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【感想】NHK大河ドラマ『光る君へ』第15回「おごれる者たち」

2024年4月14日(日)20時『光る君へ』第15回「おごれる者たち」を視聴しました。

<始まる前に>
詮子と道隆との身内の戦いが始まりますね。
身内ほど憎しみが高まると言いますから。

<NHKのあらすじ>
道隆(井浦新)は、強引に定子(高畑充希)を中宮にし、詮子(吉田羊)を内裏の外へと追いやった。
二年後、一条天皇(塩野瑛久)は麗しく成長。
道隆の独裁には拍車がかかっていた。
伊周(三浦翔平)らに身内びいきの人事を行い、定子のために公費を投じ始める。
道長(柄本佑)は兄のやり方に納得がいかない。
一方のまひろ(吉高由里子)は、さわ(野村麻純)と近江の石山寺へと出かける。
そこで思いもよらない人物との出会いが…


■プロローグ

●永祚2年(990年)
●ナレーション 伊東敏恵(NHKアナウンサー)
「摂政となった道隆は、公卿たちの反発をものともせず、娘・定子を中宮に立てた」
「さらに道隆は、一条天皇の母・詮子を内裏の外の職の御曹司へと遠ざけた」

---音楽---
冬野ユミ

---テーマピアノ演奏---
反田恭平

■自暴自棄

頭中将・藤原公任(町田啓太)が道兼が公任の家に居座っていることを道長に報告しに来ました。
酒に溺れる道兼(玉置玲央)を、道長は迎えに行きました。
道兼は、父にも妻にも子にも捨てられ自暴自棄になっていました。
摂政の首が取れるのなら、魂をくれてやる、と話しますが、道長はこの世で幸せになってほしいと返答しました。
しっかりしろと、叱咤激励する道長でした。

■正暦4年(993年)

●ナレーション
「2年が過ぎ摂政・道隆のもと、道兼は内大臣に、伊周は道長と並ぶ権大納言に、道綱と公任は参議となっていた」
成長した一条天皇が除目のために参内します。
藤原実資(秋山竜次)が、66人も位を上げたが内裏の中が乱れれば世が乱れると憂いています。

●為時一家
為時(岸谷五朗)は今回も官職を得ることはできなかったようです。
弟・藤原惟規(高杉真宙)が大学寮の擬文章生の試験を突破し、家族中が喜んでいます。
いと(信川清順)はこの日のために隠しておいた酒があると宴会の支度をします。
まひろは、祝にと琵琶を弾きます。

●月の夜
笛を吹く一条天皇とそれを聞く定子。


(感想)
惟規、意外と頭が良い!
擬文章生の定員は20名だとか。
擬文章生→文章生になれれば、一気にエリート中のエリートに出世です。

●宮中の噂
摂政のやり方があくどすぎる、中宮が帝を手玉に取っていいきなものと噂します。
高階貴子(板谷由夏)は定子に、中宮が輝けば、摂政の政も輝くのだとアドバイスします。

■桔梗とまひろ

漢詩を書くまひろに、客として桔梗(ファーストサマーウイカ)がやってきました。
定子の女房になり、中宮の話し相手になると話します。
夫も子もおらず、喜びを伝えるためにまひろのところにやって来たと打ち明けました。
漢詩白楽天の「琵琶行」を読むまひろです。
忽聞水上琵琶聲 主人忘帰客不発 尋声暗問弾者誰 琵琶声停欲語遅
「私は一歩も前に進んでいない」(まひろ)


(感想)
不幸な白楽天(白居易)に自分を重ね合わせるまひろの心境が描かれました。

【現代語訳】
客を湓浦のほとりまで送っていく船の中で、夜琵琶の音を聞いた。その音色はみやこ風で、誰が弾いているのかを聞くと、元長安の名妓で、かつて琵琶を二大名人に習い、年を重ねて美貌が衰えると、商人に身請けされてその妻になったという。
その話を聞いて私はいそいで彼女に何曲か琵琶を弾いてくれるよう頼んだ。彼女は弾き終えると悲し気に若かりし頃の楽しかった思い出を語り始めた。そして今はすっかり零落し憂き世をさすらっていると言う。
私もまた左遷されて2年の月日が経つ。自分の身の上には特に心患うこともなかったが、この人の話を聞いて感じるものがあり、この夜はじめて流謫の身の悲しさを思った。
『琵琶行』白居易
http://chugokugo-script.net/kanshi/biwakou.html

■清少納言登場

桔梗が中宮の前に初見参、定子をひと目見て綺麗だと感動しています。
伊周、高階貴子も同席しています。
「清・少納言、清・少納言と呼ぼう」と定子が話します。
すでに夫とは別れ、元夫は少納言ではないと桔梗は返します。
清・少納言、素敵な呼び名だ、是非それで読んでください、一生仕えると返答しました。


(感想)
清・少納言が爆誕です。
そして、倫子の和歌サロンに代わる清少納言サロンが登場ですね。

●ナレ
「定子のいる登華殿は、帝と若い公卿たちが交流する華やかな場となっていった」
「摂政から関白となった道隆は、一条天皇を大人と認めることで、御子を儲けるよう促した」

●道長
道綱が道長に呼ばれてやって来ました。
中宮の御在所の費用をかけすぎたと咎める道長ですが、関白の兄が言ったからやったのだというと、道長は非難します。
これは関白に言ってくれと開き直りました。
すると、道隆のところへ直訴しにいきます。
公の費用で中宮などに贅をかけ朝廷の財政は豊かとは言えないと咎めます。
細かいことはもうすな、実資かと、笑ってごまかします。
そういうことをいわないから、中宮大夫にしたのだと言います。

■弓比べ

藤原伊周(三浦翔平)が弓を放つと、見事に的に命中しました。
伊周の一人勝ち、そこに、道隆と道長がやって来ました。
道長に相手をするように命じる道隆。
伊周の勝ちだといい、帰ろうとしますが、願い事を言ってから矢を放つことになりました。
伊周が、我家より帝が出る、と言って矢を放つと矢はぎりぎり的に命中しました。
道長が、我家より帝が出る、といい矢を放つとど真ん中に見事に命中しました。
われ関白となるといい矢を放というとしますが、道隆に止められました。


(感想)
伊周と道長の火花バチバチのライバル心が描かれました。
8歳も年下だけど、ここで負けたら終わりという道長の危機感がよく表現されていました。

●明子
8歳も下の甥相手に馬鹿なことをしたと反省する道長でした。
妊娠した明子を労る道長、そこに左大臣危篤の知らせが入りました。
源雅信(益岡徹)が病に伏せていました。
倫子と母・穆子(石野真子)が見守る中、道長が見舞いにやってきました。
道長の出世もこれで終わりだなと話します。

●ナレ
「藤原氏全盛の世に、16年の長きに渡って左大臣を務めた源雅信は74歳で旅立った」

■石山詣

さわがまひろと会話しています。
気晴らしに旅に出ることになり、近江の石山寺に誘われます。
為時の許可が出て、二人は旅立ちます。
ずっと夫を持たなければ、一緒に暮らさないかと二人で話します。

●ナレ
「当時、石山詣は都の人びとの間で流行っていた」

石山寺で読経するまひろとさわです。
そこで道綱母(財前直見)と出会います。
まひろは「蜻蛉日記」のことを読んで知っていました。
道綱母は心と体は裏腹だといいます。
まひろは道長との恋愛のことを思い出します。
日記を書くことで己の悲しみを救った、あの歌を公にすることで妾の痛みを癒やしたのです。
できることなら嫡妻になりなさいとアドバイスします。
道綱が遅れてやってくると、道綱にも会えて、来た甲斐があったとまひろは喜んでいます。
「書くことで己の悲しみを救った」(まひろ)
道綱が夜にさわの寝床にやってきますが、まひろと間違えたようです。
帰り際、ショックのさわはもう死んでしまいたといいながら、走り出しました。

●ナレ
「この頃、都の近辺では疫病が流行り始めていた」


(感想)
さわさん、ちょっと可哀想な役割ですね。
男と女の関係となるとどうしても不遇な役目を担うことが運命に感じるのでしょう。

----終わり----

次回は 第16回「華の影」4月21日放送です。

■感想

最後のナレーションで、疫病が流行りだしたというのは、道隆の絶頂期がジェットコースターのように急展開する予感を抱くものです。
とはいえ、本当に疫病だったのかな?
ちょっとその辺、ミステリーとして期待が持てそうです。
番組の中でもほのめかしていましたが、この頃には道隆は体調を崩しています。
糖尿病だったという推測もあり、糖尿病+疫病の合併症ではないかと通説では言われています。
そのあたりどう描くのか興味があります。
さすがに道長の陰謀の匂いはなさそうですけど。
石山寺の道綱母の蜻蛉日記の逸話は面白かったです。
妾になるな、嫡妻になれというアドバイスは、真実味があってありそうな会話でした。
夜這いで人違いにされたさわさん、少しかわいそうな役割です。


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