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【感想】渋沢栄一 NHK大河ドラマ『青天を衝け』第9回「栄一と桜田門外の変」

2021年4月11日(日)20時からNHK大河ドラマ『青天を衝け』第9回「栄一と桜田門外の変」が放送されました。

「こんばんわ、徳川家康です」
今日はいきなり神君家康公登場。
「安政5年、『尊皇攘夷』という言葉が流行りました。野蛮人を追い払え。
朱子学を日本版に置き換えたスローガンです。
孝明天皇も好きな言葉でした。天皇は斉昭に期待していました。
井伊直弼は水戸藩士を徹底的に処分、慶喜にも迫ってきました」

■橋本左内投獄
橋本左内/小池徹平が奉行所に出頭し投獄されました。
一橋派が粛清されます。
慶喜は謹慎、斉昭には国元での永蟄居の沙汰がくだされました。
水戸藩士は、黙ってはおれない、井伊直弼を許せない、と怒りに震えます。

[所感]うーん、あまり優秀ではなかったし、まだ抜擢されたばかりの井伊直弼一人でこれらの処断ができるとは思えないですね。
影に誰がいたのでしょうか。
日米修好通商条約が井伊直弼大老の時に結ばれるのは、何か関係あるのでしょうか。
気になります。

■血洗島では
尾高惇忠/田辺誠一が語ります。
「江戸ではコロリが流行り、老若男女がめちゃめちゃ倒れているらしい。
井伊が異人の侵入を許したせいだ!」
栄一も喜作も惇忠に同調します。
千代と栄一が攘夷について語っています。
「久しぶりに聞いた、栄一さんの『承服できない』という言葉」
栄一も、「代官も殿様もただの代理人。あんなの殴っても仕方ない。仕組みを変えないといけない。百姓だから軽く見られる。生まれつき変わらぬ身分や幕府がおかしいのだ。俺はこの世を変えたい!」と千代に語ります。

[所感]この時代、日本が尊皇攘夷で盛り上がっていたのでしょう。
桜田門外の変は、そんな盛り上がりの中、起こるべくして起きたのかもしれません。
その結果、暴力は暴力を呼ぶことになります。
暴力で起こったことは暴力で始末するしか無いということ。
栄一はどのようにこの流れに与するのでしょうか。

■江戸一橋邸
徳信院/美村里江、美賀君/川栄李奈、平岡円四郎/堤 真一が集まります。
美賀君が、「殿には落ち度がないのに謹慎させられました。勝手に祀り上げた円四郎が悪いのです」と円四郎に恨み節を浴びせます。
円四郎は江戸を離れることになり慶喜の元へやってきます。
そんな円四郎に慶喜は「また家臣になるのなら、酒を控えよ」と冷静に返します。
いつも冷静な反応の慶喜です。

安政の大獄では、吉田松陰など100人以上が処罰されました。
朝廷をどうするか、井伊が思索します。
京都の御所では、和宮/深川麻衣が泣きじゃくります。
孝明天皇の妹宮である和宮。
幼い頃より許婚の有栖川宮がいたにも関わらず、公武合体の象徴として、徳川家茂/磯村勇斗との縁組みが浮上します。
異国を毛嫌いする孝明天皇/尾上右近は、公武合体に理解を示し、妹である和宮の家茂との結婚を認めます。
その相談役として、岩倉具視/山内圭哉登場です。

[所感]新たな人物の登場です。
孝明天皇、岩倉具視、和宮、家茂。
孝明天皇暗殺説もある岩倉具視。
どのように描かれるのか、興味ありますね。
そして、栄一との出会いがありそうなメンバーです。
さすがに孝明天皇とはそんな出会の場面はないのかな。
ちょっと気になるところです。

■外国人襲撃事件が頻発
1861年、東禅寺事件が発生します。
これは、水戸脱藩志士が高輪東禅寺に置かれていたイギリス公使館を襲撃下事件です。
横浜で、オランダ商船の船長が斬殺されます。

■江戸桜田門外では
水戸も江戸も当日は雪が舞う寒い日でした。
井伊直弼は籠の中で狂言の書を読んでいます。
桜田門外でピストルが発射され、井伊直弼に命中、血が流れます。
動けなくなった井伊直弼に水戸脱藩志士がとどめを刺します。
井伊直弼絶命。
井伊直弼死亡の知らせは、すぐに水戸や血洗島にも伝わります。

水戸では斉昭が倒れ亡くなります。
謹慎中の慶喜は斉昭が亡くなったという知らせを受け、
「死に顔も見られぬのか、なんたる親不孝ものか」と泣きじゃくります。
一方、美賀君は冷静に見つめます。

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井伊直弼Wikipediaより引用

■栄一は
江戸へ行きたい気持ちが増す栄一。
「長七郎も江戸に出て変わった。あいつの話を聞くと血が沸き立つ」
父に春の一時でいいので江戸に行かせてくれと懇願します。

つづく

■大河ドラマ紀行
東京都千代田区に桜田門があります。
大名が登城する際に用いた門の一つです。
井伊直弼は江戸城に向かう途中で、水戸脱藩浪士らに襲撃されました。
その死は病死として公表されています。

東京都世田谷区にあるのが井伊家の菩提寺、豪徳寺です。
直弼の墓には今も多くの人が訪れ、手を合わせています。

直弼の遺品は、密かに彦根市の天寧寺に持ち帰られました。

■感想
桜田門外の変の放送は、あっさりとしたものでした。
栄一と直接、関わりのなかったことなので仕方ないですね。
青天を衝けは、栄一の思想の背景を描いているので、それがよく示していれば良いということです。
ピストルで撃たれたというのは、意外でした。
ピストルといえば、西洋のものというイメージがあるので、やはり背景に西洋の影があったのですかね。
1860年頃の社会は尊皇攘夷、異国を排除しろ、江戸幕府は頼りない、といった風潮だったのでしょう。
それがどう変わっていくのか、栄一の思想と社会風潮との関係ですね。
テレビドラマという一般視聴者を対象にしていることもあり、どうしても薄く描くことになると思うので、あまり期待していませんが、偉人としての渋沢栄一の思想背景は大変興味があり、今後の放送に期待したいところです。

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