近年の火山噴火で降り積もった火山灰の分布図
過去の火山噴火で地表に降り積もった火山灰は、少なくとも厚さ1ミリないと地層中に保存されるのはむずかしい。保存条件がもっともよいのは泥炭地だ。いっぽう、目の前で起こる降灰は、0.1g/m2の微弱でもひとに気づかれる。1g/m2なら、自動車の上などきれいに掃除された平面上に火山灰が積もっているのが観察できる。
1000g/m2が1ミリだから、1g/m2は1ミクロンである。目の前で起こる噴火は、最薄火山灰層の1000分の1にすぎない1ミクロンの積灰でも計測できるというわけだ。だから、単位面積当たりの火山灰重量を測って地図にして蓄積すれば、火山噴火を理解するために貴重な基礎データが得られる。
いまは火山が噴火すると、積灰写真がSNSに多数あがる。その写真を見て積灰量を見積もれば、迅速に火山灰分布図を得ることができる。そうやって作成した過去15年間11回の火山灰分布図を下に示す。
草津本白根山2018年1月23日、M0.5
新燃岳2017年10月噴火、M1.6
阿蘇2016年10月8日、M1.3
阿蘇2015年9月14日噴火、M0.9
浅間山2015年6月16日噴火、M-1.4
口永良部島2015年5月29日噴火、M1.4
阿蘇2014年12月の1か月、M2.0
御嶽山2014年9月27日噴火、M1.6
桜島2012年の1年間、M3.1
新燃岳2011年1月26日噴火、M3.3
浅間山2009年2月2日噴火、M0.3
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