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陸上自衛隊の特殊部隊・特殊作戦群(Special Operation Group)

当初、Wikipediaにて、記事を作成していたのですが、丹念に荒らされて内容の大部分を削除されてしまったため、こちらに移植することとしました。現行のWikipediaよりも大幅に内容が充実しております。

特殊作戦群(とくしゅさくせんぐん、英語:Special Operation Group)とは、陸上自衛隊の特殊部隊(Special Forces)である。部隊編成単位は群。基本的に訓練内容などの詳細な内容は安全保障上の観点から、日本国政府からは正式には公表されない。

特殊作戦群の部隊章(Insignia)

部隊創設:2004年(平成16年)3月29日

所属政体:日本国政府

所属組織:陸上自衛隊(人員補充担任)

編成単位:群(Command)

兵科  :諸職種混成、特殊作戦部隊、対テロ、対ゲリラコマンド、エアボーン(空挺)、ヘリボーン、海挺

人員  :約300名(新編当初)

所在地 :千葉県 船橋市

編成地 :習志野(陸上自衛隊習志野駐屯地)

略称号 :Sまたは特戦群(SOG)

標語  :Those who have a will follow me
     意思ある者は我に続け

上級組織:防衛大臣直轄
     2004年(平成16年)3月29日
     中央即応集団
     2007年(平成19年)3月28日
     陸上総隊
     2018年(平成30年)3月27日

主な戦歴:
 ○ イラク戦争における治安維持活動
 ○ 南スーダン平和維持活動
 ○ 2021年アフガニスタンにおける邦人救出


オーストラリア陸軍特殊作戦コマンドと合同訓練を行う特殊作戦群
(Exercise Dusk Samurai 2022)
オーストラリア陸軍特殊作戦コマンドと合同訓練を行う特殊作戦群2
(Exercise Dusk Samurai 2022)

略称の「特戦群」や、隠語としてSpecialのイニシャルから「S」と呼ばれることもある。
陸上総隊のコマンド部隊である。公文書等では、「専門部隊(習志野)」と表記される場合がある。

概要

2004年(平成16年)3月29日にアメリカ陸軍のグリーンベレー(アメリカ陸軍特殊部隊群)やデルタフォース、イギリス陸軍のSAS(特殊空挺部隊)、ドイツ陸軍のKSK(特殊戦団)、オーストラリア軍特殊部隊等、各国の特殊部隊を参考にして設立され、第1空挺団の拠点である習志野駐屯地に群本部を置く。初代群長は直接部隊創設に携わった荒谷卓が就任した。

発足当時の陸上幕僚長、先崎一陸将は記者団に対し会見で「(隊員には)ハードな知識やスキル、メンタルな部分が要求されるので(特殊作戦群の実戦化には)10〜15年はかかると思う」と述べており(2023年時点で創設から19年)、初代群長の荒谷卓は、訓練や練度は部外者が知り得ない防衛秘密であり、守秘義務に抵触するとして、詳細な言及は避けている。
(しかし、入隊志願者に要求水準のアセスメントを課題するためなどの理由から、たびたび、部隊運用に支障のない範囲で、タブロイド系のネットニュース等で情報開示が行われることがある。)

特殊作戦群は、アメリカ軍の一般歩兵部隊の上級再精鋭の対テロ等特殊部隊の位置付けとして創設されたデルタフォースや、デルタの範となったイギリス陸軍SAS(特殊空挺部隊)よりも、少人数チーム内に工兵や通信や武器や医療などあらゆるプロフェッショナルを集結させたような、グリーンベレー寄りの諸職種混成の特殊部隊であるとされており、普通科のみならず、情報科、施設科、通信科、武器科、化学科 、衛生科 など、あらゆる職種から志願者、プロフェッショナルを募っており、全国の部隊から職種に関わらず選抜が行われているとされる。様々な職種のプロフェッショナルに、空挺資格と特殊作戦訓練を施した諸職種混成の特殊部隊が特殊作戦群であると考えられる。

自衛隊版のデルタフォースに相当するダイレクトアクション(DA、直接行動)や対テロ作戦等専門の特殊部隊は、陸上総隊直轄の中央即応連隊や、同じく、普通科の中の最精鋭である第1空挺団、一般普通科連隊のレンジャー小隊やレンジャー班、海上自衛隊の特別警備隊等がより相当するといえる。

しかし特殊作戦群内にも、主として普通科出身者やレンジャー資格者だけで編成されたDA・対テロ・人質救出等専門の小隊や中隊が編成されている可能性がある。特殊作戦群創設時に、主たる範とされた米陸軍特殊部隊(グリーンベレー)にも、CRF(危機対応部隊)と呼ばれる、デルタフォース相当の高度な直接戦闘力を持つDA等専従の戦闘中隊が存在する。

また、 デルタフォースも特殊作戦群創設時に範とされたとされるのが通説であり、日本国のTier1に相当する特殊任務部隊(Special Mission Unit, SMU)も兼務しているものと考えられる。

一般的な特殊部隊の性質上、数名から数十名程度の小部隊によって、小規模部隊の強みを活かした特殊作戦を行うことに特化した部隊であり、一般普通科連隊のように、施設科部隊等による陣地構築と防御戦闘などを行う能力は持たないと推測される。しかし、通常戦(大規模有事)においては、奇襲戦闘力(とりわけ近接戦闘力)の高さによる相対戦闘力は常に同規模の一般部隊を凌駕し、不正規戦闘および機略戦や、同盟外国軍や陸・海・空自衛隊の爆撃等の敵目標への誘導により、一般主力部隊を補充・補助し、また、司令部直轄のコマンド部隊として、司令部の目となり手足となる性格の部隊である。

また、大規模な有事未然の特殊状況下で、国内においては対テロ・ゲリラコマンド作戦やグレーゾーン事態、国外においては国際平和協力活動等や在外邦人等にかかる任務を行う際、一般部隊と並んで、専ら主力として活動するのも特殊部隊であると考えられる。一般部隊に対して小規模部隊戦術等を指導することもあると考えられる。

選抜

創設時当初は、特殊作戦群の発足母体が第1空挺団であったため、第一空挺団内から優秀な隊員を選抜にかけていたが、以後は全国の隊員から職種・性別に関係なく選抜されている。

選抜資格

選抜試験の受験資格は一般には公表されていないが、SNS上にリークされた特殊作戦群の入隊志願者募集(選考検査受験案内)の部内広告(ポスター)によれば、受検資格(1)共通 - 3曹以上(職種・性別不問)」、(2)作戦を直接実行する隊員 - 課程教育入隊時において36歳未満の者」「レンジャー素養試験に合格できる体力等を有する者」、(3)作戦を支援する隊員 - 「年齢制限なし。職種に応じた特技を有する者」と記載されている。

公表されている防衛省訓令では、特殊作戦隊員の要件として、空挺基本降下課程、もしくは空挺基本降下課程と特殊作戦課程両方の履修が必須とされている。
レンジャー資格については特に書かれていないが、レンジャー相当の心技体はもちろん、一流の様々なスキル・経験などが求められるのは当然である(※戦闘中隊配属を希望する場合は、レンジャー資格が必須ともいわれている)。

セレクション

セレクションに参加する前に、各方面隊で行われる一次審査と陸上総隊で行われる二次審査に合格する必要がある。両方の審査に合格して初めてセレクションを受けることができる。それぞれの審査は、自衛隊内で行われている一般的な体力検定、レンジャーの素養試験に類似しているとされている。セレクションは約2週間ほどかけて行われ、セレクションから特殊作戦課程を経て特殊作戦群の隊員になれるのは、訓練参加者全体の1割から3割程度といわれている。

セレクションの詳細な内容は非公開であるが、部隊の創設者がジョン・F・ケネディ特殊戦センター・アンド・スクールのアメリカ陸軍特殊部隊(グリーンベレー)養成課程(通称:Qコース)を突破しており、その内容に準じていると考えられる。実際の話においては、すでに肉体的に優れた者が集まるため、主に精神的ストレスをかけ、その耐久力を観察するという方法が取られているという。

創設時のセレクションにおいては、米英特殊部隊相当の基準により選抜を行ったところ、各部隊(師団・旅団)が自信を持って送り出した優秀な人材を次々と脱落させたため、抗議が殺到したものの、初代群長の荒谷卓は一切取り合わなかった。

セレクション後の課程

セレクションを突破した隊員のみ、さらに3年間選考をかねた特殊作戦課程が行われる。特殊作戦課程では、戦闘技術だけではなく、経済事情やサイバー戦など、幅広い分野を学ぶ。セレクションを突破した隊員の中で空挺徽章を持っていない隊員は、第1空挺団の基本降下課程へ入校し卒業後、特殊作戦課程へ入校する。

セレクション後の訓練環境

特殊作戦群の訓練環境は、群本部は習志野駐屯地に所在するものの、部隊の性質上、全国展開してあらゆる訓練環境で訓練を行っていると考えられる。

特殊作戦群は、全自衛隊が持つあらゆる訓練に供することができる資産・環境(演習場等)が優先的に使用可能であり、日本アルプスなどの山岳地帯、湖沼、河川、富士山麓の林野などの国有地や都道府県・市町村の土地、公共施設等を用いることも、土地・施設管理者との交渉によって可能であると考えられる。だが、民間人や他部隊の目に触れないようにする機密保持の実施が大きな支障となる。

また、比較的機密保持が容易な、沖縄県等に所在する在日米軍の訓練環境を年中日常的に用いて訓練を行なっているといわれている。

さらに、完全な機密保持が実施できる、ベーシックトレーニング用の訓練施設群(内閣総理大臣等による部隊査閲にも適する)として、いわゆる、キル・ハウス(恐怖の館)と呼ばれる近距離・屋内戦闘訓練施設棟、および市街地戦闘訓練を行える模造の小市街、各種モックアップが配置でき、「戦況現示(爆発や銃撃等の想定)」を演出することもできる模擬戦闘訓練施設棟、戦闘射撃(タクティカルトレーニング)に対応した専用射撃場、通常の射撃場、波浪などを再現できるプールや大深度プール、自由降下(FF)訓練施設棟、武道館、体育館、フィットネスジム、武装障害走コース、パルクール訓練施設、ハイジャック対策訓練教材の実機旅客機、シージャック対策およびVBSS(船舶臨検)訓練教材の商船模造物、バスジャック対策訓練教材の大型バス、ドライビングテクニックや車両戦術を教習・訓練するための車両教習・訓練場、長距離狙撃訓練施設、レンジャー訓練塔、ファストロープ訓練塔などの訓練施設群コンプレックスを保有しているか、目標を定めて整備を進めていると考えられる。こういった施設群は、諸外国の特殊部隊の公開情報からある程度推測できる。

隊員

中央即応集団編成完結行事に参列した
特殊作戦群隊員
中央即応集団編成完結行事に参列した
特殊作戦群隊員(2)


特殊作戦群の隊員には、高度な語学能力が要求される。具体的には、アメリカ軍、イギリス軍、オーストラリア国防軍等の諸外国軍の特殊部隊との合同訓練や共同作戦、そして外国での活動のために、必修の英語はできて当たり前が最低ラインとされており、さらに加えて、第二外国語の習得を各隊員が選任され、朝鮮語、中国語、ロシア語、アラビア語等を習得するので、隊員の語学能力水準は非常に高い。

また、外国語の習得は、かかる言語の話者の背景的民情・地域・諸文化等の学習と一義であり、例えば、アラビア語を習得する隊員は、イスラム教の根本教典であるコーラン(聖典)についても学ぶ。外国語等の習得は、主として隊員個々人の自助努力に委ねられているが、陸上自衛隊情報学校等からも支援を受けるるほか、東京外語大学等の国立大学等から極秘裏に教官が招聘され、高度な講義や、教材やカリキュラムの開発を行ない、語学能力等の開発を支援しているともいわれている。

また、NBC兵器や爆発物等(CBRNE)の知識についても、消防の特別高度救助隊等を上回るほどの水準が要求されるといわれている。

テロ対策や敵国領内での破壊・後方撹乱活動(挺身行動)のためには、第一種電気工事士相当の電気工事をはじめ、各種基盤インフラ、原子力発電所、ネットワーク等、武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律で定められた指定公共機関にかかる機械的構造等の知識も要求される。この際、部外から、国立大学等の教官が極秘裏に招聘され、講義を受講することもあるといわれている。

法規についても、自衛隊法のみならず、対テロ・ゲリラコマンド作戦やグレーゾーン事態も担うとされているほか、海外での活動も行うため、当然、擬律判断(武器使用)のために、刑法、刑事訴訟法、警察官職務執行法、国際法などの教養が必須であるし、なおかつ諸外国の地理や日々変化する政情・軍情・民情についても常に勉強しなければならないものと考えられる。この際、警察大学校や国立大学等から教官が極秘裏に招聘されることもあるといわれている。

アメリカ陸軍特殊部隊(グリーンベレー)の編制を模倣して編成された部隊であるため、全隊員が副特技を持ち、2つ以上の職種に精通することも求められると考えられるし、軍用無線機等、複雑で高度な各種機材の取り扱いに習熟することも求められるのは当然である。

また、諸外国の特殊部隊と同様に、全隊員がハイレベルな第一線救護技術を習得しており、負傷者の後方搬送と外科手術が難しい地域で活動することが想定されるために、高度な外科医療技術を持つ医官、あるいは医官に準ずる外科救護技術を持つ衛生科隊員も在籍していると、当然推察される。

戦闘訓練については、イラク派遣前に一般普通科部隊と合流して訓練した際に生身の隊員を的の両わきに立たせて10メートル以上離れた場所を移動しながら拳銃の弾を的に命中させるなど、諸外国の特殊部隊と同様に一般部隊ではありえない訓練を行っている。特殊作戦群の約300名が1年間に射撃訓練で消費する実弾の数は、陸上自衛隊の1個師団と同等と報じられた。

特に、小部隊の強みを活かして特殊作戦を遂行する特殊部隊であることの性質上、近接戦闘術(CQB)の練度は、全自衛隊中最高峰である。また、レンジャー訓練課程の各種想定訓練の上級版に相当する特殊作戦の演習、および人質救出、戦闘捜索救難(CSAR)、VBSS(船舶臨検)、水泳・戦闘潜水・海挺潜入、空挺降下、ヘリボーン、ヘリキャスティング、山岳地帯での長距離行軍やトレイルランニング、武装障害走、特殊格闘、戦闘射撃(タクティカルトレーニング)等の訓練を、年中通して、日夜や天候を問わず、絶え間なく行なっているといわれている。

特殊作戦群の徒手格闘(自衛隊格闘術)は、「特殊格闘」と呼称される。特殊格闘の訓練では、民間から、メディア等に露出せず表に出ない、超一流の本物の武術家(俗に言う達人)が密かに招聘され、深い交流があると噂されている。世界的に見ても豊富な伝統武術・武道の伝承・実践国であり、かつて武芸の探究・習得・実践奨励を第一義に行う社会統治階級の武士が存在していた日本国の特殊部隊としての性格上、また、近接戦闘(CQB)での実用性からも、特殊格闘は、伝統的武士道精神を模範とした精神規範と共に、欧米の特殊部隊と比較すると、比較的、訓練比重が置かれて重視されていると考えられる。

初代特殊作戦群群長として、古今東西で、特殊部隊において重要視される、士気の充足と規律・精神規範の構築・錬成実務に携わった荒谷卓は、のちに明治神宮の武道館の館長に就任するなど、日本の伝統的武芸と武士道を深く探究した。荒谷は、日本古来の軍学書である闘戦経などを研究し、日本独自の武人の価値観の復興と精神規範の確立を目指し、日本国の伝統文化や神話的伝承等と、欧米型特殊作戦部隊の外来価値観の融合により、日本在来の独自性と強みを含んだ精鋭部隊を錬成することを目指した。また、退官後も部隊発足時のパイオニアとして、これらの更なる充実と普及・発展のために、隊史の著述活動などのメディア露出による民事活動を続けた。

しかし、このことが、多様な現代日本人の価値観からは、一部からはエキセントリックに感じられる場合もあり、このことにより、荒谷が陸上自衛隊を退官後も、精神的カリスマ性により、部隊に暗に思想的影響力を行使しており、あるいは部隊を私兵化して、民主主義を逸脱した直接・間接的な政治への介入(いわゆるクーデター)を企図している可能性があるなどという誤推と懸念による批判を主に外部から生じる事態となり、また、予備自衛官らを対象にした荒谷の課外補修訓練支援活動が、神経質な批判者からは「私的戦闘訓練」と誤解されたことなどから、退官後もパイオニアとして特殊作戦群の民事活動(部隊史の著述や報道のアジェンダコントロール等)の重要な役割を担っていた荒谷は、不名誉を着せられ、釈明を行うこととなり、活動と役割を萎縮することとなった。

特殊作戦群の隊員の意欲は高く、使いやすい装具や被服を自費で購入したり、休暇に自費で海外のボランティアや民間軍事会社(PMC)での研修を行う者も多く存在するとされる。そのほか、国際機関にスタッフとして出向するなど、海外で様々な任務にも就いているという。初代群長の荒谷卓も2、3日の休暇であっても訓練の制約の多い日本を離れて海外でトレーニングをしており、最初の1年でほぼ全財産の300万円以上を投じた。

極めてレベルの高い、文武両道の訓練を行なっているため、おおむね、日本国の大卒者の大半よりも勉強する部隊であり、「息をするように勉強と訓練(鍛錬)ができる鉄人でなければ入隊できない部隊」ともいわれる。入隊選抜に際して、志願者の学歴は原則不問であり、特段の専門的かつ高度な学歴・資格等、あるいは基礎学力等を担保する学歴を除いて、大学卒業等の学歴も評価の対象とはならないといわれており、「隊員個々人の規律、知力、気力、体力、集中力、行動力、実行力、継続力などの根性の素養は、難関大学合格者並みか、それ以上(あるいは、少なくとも陸曹であっても幹部自衛官の一般的水準を上回る)」などと、陸上自衛隊部内外では評されている。

このような、高度な文武両道の能力が求められると同時に、常に奇襲性が要求される特殊部隊の性質上、思考やマインドの硬直化を嫌い、規則や常識にとらわれず、発想の転換や、柔軟で創造的なマインドが要求され、「イマジネーションを豊かにする」オリエンテーション・プログラムも実施されているとされる。具体的には、初代群長の荒谷卓がタブロイド誌の取材に語ったところによれば、隊員に「ミッション:インポッシブル」のワンシーンを見せ、「君がトム・クルーズなら(この状況下で)どうするか?」と問いかけ、隊員個々人にユニークな解答案を委ね、けっして正答案があるものではない、といった課題が課せられるという。

同様に、映画を教材として使用するオリエンテーションは北朝鮮の諜報機関の工作員養成課程でも行われているという、元工作員の安明進(アン・ミョンジン)による証言がある。そちらでは、旧帝国陸軍中野学校の映画が使用されるという。(北朝鮮拉致工作員 2000年3月 徳間書店〈徳間文庫〉ISBN4-19-891285-8)

特殊作戦群が発足した当初は、同じ習志野駐屯地に同居する第1空挺団との任務等の競合から、空挺団から裏切り者扱いされたり、専用施設群を横奪され、隊員と家族が居住する専用隊舎にすら困窮し、手当などでも冷遇を受けたものの、文句を言う隊員は誰もいなかったという。

公の場(日本国内)に姿を見せたのは、上級単位である中央即応集団(~2018年)及び陸上総隊(2018年~)における式典のみで、その際も目出し帽(バラグラバ)で顔を覆った一部の隊員と群長のみが出席するなど、徹底した機密保持がなされている。

旧制服を着用した特殊作戦群の旗手
(中央即応集団時代の式典)
新制服を着用した特殊作戦群の旗手
(2018年以降、陸上総隊の式典)

しかし2022年9月22日、国防省オーストラリア国防省から、10月6日には陸上自衛隊公式SNS上で特殊作戦群の訓練画像が初めて公開された

編成及び他組織との連携

特殊作戦群

  • 特殊作戦群本部(第1部・人事と総務、第2部・情報、第3部・計画、第4部・補給)

  • 本部管理中隊

  • 第301特殊作戦中隊(HALO作戦専従)

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