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【オールカマー(G2)回顧~その先へ】血統篇

【今週のスケジュール】
24日(火)07:00頃 オールカマー、神戸新聞杯
                    の回顧~日刊馬番コンピ篇
25日(水)07:00頃 オールカマー、神戸新聞杯の回顧~血統篇
26日(木)07:00頃 日記「術はあるⅡ~その先へ」
26日(木)07:00頃 シリウスSの「徹底的にデータ分析篇」
27日(金)07:00頃 スプリンターズSの「徹底的にデータ分析篇」
28日(土)07:00頃 シリウスSの「予想篇」
28日(土)07:00頃 シリウスSの「回顧篇」
29日(日)07:00頃 スプリンターズSの「予想篇」
29日(日)19:00頃 スプリンターズSの「回顧篇」
30日(月)07:00頃 サウジアラビアRC、毎日王冠、京都大賞典
                の「日刊馬番コンピ指数分析予想篇」
個人的に何もなければ、上記通りに更新されます。

【オールカマーの結果】
レースは、好位でレースを進め、直線で内の馬群を抜けて差し切ったレーベンスティール(①人気)が、逃げ粘ったアウスヴァール(⑩人気)に1/2馬身差をつけ優勝。さらに1/2馬身差の3着にリカンカブール(⑫人気)が入り、ヒモ荒れ決着??

傾向面からみると、2013年以降、1番人気は【2-3-1-5】とやや苦戦。1~2番人気のワンツー決着もなし。今年の結果は、1着1人気→2着10人気→3着12人気とヒモ荒れ決着でした。

血統面で、注目したのは「父サンデー系×母父欧州型」。出走馬15頭中6頭内2頭(1着レーベンスティール、3着リカンカブール)が馬券に絡んだ。逆パターン「父欧州型×母父サンデー系」にも注目。出走馬15頭中3頭内1頭(2着アウスヴァール)が馬券に絡んだ。ちなみに、4着サヴォーナは「父サンデー系×母父欧州型」、6着ステラヴェローチェは逆パターン「父欧州型×母父サンデー系」でした。

トラックバイアスからみると、中山芝2200㍍は外回りコースを使用。残り1000㍍もしくは800㍍あたりからペースアップして後半勝負になりやすく、いい脚を長く使えるタイプに向くレイアウトである。

【血 統 傾 向】
スピード持続性の高い血が重要!!
ディープインパクト産駒、特に母父米国型。
父か母父が米国型ノーザンダンサー系。
ボールドルーラー系、プリンスリーギフト系の血を持つ馬。

2024年
1着レーベンスティール
父リアルスティール(サンデー系/日)×母父マイバブー系/欧
2着アウスヴァール
父ノヴェリスト(スターリング系/欧)×母父サンデー系/日
3着リカンカブール
父シルバーステート(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧
2023年
1着ローシャムパーク
父ハービンジャー(ノーザンダンサー系/欧)×母父ミスプロ系/欧
2着タイトルホルダー
父ドゥラメンテ(ミスプロ系/欧)×母父ノーザンダンサー系/欧
3着ゼッフィーロ
父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧
2022年
1着ジェラルディーナ
父モーリス(ロベルト系/欧)×母父サンデー系/日
2着ロバートソンキー
父ルーラーシップ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
3着ウインキートス
父ゴールドシップ(サンデー系/日)×母父ナスルーラ系/米
2021年
1着ウインマリリン
父スクリーンヒーロー(ロベルト系/欧)×母父ミスプロ系/米
2着ウインキートス
父ゴールドシップ(サンデー系/日)×母父ナスルーラ系/米
3着グローリーヴェイズ
父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/米
2020年
1着センテリュオ
父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/米
2着カレンブーケドール
父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/米
3着ステイフーリッシュ
父ステイゴールド(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/欧

【オールカマー 血統背景】

レーベンスティール(牡4、美浦・田中博康)は、父リアルスティール×母トウカイライフ(母父トウカイテイオー)。ルーチェデラヴィタ(父キズナ)の3/4弟で、母トウカイライフはJRA3勝。他に近親に目立った活躍馬はいない。母父トウカイテイオーはシンボリルドルフの代表産駒でトウカイポイントなどを輩出。父リアルスティールはラヴズオンリーユーの全兄でフォーエバーヤングなどを輩出。本馬は見た目は父似だが、母父の独特の柔らかさを受け走りにしなりとバネがある。59キロを背負ったエプソムCは格と斬れ味の違いを見せつけた。中山なら内2000より外2200がいい。

前走のエプソムCは、59㌔の斤量を背負いながら鮮やかな差し切り勝ち。改めて能力の高さを印象付ける重賞2勝目だった。今回は重賞初勝利を決めたセントライト記念と同舞台。実績ある条件で重賞3勝目を目指す。
同馬は前走のエプソムCがルメール騎手との初コンビで、斤量59㌔で好位に付けてメンバー最速の上がり33秒7で差し切った。国内の芝は馬番4番以内だと①①①着で、3枠4番は昨年のセントライト記念(①着)と同じとなる。ルメール騎手は中山芝2200㍍の重賞で[4-5-3-11](複勝率52.2%)と好走率が高く、そのうちオールカマ一は2回騎乗していずれも勝利している(2018年、2023年)から、この継続騎乗も良いだけに期待したい!?

同馬は、発馬も決まって好位4番手追走。スタンド前から2角付近まで掛かったが、レース中盤では何とか折り合って、その位置をキープして3〜4角も手応え十分に追走。直線入り口は外が開かず、内を選択し、残り1ハロンを過ぎても前が壁になっていたが、残り100㍍で外のリカンカブールを押しのけて進路を確保すると一気に伸びて、逃げ馬を交わして差し切り優勝。危ない勝ち方だったが、能力の差は歴然。この秋の一翼を担う一頭に。 ちなみに、この馬は非根幹距離での成績が[5-2-1-0]、根幹距離では[0-0-0-2]なので、有馬記念向きかも??

アウスヴァール(セ6、栗東・昆貢)は、父ノヴェリスト×母カネツスペシャル(母父スペシャルウィーク)。父はドイツ血統ノヴェリスト、祖母のカネツテンビーは平坦時代の中京芝1200㍍で2勝し、CBC賞でも2着のあるスプリンター。テンビーとハビタットのイメージどおりの平坦向きの快速馬だった。同馬は父が揉まれ弱いドイツ血統のうえ、母父もスペシャルウィークでオリオール6×6のクロス。揉まれないのが好走への絶対条件になるので、逃げ馬に出たのは納得のパターン。ノヴェリスト産駒で切れる脚はないので、単騎で行ければ存外渋太いかも??ノヴェリスト産駒としてはタイプが異なり、フットワークに重さがなく、推進力のある走りをする馬。気性的におっとりし過ぎている印象も、晩成タイプで伸びしろが大きい。本質的にはコーナーを4つ回る非根幹距離の右回り1800㍍あたりが合うタイプ。ただ、夏場が苦手でもあり、基本的には良馬場で単騎逃げが好条件。中央と地方で24戦4勝を挙げ、芝の難波S等。ノヴェリスト産駒の函館2000㍍が好成績でもあり、前々走G3函館記念3着。

同馬は、発馬を決めると行き脚もついてハナへ。道中は12秒台のラップを4ハロン続けて、十分に息が入り逃げ粘る。3〜4角もプレッシャーを受けることなく、理想的な運びのなか、直線残り50㍍で交わされて2着。相手を誉める以外にない。さすがにオールカマー2着で今後ターゲットにされやすく、今後は真価が問われる。

リカンカブール(牡5、栗東・田中克典)は、父シルバーステート×母アンブラッセモア(母父Zoffany)。近親にフィユドレール賞(仏G3・芝2100㍍)2着ドウレミー。牝祖ゲノフェーファはロワイヨモン賞(仏G3・芝2400㍍)勝ち馬で子孫にサマーハ(シャケトラなどの母)やマムール(独G1オイロパ賞)がいる。母父ゾファニーはハービンジャーと同じダンジリ産駒。父シルバーステートはエエヤン、ウォーターナビレラ、セイウンハーデスなどを出す人気種牡馬。ロベルトとリボー系のクロスをもつシルバーステート産駒で内回りを力強く捲る。休み休みの出走だが、着実に力を蓄え、2走前・中山金杯で重賞初勝利を達成。GⅠ初挑戦だった前々走の大阪杯(16着)こそ崩れた。同馬の好走歴は中山、阪神、小倉と高速上がりを必要としない舞台ばかりで、「小回りの持久力勝負での強さ!?」まさにロベルト系と同じ適性。過去6連対は芝2000㍍でひと桁馬番の時で、直線平坦の芝2000㍍は小倉で2戦2勝。5勝中4勝は休み明けで、斤量58㌔でも2勝を挙げている。今年の中山金杯ではマイネルクリソーラを下して勝利、力を発揮できれば巻き返しも可能!?

同馬は、好スタートから積極的に、逃げたアウスヴァールと2馬身ほど開けて2番手追走。道中は揉まれることなくスムーズに運べて、直線も2番手のまま粘っていたが、ゴール前で勝ち馬に交わされ3着まで。現状の力は出し切れたはず。中山向きの立ち回りと速い時計への対応力が備わっており、今後も内回り2000㍍前後では期待したい1頭!?


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