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【感想と解説】NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第31回「諦めの悪い男」

2022年8月14日(日)20時放送、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第31回「諦めの悪い男」を視聴しました。

<始まる前に>

北条一家のさらなる陰謀の深部に迫ります。
吾妻鏡だとあっさりし過ぎなんですが。。。

<NHKのあらすじ>

源頼家(金子大地)の後継者をめぐり、激しさを増す北条と比企の争い。
比企能員(佐藤二朗)はせつ(山谷花純)が産んだ頼家の長男・一幡(相澤壮太)を推し、早々に朝廷の許しを得ようと躍起になるが、大江広元(栗原英雄)らは取り合わない。
一方、義時(小栗旬)は比奈(堀田真由)に頼んで比企の動向を探り、三浦義村(山本耕史)にも相談を持ち掛ける。
そんな中、政子(小池栄子)のもとに北条時政(坂東彌十郎)、りく(宮沢りえ)らが集まり……

■プロローグ

病床に伏せる頼家、佐々木の孫であるという医師(康すおん)が診断します。
時政と比企能員の間に入り、広元の屋敷に頼家を移すことになりました。

---曲---
エバン・コール

■ナレーション(長澤まさみ)

初代よりはるかに若くして、二代目は倒れた。
御家人同士の対立も、またはるかに大きい。
鎌倉に戦の匂いが、漂い始めている。

■後継ぎ候補

早々と比企能員は一幡が鎌倉殿になるため朝廷に日本国総守護に任じてもらうよう三好義継(小林隆)に命じています。
頼朝の息子の頼家・千萬・全成の息子の頼全と時元、次の鎌倉殿の候補は、一幡、善哉、千幡の3人。
一幡には比企、善哉には三浦が、千幡には北条が乳母としてついている。

■頼全殺害される

「頼家とつつじの子が男子だったら後継ぎにし乳母は三浦義村にする」という頼朝の文書が見つかりますが、実は三浦義村(山本耕史)が書いた文書でした。
善哉に跡継ぎになってもらうしかないと義村は言います。
頼家の葬儀の準備をする八田知家(市原隼人)に義時は「八田知家は比企に近いのでは」と尋ねますが、「オレはオレ」(八田知家)
全成の子・頼全(小林櫂人)が源仲章(生田斗真)に首をはねられた、と京より知らせが入りました。

■北条一家

全成の息子・頼全が殺害され、実衣(宮澤エマ)は、子の身を案じ決して手放さないと警戒しています。
比企を討とうと殺気立ちます。
義時は千幡擁立に動きだすと、りくも、千幡がいいと同意しました。
「幼い千幡に政が務まりますか、惣領は我が夫、夫の器を信じている」(りく)

■義時の考え

鎌倉殿の役目を2つに分け、関東28カ国は一幡、関西38カ国を千幡に与えるという案を提示します。
その案を比企能員は破り捨て拒否しました。
「鎌倉殿は一幡様ただお一人」(比企能員)
大江広元は比企が受け入れるとは思わないと義時に語ります。
これで大義名分は立った、比企を滅ぼすと義時は決意しました。

■頼家

8月末日、容態の戻らぬ頼家は床のまま出家(長澤まさみ)
政子は「一幡を助けて、頼朝様の血を引くものを殺めることはあってはなりません」
しかし、義時は、戦になったら真っ先に一幡様を殺せと、泰時に命じました。

■比企能員の館

義時は比奈に比企の館に行ってくれと命じます。
比企尼(草笛光子)は善哉をみて頼朝に似ていると話しています。
比奈はその場を退席し部屋の影で、能員が義村を説得していところを立ち聞きしていました。
比奈は家に戻ると、泰時に手紙を渡すよう託けます。
義時は泰時に手紙を見せると、比奈を利用したことを問い詰めます。

■時政と義時

義時は時政に惣領となる覚悟はあるのかと問います。
時政は「ある」と断言します。
本心は、大事にしているものが3つあり、伊豆とりくと息子たちと娘たちだと。
「全成を死に追いやった、二度とこんな真似はしない、北条を守り、北条の世を作る」
最後に比企能員を説得する役を時政が引き受けました。

■能員と時政

「頼朝様の挙兵のとき、私が加わって居れば石橋山で勝てた」(能員)
「ここらで手を打たんか、御家人同士の戦はたくさんなんだ」(時政)
「一ついいことを教えてやろう、あの時お前が加勢したところで頼朝様は負けておったわ」(時政)
説得は失敗に終わりました。

■建仁三年(1203年)9月2日

時政が和議を提案してきたという文が比企能員に届きました。
能員は、丸腰で時政に会いに行く事になりました。
仁田忠常(高岸宏行)の案内で時政の館に入っていきます。
そこに待っていたのは鎧をつけた時政の軍勢でした。
「坂東武者は勝つためには何でもする、丸腰でも屁ではない」(時政)
「わしの身になにかあれば三浦も立つ」(能員)
ふと見ると、そこに三浦義村がいました。
義時に切られ、逃げようとしますが、多勢に無勢、鎧を身に着けているのを見破られ、仁田忠常にトドメを刺されました。

■政子

義時は比企能員を討ち取ったことを政子に報告しました。
比奈は悲しそうな様子をしています。
畠山重忠(中川大志)と和田義盛(横田栄司)は、この情勢に食らいついていくほかないといい、比企の館に突入し、道(堀内敬子)も含め一族は討ち取られました。
せつ(山谷花純)はトウ(山本千尋)に殺され、一幡は善児(梶原善)に確保されました。
一幡の無事を尋ねられた義時は、行方知れずとしてあると答えました。
宗時(片岡愛之助)の声「坂東武者の世を作る。その天辺に北条が立つ」と義時は思い出したのでした。

■戦後処理

比企の一族郎党すべて討ち取られ、一幡は行方知れず、千幡に後継をお願いし、北条時政が後見となり政を行う事になりました。
そこに急な知らせが入りました、鎌倉殿・頼家が息を吹き返したというのです。

----つづく----

次回は第32回「災いの種」8月14日放送です。

■感想

佐々木秀義の孫役の医師として康すおんが再登場したのが笑えました。
大河ドラマ内で二度目の登場は珍しい。
そして、比企能員の最期が詳細に描かれました。
まさに吾妻鏡による再現でした。
吾妻鏡以外の史料では、比企は北条に嵌められたと見ていたようです。
この時、時政65歳、義時40歳、義村35歳。
だれがコントロールしていたのかというと、義時であってもおかしくない年齢です。
時政は若後家りくにコントロールされていたというのもある程度、間違いなさそうです。

■勝手に解説

政権寄りの『吾妻鏡』よりも真実に近いと思われる『愚管抄』を参考に説明いたします。

頼家は、病気になり自ら出家し、長男・一幡を跡継ぎにすることを決めます。
しかし、一幡を後継にされては後援者の比企氏が全権を掌握してしまうため、それを防ぐために北条時政は、比企能員を殺害、側近を派遣して病床の頼家を御所から連れ去り、大江広元の屋敷に移してしまいました。(比企能員の変)
頼家を連れ去ったと同時に、一幡も殺害しようと目論みますが、間一髪で逃げ延びることができました。
病気が回復した頼家は、この出来事に怒り、太刀を手に立ち上がりますが、政子が押さえ付け、修禅寺に押し込めてしまいました。
その後、一幡も捕らえられ、殺されました。

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