所運営ゲーム(HUG)の推奨については、現在、自主防災活動の手引きとして、町会・自治会、マンション管理組合などに送付している「ふなばし防災ナビ」において、訓練目的や実施方法などを掲載し周知している。

大規模災害時における、避難所運営を体験できるHUGを多くの地域の方々に活用していただきたいと思っているので、他市の事例などを調査して、活用が進むよう努めて参りたい。

令和元年第2回定例会 一般質問/市長公室長 答弁

町会の防災訓練では、役員の方はせっかくの機会だからということで家族で参加したりする方もいらっしゃいますし、年代問わず、またその日の天候にも左右されずに参加できる避難所運営ゲームは大変有用です。
市内に100セット以上あるこのゲームを、もっと利用しない手はないと思います。

地域性もあり一概には言うことが出来ませんが、町会、自治会によっては1年、2年交代で役員が変わる場所もありますので、以前実施したとしても3~4年も経つと「避難所運営ゲームを体験していない」という町会、自治会の方々が多くいらっしゃいます。

定期的に実施することで、より多くの方に広く経験していただき、他市に負けないくらいの防災教育の推進を図ってもらえればと要望して、質問を終えました。

ぜひ皆さんも積極的に訓練にご参加いただき、防災意識を高めていきましょう!

〔令和元年第2回定例会 一般質問(2019.9.10)〕
林 利憲
1. 防災について
2. 学校プールについて
3. 部活動について

⇒本会議録画配信はこちら
https://funabashi.gijiroku.com/g08_Video_View_s.asp?kaigi=43&NitteiID=1410&SrchID=4321


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