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【J2優勝へ】新生ファジの初陣

0.Jリーグ参入15年目のシーズンが開幕

2023年2月18日。
静岡県磐田市のヤマハスタジアムで木山体制2年目のファジアーノ岡山は『J2優勝』と『J1昇格』に向けてスタートを切りました。

今回はJ2昇格15年目の記念すべき開幕戦
(A)ジュビロ磐田戦について書いていきます。
最後まで読んで頂けると嬉しいです。

1.予想不可能だったスタメン

今シーズン最初の試合を戦ったメンバー18人。

まずはこのスタメン発表の時点で今シーズンの選手層の厚さを証明させられました。
昨シーズン、途中加入で守護神に君臨し開幕スタメン有力候補だった堀田がまさかのメンバー外。
代わってスタメンに抜擢されたのは鹿島から育成型期限付き移籍で加入した21歳の山田大樹でした。

そして昨シーズンはチーム内得点ランク1位(J2得点ランク2位)で岡山のエースとなったブラジル人FWのチアゴ・アウベスもまさかのメンバー外。
代わって起用されたのはガンバ大阪から新加入の19歳坂本一彩でした。

堀田もチアゴも開幕戦メンバー入り間違い無いと予想している方も多かった中でこの2人がメンバーから外れたことは衝撃的でしたが同時に今シーズンは去年までレギュラーだった選手も安泰では無いというポジション争いの激しさ、チームの選手層の厚さを改めて実感させられました。

2.既存戦力と若手新戦力の融合

昨シーズンの主力メンバーを大幅に引き留めることに成功し、移籍した徳元、デュークの穴を埋めるべく存在として期待されてスタメンに抜擢された鈴木とソロモン。また、この試合欠場となったチアゴの穴を埋める活躍を見せた坂本。

昨シーズン3位に上り詰めた戦力をベースに足りない部分は活きがある実力十分の若手で補う。

これが見事にハマった磐田戦では殆ど100点の内容といっても過言では無い完璧なスタートを切ることに成功しました。

3.徳元・デューク抜きでも戦える集団

昨シーズン、ロングスローから多くのチャンスを演出した徳元悠平(FC東京)や長身を活かした競り合いの強さ、ポストプレーで攻撃の起点にもなれたミッチェル・デューク(FC町田ゼルビア)が抜けて戦力ダウンとも予想されたファジアーノ岡山。

去年の大躍進に大きく貢献した2人が抜けたことで不安も有ったが開幕戦のプレーを見るとそんな不安は吹き飛ばされました。

それを大きく実感させられたのは新加入の鈴木喜丈と櫻川ソロモンの存在でした。
鈴木は主戦場が左SBで有ることからポスト徳元として、ソロモンは恵まれた体格を存分に活かしたキープ力から昨シーズンのデューク的な役割を果たして欲しいと期待されています。

(写真左) 櫻川 ソロモン
(写真真ん中) 鈴木 喜丈

4.鈴木喜丈のビルドアップ能力の高さ

この日、左SBとしてスタメン出場した鈴木。
元々足元には定評の有る選手ですが、この日はビルドアップ時にはアンカーの輪笠とダブルボランチになるような立ち位置を取っていました。

このような動きをすることでパスを回せる本数が増え、攻撃の起点にもなりやすくなる。

徳元の代わりとして活躍が期待される鈴木。
去年までのチャンスを多く演出していたロングスローは現時点では無くなりましたが、徳元には無かった鈴木の良さを最大限に活かすことで去年よりも見応えのあるパスサッカーが実現されています。

5.櫻川ソロモンの驚異的なフィジカル

この日、坂本とコンビを組みツートップの一角としてスタメン出場を果たしたソロモン。

190cm/94kgという非常に恵まれた体格を活かした競り合いの強さ、キープ力はもちろん、走れば重戦車として突破力の高さを披露。更にはフィニッシュの精度も高く今シーズンの得点力アップに大きく貢献するだろうと期待されている1人です。

プレースタイル的にもデュークと重複する部分も有り、その代わりとして期待される一方でデュークには無かった突破力やフィニッシュの精度の高さなどは非常に魅力的です。

個人的にはデューク<ソロモンかなと思ったり。
今後の更なる活躍が期待されます。

6.とにかく若手の勢いが凄い

先ほど紹介した鈴木、ソロモン両選手に加えて、冒頭の方でも少し触れた坂本一彩や山田大樹。

プロ2年目の佐野航大や田中雄大、本山遥といった昨シーズンからの主力が引き続き安定したパフォーマンスを発揮。

プロ3年目のシーズンを迎えた木村太哉も去年の鬱憤を晴らす勢いで開幕前のTRMからキレッキレだった1年目の頃を思い出される活躍を見せてます。

【試合展開】

7.今年の特徴が存分に活かされた攻撃

前半立ち上がりは岡山がボールを支配。
多くパスを回せる時間帯が続きました。

前半26分
昨シーズン、チーム内アシスト数トップだった河野が蹴った5本目のコーナーキック。

ファーサイドで柳が合わせたボールをソロモンがほぼノールックでゴールに流し込んで先制に成功。これが2023年のファジアーノ岡山初ゴールとなり期待された新戦力が早速結果を残しました。

そこから更に勢いに乗ったファジアーノは点差を広げます。

前半31分
バイスが前線の田中へロングフィードを送り、田中の後ろにいたソロモンへ胸で落とします。
それを受けたソロモンがシュートを放つも右ポストに直撃。

こぼれ球に坂本が反応し中へクロスを入れるも磐田の選手に弾かれて、佐野の元へ。
佐野から坂本へボールが渡り、ゴールエリアの角から右足を振り抜いてゴール右上に突き刺しました。またまた新戦力が結果を残し、チームの勢いは更に高まります。

昨年J1の磐田相手に2点リードで前半終了。
ファジアーノは後半に更に追加点を奪います。

後半9分(54分)
佐野が自陣でボールを奪うと左サイドから一気に相手陣内に向かって加速しボールを持ち運んで行きます。

佐野→坂本→ソロモンへとボールが渡ってソロモンが右足でシュート。枠を捉えていましたがゴール前で磐田の選手に止められます。しかしそのこぼれ球にいち早く反応した佐野がしっかりと詰めて3点目。

ソロモン、坂本、佐野とサポーターから非常に期待されていた若手3人にゴールが生まれました。

8.試合の中断で見えたチームの課題

後半29分(74分)
磐田サポがスタンドで転倒し、試合が一時中断。
2/21 ジュビロ磐田公式HPからこのサポーターの方が大事に至らなかったことが発表されました。本当に良かったです。

しかし、この中断がその後の試合展開を大きく左右させることになります。
再開後から磐田に押し込まれる場面が非常に増え、ピンチが続きます。

後半44分(89分)
途中投入された、191cmを誇る磐田の17歳現役高校生FW後藤啓介が左サイドの松原后から供給されたクロスに右足で合わせ、1点を返されます。

この1点で一気に息を吹き返した磐田。
ロスタイムは試合中断の影響も有り7分の表示。

後半47分(90+2分)
磐田が左でコーナーキックを獲得。
キッカーの遠藤はショートコーナを選択。
パスを回して再び遠藤がボールを受けると左サイドからクロスを供給。これを再び後藤に決められて2点を返されます。

191cmの長身を見事に活かしたヘディングでのゴール。長年日本代表の司令塔を担ってきた遠藤のキックも健在でした。

その後も磐田にボールを支配されるも3-2で試合終了。
3-0から少なからず楽勝ムードが出ていた中で終盤に2点返されてギリギリでの初白星となりました。

『再開後の油断、集中力の低下』

3-0で大差をつけていた中での試合中断。
選手達も「油断するな、集中力を切らすな」といったことはもちろん頭の中では理解していたと思います。
ですが見えない所でそういった油断や集中力の低下が少なからず有った結果、終盤の失点に繋がったのでは無いかと考えています。

今回は3点余裕が有ったので何とか逃げ切れましたが、今後はスコア次第では引き分け、逆転負けや決勝ゴールなどに繋がり、最悪の展開になる可能性も有る部分でした。

これに関しては大至急ホーム開幕戦までの1週間でこの先勝点を取りこぼす前に何とか改善して欲しいと思っています。

9.ただ、間違い無く攻撃力は去年以上

チームの課題については少し厳しいことを書かせて頂きましたが全体的に見れば間違いなく最高のスタートを切れたと思っております。

新加入の坂本、ソロモン。
今節不在だった昨年のチーム得点王チアゴ。
ハンや永井も控える豪華な選手層。
FWの選手だけでみても去年以上の攻撃力を発揮出来るメンバーだと思っております。

10.昨季のJ1勢を蹴散らして連勝街道へ

次節のホーム開幕戦はこちらもJ1からの降格組の清水エスパルスとの対戦。

日本代表の守護神権田や昨年のJ1得点王チアゴ・サンタナ、岡山でもプレーしていたGKの梅田などなどベテランから若手まで実力豊富な選手が多く在籍しており間違いなく難しい試合になる予想。

佐野と坂本の代表招集による離脱も有り、多少不安もありますが壊滅的に攻撃力ダウンにはならないはずです。早くも今シーズンの山場を迎えているファジアーノ。

ホーム開幕戦で清水を倒して更に勢いに乗り連勝街道を突っ走って欲しいと願っています。

今回も長くなりましたがここまで。
最後まで読んで頂き有難うございました!!

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