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🔥勝つための思考と行動~東洋の英知「孫子の兵法」

東西文明が交代期にある今、国際政治も会社経営の現場も、鎬(しのぎ)を削る戦いの場となっています。食うか食われるかの陣取り合戦が起こっているのが、世界の現実です。 必要なことは、…
これからお届けする【勝つための思考と行動~東洋の英知「孫子の兵法」】は、現時点で書籍化しておりませ…
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#孫子の兵法

【孫子の兵法・その30】 敵を知り、己を知れば、百戦しても危険は無い

四、味方の態勢を万全に備えた上で、敵の不備に当たれば勝つ。これが、勝利を見通すための五カ条の四番目です。「態勢が万全」の原文は「虞」で、「虞」には恐れる、心配するという意味があります。前もって不安な事柄を洗い出し、よく考え、対応を図ることで心配を除き、態勢を万全に整えるのが「虞」なのです。 心配な箇所、不安な事柄というものは、自分から相手を見ているだけでは半分も分かりません。全体から敵味方各所の状況をよく見渡し、相手側からも自分を観てみることによって、初めてどこの何が心配

【孫子の兵法・その29 指導者と国民が同じ目標を持っていれば勝つ

彼を知り己を知れば、百戦して殆(あやう)からず。これは『孫子』の中で、最も知られた言葉の一つです。敵を知り味方を知れば決して負けないというこの教えを、政治や経営の心得としている人は現代にも沢山います。 でも、この言葉には前段があります。

【孫子の兵法・その28】 トップと補佐役の間の、報告・連絡・相談を密にしよう!

わけも分からないまま、しゃしゃり出るようなトップになってはいけないこの戒めは、立場の上がる壮年以降の者たちへの注意事項です。 これから成長しようとする部下や後輩たちがいるのに、上役や先輩があれこれ言い過ぎていたら、若者たちは伸び悩んでしまいます。後進に実際の行動を任せた以上、言行が基本となる理念に外れない限り、後は信じて見守らねばなりません。 そのことを孔子は「六十にして耳順(したが)う」(『論語』為政第二)と言いました。60歳くらいになったら、年下の者たちの言うことに

【孫子の兵法・その27】 わけも分からないまま、しゃしゃり出るようなトップになってはいけない

判断に遅れを取ることは許されない。現場は常に変化しており、それへの対応が現地にいる将軍の役割となります。攻撃と防御が繰り返される戦闘において、進むべきか退くべきかという判断に後れを取ることは許されません。 非常に熱い物に触れたとき、私たちは反射的にサッと手を離します。 それは、脊髄で作用する反射神経(反射中枢)の働きです。脳神経(大脳皮質)の判断を仰いでいたら火傷してしまうようなとき、生命体は脊髄反射で対応することで身を守っているのです。

【孫子の兵法・その26】 指示命令が二つの系統から出されると、現場は混乱状態に陥る

指示命令が二つの系統から出される。そのため現場は、どちらの指揮を受け入れたらいいか分からず混乱状態。そうなる原因として、状況をよく知らない君主による将軍への介入があります。 国家を統治するのが君主、戦争を指揮するのが将軍です。この両者の関係が緊密で、互いに疑い合うようなことが無ければ正常と言えます。 君主は将軍を信頼し、現場の指揮を全面的に任せ、将軍は君主を忠実に補佐し、託された責務をしっかり果たすという状態です。

【孫子の兵法・その25】 真面目な人ほど、撤退のタイミングを失って大敗する…

戦上手と戦下手戦いの上手な人というのは、無駄な戦いを上手に避けられる人のことを言います。そういう人は、自分(自軍)の実力を正しく知っていて、常に冷静さを保ち、無益な戦いをしません。 反対に、成果を焦り、面子(めんつ)に拘(こだわ)り、敵に煽(あお)られると忽(たちま)ち頭に来て冷静さを失うような人は、どれほど強力であっても、まんまと敵の策略に填(はま)ってあっけなく負けてしまいます。

【孫子の兵法・その24 国家が持つ膨張侵略性を、どう抑え、適度にコントロールするか

「兵力を損なうことなく」相手を制圧するのが「完全な勝利」であり、それが「知謀による」真に有益な攻め方である。以上のことをまとめて、孫子は次のように述べました。

【孫子の兵法・その23】 孫子の兵法と城攻め~リスクを具体的に考えよ!

戦わずして勝つことこそ、最上なり(再掲)最上の戦争は敵の策謀を破ることである(再掲)

【孫子の兵法・その22】 同盟国を遠くに見付けるとき。近くの国同士で同盟するとき<試読版>

戦闘しないで敵を屈服させるための方策。その第一が、敵の謀略を早期に見抜き、策謀が浸透する前に破っておくということでした。 敵側の同盟関係を分断せよ!戦闘しないで敵を屈服させるための方策。 その次は、「敵側の同盟関係を分断すること」です。 同盟国が必要な理由とは? 食うか食われるかという厳しい世界の中で、国家は鎬(しのぎ)を削って陣取り合戦に励んでいます。どの国も存亡を懸けて戦い、国益を守るのに必死です。そこで、敵国に対抗するため、利を同じくする同盟国を求めることになりま

【孫子の兵法・その21】 戦闘しないで勝ちたければ、まず敵の謀略を見抜け!

孫子は「百戦百勝は最善ではなく、戦闘しないで敵兵を屈服させるのが最善である」と唱えました。そのためには、優れた知謀が必要となります。 最上の戦争は敵の策謀を破ることである

【孫子の兵法・その20】 百戦百勝は最善ではない

次は『孫子』第三篇の「謀攻篇」です。 戦わずして勝つことこそ、最上なり「謀攻」とは知謀を駆使して攻めることであり、戦闘しないで勝つことを最上とします。

【孫子の兵法・その19】 摩擦や対立が起きても、「結果的に自国を強くする逞しい政治」が必要

孫子の考える勝利とは孫子の考える勝利とは、単に戦闘に勝てばいいというものとは違いました。 常に国家の存立と国民の幸福を考えた上で、最悪の選択である「疲弊するだけの長期戦」を避けつつ、「短期で勝って益々強くなる」よう努めるところに孫子の考える勝利、すなわち【真の勝利】があったのです。 そこで、戦利品である敵の兵車を活用するなどして、戦いながら自軍が増強され、転んでもタダでは起きぬよう努めよと教えたわけです。

【孫子の兵法・その18】 敵に勝って益々強くなるとはどういうことか <試読版>

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【孫子の兵法・その17】 戦争は国の重大事。国民の生死が決まるところであり、国家存亡の分かれ道でもある。だから、しっかり考えねばならない。

国家は国民によって成り立ちます。生活が豊になって国民が幸せに暮らせなければ、そもそも国家の存在に意味は無くなってしまいます。 戦争は、国家と国民に、最も多大な被害を及ぼす。そこで孫子は、「計篇」の最初に「戦争は国の重大事だ。国民の生死が決まるところであり、国家存亡の分かれ道でもある。だから、しっかり考えなければいけない」と教えたのでした。 👉国防の基本とは何か?(孫子の兵法・その16) ●戦争を避けるためには、「国家として外交を巧みに行い、開戦に至らないよう最大限の努力