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【感想と解説】NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第44回「審判の日」

2022年11月20日(日)20時放送、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第44回「審判の日」を視聴しました。

<始まる前に>
公暁役の寛一郎さんは、上総広常役・佐藤浩市さんの息子だそうです。
知らなかった!?
実朝暗殺時、公暁は19歳です。
一人で判断して決行できるとは思えませんね。

<NHKのあらすじ>
後鳥羽上皇(尾上松也)の計らいにより、右大臣に叙されることとなった源実朝(柿澤勇人)。
政子(小池栄子)が愛息の栄達を喜ぶ中、鎌倉殿への野心に燃える公暁(寛一郎)は三浦義村(山本耕史)のもとを訪れ、
鶴岡八幡宮で執り行われる拝賀式について密談を交わす。
三浦館の動きに胸騒ぎを覚える泰時(坂口健太郎)。
一方、義時(小栗旬)の周りでは、朝廷と鎌倉の橋渡し役として存在感を高める源仲章(生田斗真)がのえ(菊地凛子)を……

■プロローグ

白い犬が義時の前に現れます。
運慶(相島一之)が十二神将像の一つ戌神像を義時等に披露しています。
戌神像とは犬のこと、朝時(西本たける)がまだ届かぬ像を真似てポーズを取りますが、イマイチだったため政子が牛の像のポーズを決めました。
「明日、実朝を討つ」公暁は三浦義村一族と謀議をしています。
三浦の兵が打倒北条を叫べば、他の御家人たちは必ずついてくる、と義村は述べます。

---曲---
エバン・コール

■ナレーション(長澤まさみ)

ともに鎌倉殿の子として生まれながら、
別々の道を歩んできた二人。
運命は、神仏の前で交錯しようとしている。

■夢のお告げ

建保七年(1219年)1月27日
大して信心深くないのに薬師堂を建てるなんて義時らしくないと北条家で話しています。
義時によると、半年前に夢に白い犬が現われて、お堂を建てたとのこと。
元々お堂を建てる計画があって早く進めるよう催促しただけのようです。
八幡宮の僧侶がやってきて行列の並びを聞いてきたことが朝時(西本たける)により発覚します。

■実朝
自分に跡継ぎができないことを聞かない政子に感謝の思いを伝えます。
源仲章がのえと貝合せしながら話しています。
先代頼家のことを探る仲章、のえ(菊地凛子)は決して話しませんでした。
のえと仲章と一緒にいるところを影で見ていた義時、何を聞かれたか余計なことをしゃべっていないか問い詰めます。

■鶴岡八幡宮
公暁がどこかに出かけるのか蓑を用意していると、泰時は平盛綱(きづき)から聞きました。
蓑を運んでいた駒若丸(込江大牙)は三浦義村の息子です。
泰時は胸騒ぎがする、拝賀式を取りやめたほうがいいと義時に勧めます。
三浦義村は、誓ってそのようなことはないと否定します。
言葉と思いが別の時、必ず襟を動かす癖が出ると義時は見抜いていました。

■ライバル

義時は、警護を増やしてほしいと実朝と仲章に訴えます。
なぜかと聞かれ、鎌倉殿の座を狙っているからと答えますが実朝は疑っていません。
「いずれ私は京へ行き、御所を西に移すつもりだ六波羅にしようと思う」と言い出します。
まだ先の話だ、とも。
仲章は、「頼家がみまかった真相、知られてはならないことがあるのか」と問います。
「目当てはなんだ?何のために鎌倉にやってきた」
「望みは人の上に立ちたいそれだけ」
「お前には無理だ」(義時)
「血で汚れただれかより、よほどふさわしい」(仲章)
大江広元(栗原英雄)は、「臆することはない、仲章には死んでもらいましょう」と決断します。
そして、義時はトウに、仲章を殺すよう指示しました。

■雪の降る夜の鎌倉
阿野時元(森優作)がやってきて、式典は雪のため天上人と公暁と御家人のみで行うことになり、実衣と政子は御所に残ることになりました。

■三浦館
泰時がやってきて、式には参加しないよう要請されます。
義村は感づかれたことを察し、策謀を取りやめることになりました。

■その頃三浦館では
武士たちが武器、鎧を付け、準備をしています。
今日のために兵を揃えろというお達しのため、だと言い訳をします。
三浦義村は北条に感づかれたから今日の計画は中止すると公暁に伝えるように命じます。

■北条では
泰時から三浦の企みを聞いた義時ですが、証拠がないから兵を増やすことは不要と。

■公暁と母

三浦から計画中止を聞いた公暁は、三浦は忘れ、自分たちだけで実行することを決めます。
公暁は、母・つつじ(北香那)におかしなことを考えているのではないかと問い詰められます。
「あなたはあなたの道を生きるのです。鎌倉殿をお支えるのが天から与えられた道」(つつじ)
「謂れなき汚名を生きていかなければならなかった母上の道とは?」
「生きるのです、父上の分」(つつじ)

■実朝
泰時から鎧を着け、せめて小刀を持つよう勧められますが不要だと拒否します。

■運慶

以前会ったとき顔が悪くなったといったが、今はどうかと聞きます。
「あまりひどいときは言わないようにしている、戌神はお前の守り神」(運慶)
義時は「ここからは修羅の道、源仲章には死んでもらう。公暁は拝賀式の最中実朝を狙う。余計なことをするな」と時房に打ち明けます。
鎌倉を捨て武家の都を別のところへ移そうと考えているような人に鎌倉殿を続けさせるわけには行かない。

■真実を知った実朝

実朝は三善康信(小林隆)に頼家について本当のことを話すよう、圧力をかけ問い詰めます。
「公暁が恨みに思うのもわかるが、なぜそこまで鎌倉殿に拘るか、本当は何があった?」
一方、源仲章の背後から、トウ(山本千尋)が斬りかかります。
実朝は政子に「なぜ黙っていたのか、公暁が恨むのは当たり前、返上しなければならない」と母を責めます。
「私は鎌倉殿になるべきではなかったが、今辞めれば上皇様に顔むけできない、公暁が哀れでならない」と。
泣きながら政子は「どうか、許してくれ」
実朝は公暁のところへ行き、「お前の気持ちが痛いほど分かる」と泣いて語りかけますが、公暁は「あなたに私の気持ちなどわかるはずはない、日陰でひっそりと生きてきた母の気持ちがわかるはずはない。あなたが憎いのではない、北条が許せないのだ」と反論します。
さらに実朝は「鎌倉を源氏の手に取り戻す、我らが手を結べば必ずできる」と話します。
「正々堂々と裁きを受けさせれば良い、義は我らにある」
「騙されるものか!」公暁は一人で呟きました。

■拝賀式

太刀持ちとして従い、公暁が実朝を斬ったところを義時が公暁を討ち取る、それが義時の考えです。
ところが、義時は、トウが捕まったことを源仲章に聞かされます。
実朝は千世(加藤小夏)に、過分な官位と千世を引き合わせてくれたことを上皇様に感謝すると言います。
雪の中、式典が始まりました。
「夕方から降り始めた雪がうっすら積もり始めている」(長澤まさみ)
公暁が本懐を遂げたら挙兵しますが、それまでは三浦は動かないことに。
実朝は本宮に入りましたが何も起きません。
公暁の部屋に帰りの行列の図面が残っていて、銀杏の影から実朝と義時を狙うとの計画が発覚します。
「粉雪は戌の刻をすぎたあたりから牡丹雪となっている」(長澤まさみ)

----つづく----

次回は第45回「八幡宮の階段」11月27日放送です。

■感想

実朝暗殺直前までの動向が細かく描かれました。
義時が三浦義村の嘘をついている時の癖を見抜くくだりは面白かったです。
義村のことですから、わざと癖を見せて謀略を伝えたかも。
忍びが隠れていたり、誰が見ているかわかりませんから。
サスペンス映画・ドラマの見過ぎかな!?

■勝手に解説

頼家のことを復習を兼ねて説明します。
頼家追放については、政権寄りの『吾妻鏡』よりも真実に近いと思われる『愚管抄』を参考に説明いたします。

頼家は、病気になり自ら出家し、長男・一幡を跡継ぎにすることを決めます。
しかし、一幡を後継にされては後援者の比企氏が全権を掌握してしまうため、それを防ぐために北条時政は、比企能員を殺害、側近を派遣して病床の頼家を御所から連れ去り、大江広元の屋敷に移してしまいました。(比企能員の変)
頼家を連れ去れったと同時に、一幡も殺害しようと目論みますが、間一髪で逃げ延びることができました。
病気が回復した頼家は、この出来事に怒り、太刀を手に立ち上がりますが、政子が押さえ付け、修禅寺に押し込めてしまいました。
その後、一幡も捕らえられ、殺されました。
頼家は伊豆の修禅寺に幽閉され、元久元年(1204年)7月、23歳で亡くなりました。
『愚管抄』によれば、入浴中を襲撃され、激しく抵抗した頼家の首に紐を巻き付け、急所を押さえてようやく刺し殺したと書かれています。
『吾妻鏡』は、その死因について語ることはありません。

日本の歴史アップデート:鎌倉殿の13人と承久の乱


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