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🔥勝つための思考と行動~東洋の英知「孫子の兵法」

東西文明が交代期にある今、国際政治も会社経営の現場も、鎬(しのぎ)を削る戦いの場となっています。食うか食われるかの陣取り合戦が起こっているのが、世界の現実です。 必要なことは、…
これからお届けする【勝つための思考と行動~東洋の英知「孫子の兵法」】は、現時点で書籍化しておりませ…
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#勝利

【孫子の兵法・その30】 敵を知り、己を知れば、百戦しても危険は無い

四、味方の態勢を万全に備えた上で、敵の不備に当たれば勝つ。これが、勝利を見通すための五カ条の四番目です。「態勢が万全」の原文は「虞」で、「虞」には恐れる、心配するという意味があります。前もって不安な事柄を洗い出し、よく考え、対応を図ることで心配を除き、態勢を万全に整えるのが「虞」なのです。 心配な箇所、不安な事柄というものは、自分から相手を見ているだけでは半分も分かりません。全体から敵味方各所の状況をよく見渡し、相手側からも自分を観てみることによって、初めてどこの何が心配

【孫子の兵法・その21】 戦闘しないで勝ちたければ、まず敵の謀略を見抜け!

孫子は「百戦百勝は最善ではなく、戦闘しないで敵兵を屈服させるのが最善である」と唱えました。そのためには、優れた知謀が必要となります。 最上の戦争は敵の策謀を破ることである

【孫子の兵法・その19】 摩擦や対立が起きても、「結果的に自国を強くする逞しい政治」が必要

孫子の考える勝利とは孫子の考える勝利とは、単に戦闘に勝てばいいというものとは違いました。 常に国家の存立と国民の幸福を考えた上で、最悪の選択である「疲弊するだけの長期戦」を避けつつ、「短期で勝って益々強くなる」よう努めるところに孫子の考える勝利、すなわち【真の勝利】があったのです。 そこで、戦利品である敵の兵車を活用するなどして、戦いながら自軍が増強され、転んでもタダでは起きぬよう努めよと教えたわけです。

【孫子の兵法・その14】 ”勝利のため”には「拙速」が必要な場合がある。

チャイナの城攻めは、日本とは状況が異なる。日本の戦国時代などで行われた城攻めは、一般的に籠城した側が敗色濃厚となります。日本の城は、武士が構える砦が基本であって、城内に井戸や多少の食糧備蓄があるとはいえ、長期戦には不向きでした。 一方チャイナの城は、都市全体を高い城壁で囲んでいますから実に広大です。それ自体を国(城塞都市)と呼んでもおかしくなく、城内には豊かな食糧や物資が蓄えられています。しかも城は、見晴らしの良好な平原の中にあります。 これを攻める側は、地形の複雑な日本

【孫子の兵法・その11】〜「勝算が多ければ勝ち、勝算が少なければ勝てない」〜この見通しを立てることは容易ではない。

勝てそうか、負けそうか。戦力が互角でない限り、それは開戦前に決まっています。いや、実力が伯仲していても、勝算を多く得られるタイミングというものがあります。 指導者の役割とは、戦う前に勝算をよく観て、決断を下すことである。古代のチャイナでは、開戦・出兵の前に、王の祖先の霊廟で会議が開かれました。それを「廟算」と言います。「廟」は霊廟や宗廟の廟で先祖を祀る社、「算」は算略や算画の算で【計略】のことです。