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マスクに守られていたのは自分の心だった。

そのまま出掛けても咎められず、怪訝な顔をされない最近。マスク生活に慣れ過ぎて、未だにマスクを店頭で見かけたらストックとして購入している。
100円ショップで30枚入が買えるようになって、もうどのくらいだろう。
一時期は、1箱が3000円くらいでも安価だと思えるほど、マスクに対しての価値が大きかった。

夏場は、さすがに暑くて嫌だった。
某アパレルブランドは快適さを売りにした通気性の良いマスクを販売し、お客さんが殺到したとニュースで話題になった。通気性の良さとウイルス防御が、どうしても矛盾しているように思えてならなかったが、快適さを求める理由も理解出来たし、そこまで違和感はなかった。

思い返せば、マスクは私にとってウイルスから身を守るだけではなく、自分の心も他人から守るような、体の一部とも思えるものだった。
マスクをすれば顔の半分は隠せるわけで、無理に笑顔をつくる必要も無ければ、不摂生やストレスで荒れた肌も見せずに済む。
コンプレックスを見せずに済むのは、心の安定性が高くなるのでメリットが大きい。

たまにマスクを外して、まじまじと鏡を見たとき、自分の顔や表情って、こんなにダメだったんだと落ち込む。
荒れた肌、開いた毛穴、たるんだフェイスライン。歯並びだって気になってきた。ホワイトニング効果のある歯磨き粉を使おうかなとか、歯列矯正しようかなとか。
ほうれい線も気になるし、口元の弛みもあるような。 
しばらくの間、隠してこれたものと向き合う瞬間だった。

そんなコンプレックスを抱えたまま、これでは未だマスクを外して歩くなんて無理だろうなと。そう思うと気持ちも沈んでくる。

マスク1枚で、そんなことから解放されるわけだ。
マスクさえあれば、余計な部分を見せなくて済む。
無理に表情を作らなくていいから、愛想を振りまくこともしなくていい。

それだけで、私の心は大分と負担が減っていた。

やっぱり自分にとって、誰かに会うこと笑うことも向いていないし苦手なのだと感じた。

正直言うと、ずっとリモートが当たり前になってくれたらいいとも思う。

多分だけど、それだけでも心は救われると思う。

ニューノーマル時代が、悪い方向に元に戻らないことを願う。

そんな夜だった。

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