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強襲雨艦隊

予報図にオレンジ色のコアを持つ強襲雨が、まるで艦隊のように上空を横切る。見たことのないような異様な明るみがさしたので、外に出て見た。バシンバシン降る雨。
しばらくして、次の強襲雨艦隊が少しそれて上空を横切る。その時見てしまった。見る間に秒速で、輝くような積乱雲が、火山噴火のように立ち上がってゆく。
これはもう、二重高気圧のようななまやさしいものではない。何か強烈な粒子のようなものが宇宙から直接、大地に打ち込まれ、まるで水蒸気の核爆発がおこっているように見える。
オレンジ色のコアを持つ強襲雨も、気流に運ばれてゆくのではなく、次々と打ち込まれる電磁波によってコースを進んでいるようだ。
見る間に盛り上がってゆく、早送りの積乱雲は、単なる熱の坩堝ではなく、消滅した地球電離層に守られていた地表に、情け容赦なく降り注ぐ太陽光線と宇宙線による未知の爆発現象のようだと、認識した。


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