トンコリ
ちょうど去年の今頃、
その頃の私は
KING GNUが好きで
たまたま井口くん
(って、もはや、くん呼ばわり)
繋がりで見つけた
チャンネルの中に
「human odyssey」
というショートムービーに
出会いました。
「創造を巡りる旅
クリエイターと
クラフトマンシップとの出逢いを
捉えたドキュメンタリーフィルムを
エルメスが制作。
異なる分野で活躍する7 人のクリエイターが
日本各地のものづくりを訪ねる7 本の
ショートムービーのシリーズ」
さまざまな分野のクリエーターが
登場するのですが、
冒頭で紹介した井口くんが
北海道ニ風谷の地を訪ねる
エピソード3がとても
印象的だったんです
これを見た時に初めて
「トンコリ」を知りました。
アイヌに伝わる弦楽器で
弦は五本
ハーブのように弦を押さえず
演奏する
動物の鳴き声や風の音など
自然を表現し
フレーズを繰り返すように
演奏することが特徴のようです。
このムービーに出てくる
ミュージシャンの
OKIさんと井口くんとの
「Etunima」の
セッションがものすごく
印象的で
しばらく何度も
再生し聴いて観ていました。
「トンコリ」の音色と
歌声の重なりが
心地よかったからだと思います。
この曲は
樺太の熊送りの儀式で
歌われたもの、
というのも
とても興味深いところでした。
どんな時も、
生き物と人間と神様の
深い繋がりがあり
すべては常に
共存していることを感じます。
先日の日経新聞に
木彫り師の高野繁廣さんによる
「トンコリ」について
書かれた記事があり、
このことを思い出しました。
そこでは
「トンコリ」についての
その背景を少し深く
知ることができました。
文中には「トンコリ」について
その形は
実は人体をかたどったもので、
その由来は
赤ちゃんを亡くした母親を
慰めるためのものだったとの
説明があります。
(ほかにも諸説はあるようですが)
また、
胴体に魂として玉を入れたり
粗末にするとバケモノに
変身してしまうという
言い伝えがあるとか、、、。
文化の背景に
それぞれに意味があり
そのストーリーを
知ることは
また新しい刺激となります。
この「エピソード3」の
序盤には木彫家の貝澤徹さんとの
出会いがあり
その中に出てくるアイヌ文様の彫刻
に纏わる話も
とても興味深いものです。
「トンコリ」を始め
イタ(盆)、マキリ(小刀)など
今この時代にも残る
民具を直に
見てみたいと思いました。
そして、ここから先も
途絶えることなく
この伝統技術が
次の世代に渡っていくと
いいな、
私なりに
その様子を見守っていけたらいいな
と思いました。