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読書記録

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定年退職後、自分の時間を取ることができるようになりました。 今まで読みたいと思っていた小説を中心に、読書感想文を書きたいと思います。
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2024年6月の記事一覧

ヘルマン・ヘッセ「庭仕事の愉しみ」を読んで

 この本は、ヘッセ研究者のフォルカー・ミヒェルスが、ヘッセの「庭」をテーマとする詩文をまとめたものです。  まず、ヘッセの庭との出会いを辿りながら、私がとても気に入った2編の文章を紹介します。 ヘッセが愛した庭 幼少のころ  生家の裏の段々畑を、母から頼まれ、植物を植えて世話をするようなりました。植物が生まれ、成長し、枯れていく姿をじっと見つめていました。植物に集まる、小鳥、蝶等との出会いがありました。 ボーデン湖畔の庭(1904年~)  作家として成功し、結婚し子供が

中尾佐助「花と木の文化史」を読んで

 この本は図書館でみつけました。岩波新書です。初版の発行は、1986年ですので40年近く前です。手元にあるのは第10刷です。読み継がれているだなと思い、借りました。  まず、花はなぜ美しいのかを問い、世界の花の歴史、日本の花の歴史、最後に、著者の選んだ10か所の景色をガイドしています。  著者が、日本人の花と木の文化がどのようなもので、他国と比べてどんな特徴があるかを、多方面から述べています。  私は、自分の生活の視点から、この本に書いてあることを、以下にまとめてみました。