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【感想】NHK大河ドラマ『光る君へ』第35回「中宮の涙」

2024年9月15日(日)20時『光る君へ』第35回「中宮の涙」を視聴しました。

<NHKのあらすじ>
道長(柄本佑)は中宮・彰子(見上愛)の懐妊祈願のため、息子の頼通(渡邊圭祐)と共に御嶽詣へ向かう。
しかし険しい行程と悪天候に悩まされ、目的地である金峯山寺への到達に手こずっていると、伊周(三浦翔平)が武者を引き連れ、不穏な動きを見せる。
その頃、まひろ(吉高由里子)の書く物語に興味を持った一条天皇(塩野瑛久)が、まひろに物語の真意を尋ねては、自身の境遇を重ね…。
さらにまひろは彰子の本心を知り…


■プロローグ

●ナレーション 伊東敏恵(NHKアナウンサー)
「道長は中宮彰子の懐妊祈願のため、京をたって金峯山へと向かった」

---音楽---
冬野ユミ

---テーマピアノ演奏---
反田恭平

■寛弘4年(1007年)

■御嶽詣

●伊周の企み
平致頼(中村織央)が出立した道長の一行が20名だと報告すると、伊周は左大臣の供としては少ないと思いました。
そこに隆家が現れ、酒を飲もうと誘いますが、伊周は皇后が身罷ってから飲んでいないと話します。

●山道を進む道長一行
雨の中、険しい山道を道長一行が進みます。
平致頼が道長一行の通った足跡を確認しています。

●休憩
頼通(渡邊圭祐)はまだ道のりは長いからもっと食べたほうがいいと勧めます。
源俊賢(本田大輔)が、父を背負って登る意気込みの頼通を褒めます。
明子の頼宗も頼もしく育っていると俊賢が言うのに対し、明子は頼通と頼宗を競い合わせようとしている、張り合うなと明子にいうよう道長は頼みました。

■物語
まひろは一条天皇に物語への質問を問われています。
左大臣の心持ちは、御嶽詣までして懐妊を願う思いを気にしています。
それは親心、御嶽に命を掛けるのが親というものとまひろは答えます。
子の親なので、このたびのことは考えられないと一条天皇は考えます。

●険しい山を進む一行
断崖絶壁を行く一行、綱に手をかけ登ります。
俊賢が落ちそうになり、頼通が助けました。

(ナレ)
「京をたって9日目、道長一行は金峯山寺の山上本堂にたどりついた」
「金峯山寺でさまざまな仏事を催した道長は、最後に山上本堂の蔵王権現に自ら書き写した経典をささげた」

■一行を狙う伊周

平致頼が弓矢で道長一行を狙います。
そこに隆家(竜星涼)が現れ、すんでで弓矢で射られるのを防ぎます。
「どうぞご無事で!」(隆家)
隆家はなぜ邪魔ばかりするのか、あのときも俺が止めるのを聞かず、花山院に弓矢を射った。
あれから何もかも狂い始めた、恨みはないが、ここまで邪魔をされるとは問いたくなる、お前は俺の敵なのか?
左大臣をなきものにしたとところでなにもかわらない、憎まれても兄を止めなければならないと思った。
隆家にはあの過ちの詫びなのでした。
伊周は道長なぞ狙ったつもりはない、うつけ者め、と一言を残し帰っていきました。

(引用)
本当にあったかどうかはわかりませんが、当時、そのような噂(うわさ)があったことは確かです。道長は寛弘4年(1007)8月2日に都を発(た)ち、8月11日に金峯山寺の山上蔵王堂に参詣するという日程で金峯山詣に向かいましたが、『小記目録』の寛弘4年8月9日条に、「(藤原)伊周と(藤原)隆家が、(平)致頼と相語らって、左大臣(藤原道長)を殺害しようと欲した間の事。」と記されています。

NHK光る君へ

■無事に帰還
道長は彰子に金峯山寺の護符を持ってきました。
そこに敦康親王(渡邉櫂)が現れ、金峯山寺のことを説明します。

■物語の続き

まひろが道長に一つの巻を書いたことを話すと、見たいと要求します。
(道長)
「小鳥を追いかけていた頃のお前はこのようにけなげではなかったが・・・。」
(まひろ)
「うそはつくし作り話はするし」
(道長)
「とんだ跳ね返りものであった」

(まひろの心の声)
「こうしてお会いしてもまたお会いできるとは限りません。夢の中にこのまま消えてしまう我が身でありたいと、むせび泣いている光る君のお姿もさすがにいじらしく、世の語り草として人は伝えるのではないでしょうか。類なくつらい、この身を醒めない夢の中のこととしても、と藤壺の宮が思い乱れている様も、まことにもっともで恐れ多いことです」
(心の声)
「三月になられるとはっきりと分かるようになり、女房たちがお見受けして気にしているので、宮は嘆かわしい宿世のほどを情けなく思われました」
道長は、この不義の話はどのような心づもりで書いたのか聞きます。
まひろは、我が身に起きたことは全て物語の種だと。
「恐ろしいことを申すのだな、おまえは不義の子を生んだのか?」(道長)
「まことのことかどうかもわからなくなってしまうのです」(まひろ)

(引用)
「源氏物語」第25帖「蛍」には、光源氏の語りの体で、紫式部自身の物語論と思われる主張が展開される場面があります。道長に対するまひろの「告白」は、この辺りから着想されたものかもしれません

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■悲運のあかね

(ナレ)
「この年の10月、あかねの思い人敦道親王が27歳で世を去った。」

あかね(泉里香)は、為尊親王も敦道親王も皆、自分をおいて旅立ってしまった、まるで自分が命を奪ったみたいだと。
「ものをのみ 乱れてぞ思ふ たれかには 今はなげかん むばたまの筋」
まひろはあかねに、亡き親王とのことを書き残したらどうかと提案します。

●惟規
斎院の中将(小坂菜緒)が惟規(高杉真宙)と密会します。
男が立ち入ってはならない斎院の塀を越えたことに驚くまひろです。
捕まったときとっさに歌を読んだといいます。
「神垣は 木の丸殿に あらねども 名のりをせねば 人とがめけり」
すると、斎院の選子内親王が自分の歌を見て、良い歌だからゆるしてやれと言ったのでした。
天智天皇の引歌なので内親王の心を掴んだとも。
そういうことをやっていると罰が当たって早死すると嘆きます。

●左衛門の内侍
左衛門の内侍(菅野莉央)と恋人がばったりまひろに出くわすと、恋人がうわさの物語を書く人かと尋ねます。
左衛門の内侍は、邪魔をしては駄目、比べ物にならない尊い仕事を任されているのだからと話します。

●物語を読む会
大納言の君(真下玲奈)、宰相の君(瀬戸さおり)、小少将の君(福井夏)、馬中将の君(羽惟)らが物語の感想を述べ合っています。
そこに宮の宣旨(小林きな子)が敦康親王は物忌のため来ないと報告しに来ます。
彰子は光る君に引き取られて育てられる娘は、自分のようであったと感想を述べます。
このあとどうなるのか問われると、今考えているところだとまひろは答えました。
彰子はこのあとは光る君の中宮になるのがいいと答えました。
まことの妻になりたいといえばいい、とまひろは提言します。

■彰子の涙

お渡りで藤壺に来た帝は、敦康親王に会いに来たといいます。
「お慕いしております!」
泣きながら言う彰子に、少し驚きながらも、一条天皇はまた来るといって出ていきました。

■御嶽詣の御利益

来年の元日は朝拝をすると帝に提言します。
一条天皇は御嶽詣でのご利益はあったのかと聞き、今日藤壺に行くと道長に述べました。
雪が舞うのか一条天皇は藤壺に入ります。
いくつになったと問われた彰子は二十歳になったと。
「ずっと大人にございました」(彰子)
二人は抱き合い夜をともにしました。

(感想)
なかなか子ができなかったのは醜女だったから?
いけない言葉を吐いてしまいました。

まひろは道長に何もしていない、中宮自身が帝の心を掴んだ、金峯山のご霊験だとも。
道長は良かったと安堵しました。

二人の会話を影で聞いていたのは誰か?

----終わり----

次回は 第36回「待ち望まれた日」9月22日放送です。

■感想

彰子の涙として感動的なシーンが印象的でした。
一条天皇の表情の変化そして、そっけない態度、この演出も微に入り細を穿ったすばらしい表現でした。
御嶽詣として登場した金峯山寺は山岳信仰の聖地です。
紀行の中でも紹介されていた役小角が始めだと言われています。
修験道は、天狗や山伏のように山岳信仰と深く結び付いています。
富士山、筑波山、神奈川の大山、赤城山、高尾山など。
さらに、大和地方では、葛城山、大峰山、生駒山、那智山、伊吹山などなど。
芸能、配置薬も修験道とともに発展したものです。
修験道は、裏社会に生きる人びとの宗教でした。
仏教とくに密教と古くからある山岳信仰を習合させ、さらに神仙思想を主とする道教も加わり、複雑に絡み合った信仰形態を形成していきました。


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