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【実況と感想】渋沢栄一 NHK大河ドラマ『青天を衝け』第12回「栄一の旅立ち」

2021年5月2日(日)20時からNHK大河ドラマ『青天を衝け』第12回「栄一の旅立ち」が放送されました。

冒頭、前回のおさらいが入るようになりましたね。
おさらいしてくれるのは前回の続きということでしょうが良いことです。
家康公はいつ登場するのか?

■江戸の栄一
江戸に来た栄一と喜作、役人に追われ平岡円四郎に捕まります。
円四郎に問い詰められて「百姓だろうが商い人だろうが立派な志を持つものはいくらでもいる。生まれつきの身分だけでものも言えない世の中なら、この世をぶっ潰さないといけない」と答えます。
「こりゃあおかしい」
円四郎は、さらに
「俺のもとに仕えてみてはどうだ。武士になったほうがいい。お前らがぶっ潰したいというのがご公儀だというなら、我が殿がいるところは、江戸のお城のど真ん中だ」と提案します。
名前を尋ねる栄一に対し一橋家家臣の平岡円四郎と名乗ります。
栄一は一橋と聞いて水戸の列侯を思い出します。
「あの二人、長生きしないだろうなあ、すぐきられてしまうだろう」
外国奉行の川路聖謨が円四郎に、水戸の連中がお前の命を狙っていると伝えます。

平岡と栄一の出会いについて、役人に追い立てられてなぜかそこに円四郎がいたという設定です。
この出会いはあまり記録が残っていないのか、かなり唐突でしたね。
というか、ありえないストーリーに感じました。
このあたり、ご愛嬌ということで。

■血洗島では
攘夷決行の日が近づいています。
そこに長七郎が帰ってきます。
京から戻って来た長七郎に
「兄上のやり方は間違っている。こんな子どもだましの愚かな謀は、即刻やめるべきだ!」と止められます。
さらに、薩摩藩は英国にやられ、1000人の兵力があっという間に敗れた。
長州藩とそれに味方する公家の一部も追いやられた。
天子様は幕府を選んだのだ。
誰が我々に加勢すると思うのか。
しごく理にかなった考えを披露する長七郎です。
これに対し、栄一や真田は、長七郎の意見に真っ向から反対します。
長七郎を斬ってでもやり遂げたい真田範之助は、我が道を行くと言い残して去っていきました。

思うに、本当に焼き討ち計画を実行に移そうと企んでいたのかは、すこし疑問が残ります。
机上の計画だったのではないでしょうか。
頭のいい栄一が死を覚悟してまで攘夷決行する直前まで行ったとは思えないのです。
50、60人いると必ずどこからか計画が漏れ出します。
そして反対されておじゃんということなんじゃないでしょうか。
尊皇攘夷を美化しすぎのように思うんですよね。
すいません、ドラマの腰を折って。

■栄一と千代
焼き討ち計画は取りやめになりました。
歌子を抱いた千代とどうしても歌子を抱かない栄一がいます。
「俺が間違っていた。とんだ臆病者だ」
千代から渡された歌子を嬉しそうに抱く栄一。
「二度と自ら死ぬとは言わない」と千代に誓う栄一でした。

父の市郎右衛門に対し、京都に向かうと告げる栄一。
「お前のことはもう言わない。俺の知るところではない。ただし、物の道理だけは貫け。それなら生死に関わらず俺は満足する」と市郎右衛門は語ります。

この親あっての子ですね。
親のほうが一枚上手です。
二十歳そこそこの若造にも信頼を以って接しているのは見習いたいものです。
それと、旅費としてかなりの金額をもたせることができるのは、家が裕福だったからできるのであって、普通はできません。
京都に旅行に行くようなお坊ちゃまの道楽だと父は思ったのでしょう。

■慶喜は京へ
慶喜は京都に向かうことになりました。
徳信院と美賀姫は天子様によろしくと手紙を書くといいます。
勝海舟(麟太郎)の順動丸で出発です。
美賀姫は、これで子を生むこともないだろうと嘆きます。
徳信院は、一橋家を守ることに変わりはないといいます。

■喜作とよし
喜作の嫁、よし/成海璃子も京に旅立つ喜作の前で悲しみます。
「私のことは忘れてください」
「やっぱり忘れないで・・・」
旅立つ栄一と喜作は家族とお別れです。
長七郎が謎の言葉を残します。

「きつねがいたのだ」

■家康公登場
血洗島編はここまでです。これからは激動の京が舞台です。

つづく

■大河ドラマ紀行
群馬県高崎市にあるのが高崎城です。
栄一たちが乗っ取ろうと企てた平城です。
埼玉県深谷市の中瀬地区です。
利根川を使って江戸から武器を運んだ栄一たちは、中瀬地区に武器を隠したと伝わっています。
尾高惇忠の家は、横浜焼き討ちについて話し合った部屋が残されています。69人もの同志が集まる中、長七郎の猛反対を受け、計画を断念。

■感想
最後に家康公登場です。
出てこないと思っていました。
最近は、欣也家康が出てこないと大河を見た気になれません。
さて、今回は幕府や事件より、血洗島の出来事がメインでした。
栄一の心境に大きな転換がありました。
死を覚悟した行動はもうきっぱり捨て去られます。
長七郎の最後の言葉は、栄一の心が攘夷という"きつね"に取り憑かれていたと言いたかったのかもしれません。
ところで、新たな出演者が発表されました。
パリへ派遣される人々が中心のようです。
ごめんなさい、あまり知っている役者さんはいませんでした。
松平容保や井上馨がいますね。
演出は黒崎博監督です。
NHKの職員だそうです。
外部の演出家だと思っていました。
長七郎役の満島真之介さんが、「リハーサルの日からすごい熱量でした」と語るほど、このシーンはみなさん迫真の演技だったことがわかります。
世の中、単なる暴力では何も変わらないということです。
テロとかクーデターで世の中は良くなりません。
先進国といわれる国や知恵のあるものは、それが分かっているからそれらに反対するのです。
逆にわからないからそれらが簡単に発生し、何度も繰り返すのです。
ということが今回は言いたかったのかなあと思いました。

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