大正スピカ-白昼夜の鏡像-|第6話|火種
鈴子が村を離れた後、周には、新たな環境での生活が待っていた。
周りに能力者がいない生活。
透視能力を持っていても、全てが記憶されるわけではない。
幼ければ幼いほど、記憶は、薄っすらと刻まれる。
何が現実で、何が現実ではないのか。
常に入り乱れた世界の中で生きているため、他の人より取捨選択する機会が多くなっていた。
しかし、鈴子と共に生活し、見えざる者の世界について学んでいた時は、そうではなかった。
何を捨て、何を得るべきか。
何をどう解釈すべきか。
鈴子から