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6Kや8K動画は本当に必要なのか

X-H2のリーク情報から6K動画搭載という話が囁かれている。もともと高画素のH2と低画素のH2sの2種類に別れてでると噂のあるH2シリーズは、高画素機のH2に8K動画がのるのでは無いかと言われていた。今週に入って低画素機のH2sにも6K動画がのるというリーク情報が出てきた。

動画用途をメインに考えている僕としては8Kの撮れるH2狙いだったのだが、6Kが撮れるのならH2sでも充分そうだ。むしろH2sが動画屋的には最適解かも知れない。

この8Kや6Kの搭載に関しては賛否あるようで、自分の意見をここにまとめておきたい。

否定派の意見の多くは、4Kで充分満足しているという意見や、6K8Kを映し出すモニターが一般に普及していないこと、データ容量や再生するためのパソコンのスペックがライトユーザーには手が届きにくいことなど、さらに不必要なスペックのために価格が上がる事を危惧している。
賛成派の意見の多くは、将来性を見越した意見が多く、長く戦えるカメラには現状ではオーバースペックに見えるくらいのものがあっても良いという意見が目立つ。

僕としては、当然賛成派なのだけれど、少し意見が違う。

僕が受けている仕事のほとんどがフルハイビジョンでの納品なので、それだけを見ると4Kでもオーバースペックになるのだけれど、ハイビジョン納品の仕事でも撮影は当然4Kだ。

撮影を大きなサイズにする理由は昨今の取り巻く編集スタイルにあると思う。フィルムの時代は切ってつなぐ事くらいしか出来なかったのに対してデジタルに移行した今はカラーを簡単にいじることが出来るようになったり、カットのエフェクトやアニメーションを活かした編集のハードルが下がり、編集で出来ることが増え続けている。昨今でもAI技術の向上から自由度が増す速度は増しているように感じる。この自由度は作品を作る上では良いことばかりではないが、一昔前では経験やお金が必要な難しい撮影カットも、僕らのような小さな組織でもボタン一つで実現可能になった。話はそれたが、つまりは納品サイズよりも大きなサイズの素材がある事で、編集段階の後処理に自由度が増える。例えば手ぶれ補正やトリミングなどに余裕が生まれる。もし納品サイズと同じサイズの素材しかない場合はこれが出来ない。そんな後処理が必要ないように素材を作れれば良いのだが、クライアントワークでは撮影の後に注文が入ったりするので対応出来た方がいい。例えば写り込んでは行けないものが映り込んでいた場合にそれをトリミングすることが強いられる。6Kの素材ならば、ワイドの画角からバストアップの素材にトリミングしてもまだフルハイビジョン画質を維持してくれるだろう。あまりやりたいことではないが、、、。そもそも現場で時間に追われて、後処理に頼りたくなるのも事実で、その方が少ない時間の中で目的のシーンをしっかりと撮れる事もあるし、予算が限られた現場では、自分が納得いくまで編集であの手この手が使えるのは良い事だとおもう。

時代が本当に4Kに移ったのなら、プロ機には6K以上が必要だろうというのが僕の考えだ。

ただ一つ心配している事がある。4K収録のできるカメラが珍しくなくなってきたころ、フルハイビジョンでの画質が落ちてきた。センサーが4Kでの画質でベストが出るようにチューニングしてあるため、一昔前のフルハイビジョンカメラで撮るより、画質が落ちた。それは今でも続いている。6Kや8Kを収録出来る様になることは有り難いが、そのせいで4Kの画質がこれまでのものと比較すると落ちてしまうのでは使い勝手が悪い。

4K収録ができるカメラのほとんどはフルハイビジョンの画質がそのカメラの価格と見合っていない事が大半だが、何故だか富士フィルムのカメラはみなフルハイビジョンの品質が同様に良いのも特徴だ。だから、今回もきっと大丈夫だろうと期待しています。

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