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溶岩と溶岩ドーム

本栖湖に流れ込んだ富士山の青木ヶ原溶岩。平安時代の864年、中腹の長尾山付近に開いた割れ目火口から遠くまで薄く広がった玄武岩である。水に接触して多数の指ような構造をつくった。

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ドローンを下降させて指ような構造に近づいてみると、水面下にもそれが伸びていることがわかる。曲がりくねった尾根に火口割れ目が開いている。

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静岡県伊東市の大室山スコリア丘を取り巻く溶岩も、太平洋に届いたところで指のような構造を示す。4100年前。→伊豆大室山から流れ広がった溶岩

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岩手山から1732年に流れ下った焼走り溶岩。溶岩に取り囲まれた森をキプカという。

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霧島山の新燃岳火口を埋めた2018年3月溶岩とその中央に開いた噴火口。遠景は高千穂峰。

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江戸時代の1783年噴火で、浅間山の山頂火口から流れ下った鬼押出し溶岩。遠くまで6キロ流れ下ったが厚さは50メートルほどでずんぐりとした地形をなす安山岩である。。釜山スコリア丘の裾を破って外に出て、北側山腹を下った。

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草津白根山から4800年前に流れ下った殺生溶岩には顕著な自然堤防が認められる。志賀草津道路がくねって横切る堤防の左が殺生溶岩で、右が古い青葉溶岩。

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十和田湖に突き出た御倉半島の先端はデイサイトの溶岩流からなる。平安時代の915年噴火の最後に火口内に現れて四周に流れ広がった。厚くて広がりが限られているので溶岩ドームと呼んでもよい。

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十和田湖面にわずかに顔を出す御門石(ごもんいし)もデイサイト溶岩ドームだ。噴出年代はわかっていない。背後に、カルデラ北壁をなす御鼻部山。溶岩上の小動物は、羽を休める鵜の群れ。

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二ッ岳は1500年前に出現した溶岩ドームだ。伊香保軽石を噴出した火道を上昇してきて盛り上がった。浅間山からの軽石に覆われていないから地形が新鮮だ。右下のオンマ谷は埋めきれなかった火口。中景右は9500年前に出現した水沢山溶岩ドーム。中景左は伊香保温泉街。遠くは子持山と赤城山。

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榛名湖は、5万2000年前に火砕流が拡大した火口の中に雨水がたまってできた。南北 2 km x 東西 3 kmの楕円形火口の東半分を占める榛名富士は3万5000年前にできた溶岩ドームである。崖錐斜面がぐるりと取り巻いていてスコリア丘のように見えるが、頂部に火口はなく溶岩が露出している。浅間山からの軽石に厚く覆われているため深いガリーが切り込んでいる。背後の雪山は浅間山。

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