『戦略がすべて』(著:瀧本哲史)〜戦略思考のトレーニングは特別なものではない|日々の思考こそが生き残りのカギとなる〜
正直言って本書は瀧本さんの本の中ではそこまで評価は高くないです。
(低いわけでもないですが)
でも、根性論とか、前例踏襲とか、前例とかに囚われて思考停止になりがちな私みたいなタイプの人間にとっては、考えさせられることが多い内容になっています。
本書では、戦略的思考を弱者のためのツールと位置づけます。
戦略的な思考を身につけるということは、強者に正面突破を挑まず勝つ方法を考えることができるようになるからです。
そのためのヒントになる事例として本書では24の事例が紹介されています。
たとえば、AKB 48の事例、鉄道会社の事例、五輪招致の事例などです。
こうした事例のベースにあるものを読み解きながら戦略的思考のあり方を学びます。
24の事例があるとはいえ、すべては机上の学びですから、実践的な訓練は積めません。
本書が言うように、実践的な訓練が一番効果的ではあるのですが、現実にそんな場面が頻繁になるわけではありません。
そこで本書がすすめるトレーニング方法が、身の回りに起きている出来事や日々目にするニュースに対して戦略的に思考するというものです。
ただ、そんなに特別なものではありません。
はやみは、自分の会社での出来事でもいいと思います。
会社の出来事に対していろんな目線(平社員なら係長の目線や課長の目線で、課長なら部長や社長の目線で、もちろん平社員でも社長の目線、さらには社外や業種を超えた目線で)で考えることでも戦略的な思考のトレーニングは可能ですし、おそらく誰でも多かれ少なかれそのようなトレーニングは自然とやっていると思います。
とにかく、目線を縦にも横にもいろんな幅を持って「勝つ」ことについて考えることで戦略思考が身についていき、「コモディティ化」を免れることができるってことではないでしょうか。
戦略的思考を学ぶとともに、日々のトレーニングのきっかけとしておすすめです。