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櫛の歴史を紐解く🌈

私たちが髪を整えるために使う『櫛(くし)』。

昔から、櫛を使って髪をとく行為は、「審美的な行為」とされてきました。

櫛は、古くから使用されており、古代エジプト王朝ではすでに現在の形状に近い櫛が広く使用されていたと言われています。


ヨーロッパでは、12世紀から13世紀にかけて美に対する意識が高まり、都市には公衆浴場などが設置されるようになりました。

当時の人々は、入浴時に爪の手入れや散髪などを行っていたんです。

この時代、男女問わず長髪の方が多く、入浴しない日は必ず櫛で髪をとく習慣がありました。これは、髪の手入れに加え、ノミやシラミがつかないようにする予防目的もあったといいます。

西洋の人々は、東洋人の髪質(直毛)とは異なり、ウェーブがかった髪質の方が多く、櫛も荒い目と細かい目が一つになった『両歯式』のものが多かったようです。

素材は、木材のものもありましたが、『象牙』や『べっ甲』のものが主流でした。


一方、日本では、佐賀市にある『東名遺跡』から出土された櫛が、日本最古の櫛とされています。

東名遺跡は、集落や貝塚がある貴重な遺跡として知られており、縄文時代の早期に存在していた遺跡と考えられています。

櫛は、その後も大陸からの影響を受けながら、進化していきますが、大きく変化したのが、江戸時代の後期以降。

この時代は非常に平和な時代と言われ、女性たちは、様々な髪型を楽しむようになります。

「櫛で髪をとく行為は、『苦』や『死』を解く行為であり、櫛は苦しみや災いを解くのに最も適した道具である」

例えば、落ちている櫛を拾う行為は、「苦死を拾う行為」。禁忌や贈り物に櫛を送るのはマナー違反だったと言われています。

他にも、

「落ちている櫛は、一度踏めば難を逃れることができる」
「櫛を贈るときは、『櫛』ではなく『簪(かんざし)』と言い換えて送る」

など、平和な時代に起こる『見えない災難』を未然に防ごうとする心理が働いていました。


昔は、「頭部に魂が宿る」と考えていた方が多く、髪の毛は頭部と同一視されることもあったといいます。

つまり、人間の魂に接している道具として、使用者の願いや恨みが櫛に込められていると考えられていました。

古事記にも、暴風の神『須佐之男命(スサノオノミコト)』が豊穣の女神『櫛名田比売(クシナダヒメ)』を櫛に変える記述があったり、宮中では、櫛を使用した儀式も行われていたりと、櫛には、不思議な力があると考えられていたんです。


最近では、電動ブラシなど、ハイテクなアイテムがたくさん出てきていますが、本来の意味合いを考慮するなら、櫛は、木製や竹製の昔ながらのものが良いとされています。

科学的に見ると、私たち人間には、頭部で起こる静電気がマイナスでなければ、思考を司る脳はプラスにならないという仕組みがあります。

「マイナスイオンを浴びると癒される」

これは、科学的根拠に基づいていること。

木製や竹製の櫛は、静電気を流さない働きがあります。

この事からも、櫛は、木製や竹製のものの方が良いとされています😌

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