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風呂に入ったのは生涯に一度だけ!?風呂との縁を切ったルイ14世🌈

王朝の最盛期を築き、「ルイ大王」や「太陽王」と呼ばれたフランス王『ルイ14世』。

17世紀後半、王の富と権力の象徴として、ある建物の建設を指示しました。

それが、『ベルサイユ宮殿』です。

50年の歳月をかけ、造営された世界文化遺産。

宮殿の周辺には、100万平方メートルを超える庭園やルイ14世の離宮『グラン・トリアノン』などがあります。


フランス史において、『大世紀』と呼ばれている18世紀。

この間、72年にも渡り君臨したのが、ルイ14世でした。


1643年、ルイ14世はわずか4歳で即位。

最初は、母アンヌが摂政を務め、政策を継いでいきました。

当時のフランスは、国内で、カトリックとユグノー(新教徒)の対立が激化する一方、国外では、神聖ローマ帝国で勃発した『三十年戦争』に介入し、デンマークとスウェーデンを味方していました。

人口約2000万人で、ヨーロッパ随一の国力を持っていたフランス。

ヨーロッパ最大の陸軍力を遺憾なく発揮し、侵略戦争を続け、領土を拡大していきました。


そんなルイ14世には、ある逸話があります。

「72年の長い在位中、彼がお風呂に入ったのは、たった一回だけ」

原因は、『ペスト』という感染症でした。

14世紀のヨーロッパでは、ペストが蔓延し、多くの死者が出ていました。

その時代の医学でも、目には見えない何らかの菌が病の原因であることは分かっていたようです。

当時、発生源と断定されたのは『公衆浴場』。

「体表の孔を塞いでいれば、感染を防ぐことができる」

風呂に入ると毛穴が広がるため、入浴が危険な行為であるとされていたんです。

これは、ルイ14世だけに留まらず、貴婦人たちも同様に、風呂に入る代わりに下着を絶えず着替え、体臭を隠すために香水をふりかけていました。

今では、ペスト菌はネズミが運ぶという説が有力ですが、当時は水が原因とされていました。


かつて、15世紀にも、フランス王シャルル7世の侍従医が、パリの浴場の閉鎖を呼びかけたことがあります。

「水と湯は憎むべきもの」

肌は極力濡らさないことが推奨され、顔すら洗わない生活が当たり前とされていたんです。

この期間も合わせてると、フランスでは、実に400年もの間、風呂に入らない生活が続いたことになります。


初期のキリスト教では、女性はワインとお風呂を禁じられていました。

特に、共同浴場は、快楽のイメージがあり、キリスト教の『禁欲的な教え』に反する場所として否定されていました。

その反動からか、19世紀に入ると、マウスウオッシュやデオドラントスプレーなど、清潔を保つための商品が開発され、『潔癖症』という言葉も生まれました。

今となっては、吊革やドアノブなど、他人が触れたものに触れない人さえいます。

「清潔は、安心材料。誰もが『清潔』という宗教に入信している」

それが、現代の私たち。

コロナウィルスの出現によって、その動きがより加速しています。

もしかしたら、私たちにも、先人たちのような『思い込み』はあるかもしれませんね😌

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