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ぬい と わたし。 #2

子供のころの、ぬいとわたしの関係


#1では、最近のぬいぐるみとの付き合い方について話しました。
今回はぬいぐるみにまつわる昔話を記録しようと思います。


ずっと飼いたかった犬


わたしは小学校低学年くらいの頃、犬が飼いたくてたまりませんでした。

というのも、家にチワワ的な(実際にチワワかは分からない)、大きな耳の犬のぬいぐるみが二匹いたのです。
一匹は色が暗く、もう一匹はクリーム色をしていたと記憶しています。
わたしは、彼らに名前をつけ友達として可愛がっていました。

このぬいぐるみはよく出来ていて、足が自由な角度で曲げることができ、サイズ感も当時の私には、本物の小型犬のサイズに思えました。

ぬいぐるみの次は、DSで遊べる犬を飼うシミュレーションゲームを、誕生日かなにかの記念日に、プレゼントにねだり買ってもらいました。
そこでも、ぬいぐるみと同じような色のチワワを選び、ぬいぐるみと同じ名前をつけて可愛がりました。

そこからどのくらい時間が経ったかわかりませんが、本物の犬を家族に迎えました。
色の暗いチワワで、名前もぬいぐるみと同じ名前をつけました。
そこからさらに何年か後、二匹目を家族に迎えました。クリーム色のチワワでした。
犬たちは私の成長と共に過ごし、現在は空の上で自由に暮らしています。

話は戻し、犬を飼い始めてからぬいぐるみの犬たちはどうなったかというと、
犬を実際に飼い始めたからか、単に自分が成長していったからか分かりませんが、ぬいぐるみたちの出番は無くなりました。
ピアノの蓋の上にぬいぐるみたちは無造作に置かれ、吸音材として機能的に使われていました。


幼い頃共に居たぬいぐるみの記憶は、大人になった今のわたしには曖昧です。
彼らが実家にいるのか、はたまた捨ててしまったのかも、犬が亡くなる最近までなんの気にも留めていませんでした。


わたしは高校に進学する段階で、地元から上京したので多くの物を捨てました。
それを、今は少しだけ後悔しています。

引き出しにしまってある記憶を、使わないところから捨てていって、そこに新しい物を詰めていくことで人は大人になるんだなと実感しています。
思い出の品がないということは、その記憶を思い出すトリガーが減るということ。
そして私の脳に、曖昧で、胸を締め付ける様な感情だけが残っています。
「なんとなく、大切だった気がする。」

でも、失ってから気づいて曖昧な思い出を取り戻したくなる。
思い出(記憶)が思い出の品(記録)で残っていると、なんだか安心しませんか?

それはきっと、わたし自身の物語の記録でもあるからだと思います。

心の中で今はいない彼らを大切にするたび、
彼らも、今わたしと共に生きているんだと感じます。


ハヤサカマコ遊び場的音楽発表会Vol.1〜ぬいぐるみと聴く、左手のピアノソロコンサート〜
「 ぬいぐるみとめぐる、音の旅 」

日時:2024年3/2(土) 19:00開場/19:30開演
会場:プリモ芸術工房
(東京都目黒区洗足 2-23-11 ヨシダビル2F)
東急目黒線「洗足」駅徒歩30秒

チケット:
(入場チケット)全席自由席 2500円
▶︎ご予約はこちら
(オンライン配信)アーカイブ配信 1000円+手数料
▶︎ご予約は こちら
※3/17より2ヶ月間配信。期間中何度でもご視聴いただけます。

プログラム:
「ぬいぐるみ」から連想されるワードから選曲した左手のピアノ曲からなる約60分の公演。
※演奏者都合により演奏時間は前後します。あらかじめご了承ください。21:00終演予定です。

⚪︎小前奏曲ニ長調BWV936/J. S. バッハ(田中博幸編曲)
⚪︎《左手のための6つの練習曲》op.135より4.ブレー/サン=サーンス
⚪︎マッチ売りの少女/小笠原周平
⚪︎《組曲3番》より2.アリア、3.ツィンガラ/E. シュールホフ
⚪︎海辺の祈り/近藤浩平
⚪︎『東南東の風、草のにおい』作品153より1.週末は晴れの予報/近藤浩平
⚪︎白い通学路/早坂眞子
⚪︎ タピオラ幻景/吉松隆

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コンセプトは、
「クラシック音楽」×「ぬいぐるみ」
新感覚のコンサート体験

幼い頃、身近にいた存在「ぬいぐるみ」は人によって距離感が違いますが、わたしにとっては現在も身近な存在です。ぬいぐるみと出かけて写真を撮ったり、部屋にも無数のぬいぐるみがいます。

本コンサートは、お気に入りのぬいぐるみとクラシックコンサートの会場へ訪れ、ぬいぐるみに生のピアノの音を聴かせることができ、その様子を撮影できます。プログラムは「ぬいぐるみ」に連想される要素から左手のピアノ曲を選曲し、クラシック音楽の新たな可能性を提示します。
「左手のピアノ」とは、左手のみで演奏できるピアノ曲のことです。約300年の歴史があり、現在も新たな作品が生まれ続けています。片手だからこそ生まれる”間”や”響き”は独特の良さと言え、空間や時間が静止するような癒しがあるように思います。

「クラシック音楽」という文化と、「ぬいぐるみ」とぬいぐるみを「撮る」という文化が合わさり、皆さまに新感覚のコンサート体験をお届けします。


また、今回公演のアーカイブ配信がございます。
当日会場にお越しになれない方、お家でコンサートを楽しみたい方、もう一度公演を観たい方も、画面の前で仲間のぬいぐるみたちとコンサートを一緒にたのしめます。
「撮る/それを観る」という行為を通し、より多くの方が楽しめることを目指します。

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1/16「ぬい音旅」のミュージックビデオを作成しました。曲は、シューマン《トロイメライ》の左手独奏編曲版です。


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