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本とその不確かな表紙1.

作品を購入し、ブックカバーをつけてもらい、書店のビニール袋に入れてもらい、毎日取り出してためつすがめつしてばかりで、その白く程よい道を歩き出せない。いや歩き出さない。そこにその本が置かれ、その本から放射されている光状の空間が私の意識内に照射されており、私の無意識の世界に立体的窓がある感じ。そして日々、見知らぬ十数万人のすでに走り始めている読者からの意識波に私は同調して、未読のままで、原・村上春樹世界を感得しようとしているのかもしれない。

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