教えることを考えるにあたって
高等教育機関で工学を教えている。現在の職場で働き始めてから9年目になる。高等教育機関で教える教員は、小・中・高などの教員養成の訓練を受けていない。特に工学の専門教育を行う者は博士の学位を持つものの、教えることに関しては個人の経験によるもの、独学によるものが大きい。その後の研修や自己研鑽で学ぶこともあるが、その内容や頻度は個人によってばらばらである。
高等教育機関の代表は大学であるが、大学教員のための教育方法等の本はいくつか読んできた。教育学という学問体系を基礎から学ぶことは大事でその知識は必須だとは思いつつ、その本のみでは自分の専門分野の教育をどうやって行うかという部分に明確にこれだと答えてくれることは少ない。
これまで私が試行錯誤してきたことを取り纏めることが、自身の経験や知識をアップデートすることに有効であるし、同じ境遇の教員の何かのヒントになれば幸いと思い、書き留めていくこととする。
また、これまで読んできた教育に関する書籍をこの機会に再度読み直して、自身の取組を相対化するとどういう位置づけになるのかも整理したいと思っている。まずは、以下に手元にある高等教育機関での教育に関する書籍の一覧を示す。誤解を受けないように繰り返すが、この書籍をまとめた記事をアップしていくものではなく、あくまでも自身の経験をまとめていく。
本田由紀:教育は何を評価してきたのか,岩波新書,1829,岩波書店,2020年3月19日第1刷発行,税抜840円
鈴木克明:教材設計マニュアル -独学を支援するために-,北大路書房,2002年4月10日初版第1刷発行(所有は2019年3月20日初版第14刷),税抜2200円
稲垣忠,鈴木克明編著:授業設計マニュアル Ver.2 -教師のためのインストラクショナルデザイン-,北大路書房,2015年2月20日Ver.2第1刷発行(所有は2020年7月20日Ver.2第8刷),税抜2200円
佐藤浩章:大学教員のための授業方法とデザイン,玉川大学出版部,2010年6月25日初版第1刷発行(所有は2021年4月15日初版第10刷),税抜2300円
実務家教員COEプロジェクト編:実務家教員の理論と実践 人生100年時代の新しい「知」の教育,社会情報大学院大学出版部,2021年3月15日初版第1刷発行
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