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【感想】渋沢栄一 NHK大河ドラマ『青天を衝け』第7回「青天の栄一」

昨日2021年3月28日は、渋沢栄一モデルの大河ドラマ『青天を衝け』第7回が放送されました。タイトルは「青天の栄一」

江戸に旅立つ従兄弟の尾高長七郎/満島真之介へ尾高惇忠/田辺誠一が送別の詩を送ります。
ここで家康公登場、詩の解説をはじめます。
旅に出よ。家は俺が守る。名を高め、世に知れ渡る偉大なる仕事をするのは、お前の役目だ。行け、そして励め。

惇忠に「千代を嫁に欲しい」と伝える喜作。
「お前はいい男。しかし夫となるとどうだか。真面目に働くことが苦手だ。千代と結婚すると苦労する」とケチをつけ、けんかになる栄一と喜作。

■江戸では
慶喜の側近、平岡円四郎/堤 真一の元へ伊勢守・阿部正弘が亡くなったという一報が届きます。
内政も外政を一手に引き受けてきた阿部正弘の死で、天下騒乱の予感がしてきます。
阿部に替わる老中首座は、堀田正睦/佐戸井けん太です。
斉昭は、朝廷に幕府を非難する手紙を送ってしまいます。
慶喜は、朝廷に文は書かないと堀田正睦に手紙を書いてほしいと、正論を述べます。
奥方の吉子/原 日出子にも公儀にわびてほしい、と説得します。
慶喜の正妻・美賀君/川栄李奈が意味深な言葉を慶喜にかけます。
「殿は将軍になるのですか?」
「私は将軍になるつもりはない」
「それは建前です」
「分かりました。その覚悟をしましょう」
本音を読まれる慶喜でした。
前回の騒動といい、配役の選出といい、慶喜は尻に敷かれていたというイメージを演出しているのでしょうね。
さすがに、この時代奥さんの意向が前面に出ることは無いとは思いますが。
テレビドラマだから仕方ないのかなあ。

■血洗島では
渋沢なか/村川絵梨が嫁いでいきました。
千代/橋本愛は、子供の頃の獅子舞を踊る栄一の姿を思い出しています。
千代も栄一のことを好いています。
思い出すのは栄一のことばかり。
栄一は、悶々とした気持ちで、千代のところへ行きます。
「喜作と一緒になるのか?」
「おまえは、それでいいのか?」
「遠くの商売人のところへ嫁ぐより、喜作なら安心だ」
「わかった・・・・」
「へえ・・・・」
本当の気持ちを胸にしまう千代でした。

■江戸幕府では
慶喜を次期将軍に推す声が強くなります。
松平慶永/要潤は幕府に建白書を提出しまし。
慶永は慶喜派の旗頭です。
一方、将軍の徳川家定/渡辺大知は慶喜擁立の動きが気に入りません。
当然です、自分は能無し、と言われているようなものですから。
水戸の斉昭が動いているのも気に入らないようです。

家定については、病弱で人に会わないところから、いろいろな憶測が生まれました。
脳性麻痺説や、痘瘡(天然痘)の痕があり人間不信になり人前に出ることを嫌った、などがあります。
篤君(篤姫・天璋院)が家定を支えたのは間違いないでしょう。
このご時世、テレビで脳性麻痺を表現するのはちょっと難しそうなので、まともそうな家定の演技は、割り引いて見る必要があるのかもしれません。

■江戸の長七郎
長七郎と真田範之助/板橋駿谷は、江戸の儒学者である大橋訥庵/山崎銀之丞の思誠塾に出入りします。
大橋訥庵は、尊王攘夷を唱え、多くの塾生に影響を与えます。
長七郎も思誠塾に仲間入りのようです。

■栄一と千代
江戸の長七郎から手紙が来ます。
「千代と一緒になるのは栄一だと思っていた。おまえの志、欲しいものは何だ。胸によく聞いてみろ」
栄一と惇忠は信州を周る旅に出ます。
浅間山を見ながら険しい岩を進み、白雲を突き抜け、山頂で空と山の頂に感動します。
まさに「青天を衝け」そのものです。
そして、旅を終えて帰ってくるやいなや、千代のもとへかけ走ります。
「千代!おれはお前がほしい!」

この辺は、ドラマのお約束なのであまり意見することはありません。
こういうロマンもドラマには必要です。

■江戸城では
家定、「越前は嫌いじゃ!わしを支える重鎮はいないのか」
「わしのこしらえた茶菓子を食え」
直接家定が手に茶菓子を持って、ある家臣の口に入れます。
その家臣は怪訝そうですが、茶菓子を頬張ります。
家定と井伊直弼/岸谷五朗との出会いです。

ここで井伊直弼が登場します。
江戸幕府から明治維新へ向かうきっかけとなった安政の大獄、その主人公と言っていいでしょう、大物登場です。
つづく

悪役として描かれることが多い井伊直弼、地元の彦根では良いお殿様として評価されています。
まさに、勝者の論理で悪者にされた井伊直弼。
明治新政府としては、官軍を弾圧した悪いヤツというイメージを植え付けたいということです。
❝歴史は勝者の論理で作られる❞ということを頭の片隅に置いて、歴史を学ぶことは必要でしょうね。
今回の井伊直弼はどのように描かれるのでしょうか、楽しみです。
今回のテーマは、ドラマタイトルの「青天を衝け」を採用した意義とか経緯を語る内容でした。

彦根城

彦根城 著者撮影

■大河ドラマ紀行
群馬県南牧村にある馬喰さつき。
栄一の馬が庭のさつきを食べ尽くしてしまった、という逸話が残されています。
そのおわびのしるしに、石に「愛染明王」と書き残したと伝わっています。
長野県佐久市の内山峡は、栄一が漢詩を詠んだ場所の一つです。
地元の人々によって歌碑が作られました。
そこには「青天を衝く」の文字が残っています。

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