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春の一日を代償行為で潰してしまった3.

30年の東京生活の間、みんな同じと思うけど、“行きつけ”、“いつもの”場所や町が自然に決まってくる。東京には四方八方からいくつもの地方圏、流域が鉄道路線や道路網とともに流れ込んでいる。山手線感覚ならば上野、品川、渋谷、新宿、池袋から派生する路線エリア。私鉄地下鉄路線の毛細血管状エリア。私の場合、池袋↔埼玉生活圏。ただ住む場所、仕事関係とは別に、“馴染み深い”場所が必ずできる。私の場合、御茶ノ水・神田神保町。行きつけ書店は三省堂書店ではなく、書泉グランデだった。喫茶店はラドリオ、古瀬戸珈琲店。今も東京に出た時の定番だ。珈琲や町並みだけでなく、身体の中から黄金色のノスタルジーが沸き起こるから。

そんなわけで、故郷の町の老衰と年金植物化の過程を見る事はできなかったが、まだ何か私につむげる物語はあるのだろうか?丸い独特のフォルムのシンフォニービルのMARUZEN書店で、さあ図書館で借りられなかったあてつけに新刊を買おうじゃないか。

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